野菜需給部 調査情報部
2009年11月の野菜輸入量は、前年同月比105%の177,396トンとなった。類別に見ると、「生鮮野菜」は同123%の46,704トン、「冷凍野菜」は同105%の65,414トン、「塩蔵等野菜」は同94%の9,812トン、「乾燥野菜」は同91%の3,656トン、「酢調製野菜」は同116%の2,432トン、「トマト加工品」は同76%の13,864トン、「その他調製野菜」は同101%の33,606トン、「その他」は同309%の1,906トンであり、「生鮮野菜」、「冷凍野菜」、「酢調製野菜」、「その他調製野菜」および「その他」は前年同月を上回り、「塩蔵等野菜」、「乾燥野菜」、「トマト加工品」は前年同月を下回った(図1、2、3)。
「生鮮野菜」は、主要輸入先国である中国が前年同月比115%の28,274トンと増加するなど、全体で同124%の46,704トンと増加した。
輸入量が増加した主な品目は、前年において中国が残留農薬などによる安全性の問題から輸出検査を強化したことにより、輸入量が大幅に減少したえんどうが同411%の133トン、にんじん及びかぶが同180%の3,234トン、たまねぎが同140%の19,306トン、ねぎが同131%の3,043トン、しょうがが同117%の851トン、にんにくが同105%の1,451トンなどであった。また、ニューカレドニアにおいて生育遅れにより11月に輸出が集中したかぼちゃが同132%の6,360トン、米国からの輸入が増加したトマトが同168%の314トン、韓国からの輸入が増加したジャンボピーマンが同104%の1,814トンとなった。
にんじんについては、北海道産が収穫の終盤となり、国産ものは入荷量が減少し、価格が堅調に推移したことから、輸入量は大幅に増加した。また、同じく北海道産の割合が高いたまねぎについては、北海道産が不作で小玉傾向であったことから、国産ものの入荷量は伸びず、価格は堅調に推移したことから、輸入量は大幅に増加した。にんじん及びかぶの輸入量の内訳を国別に見ると、第1位が中国で3,037トン、第2位が豪州で186トン、第3位が米国で10トンとなっている。たまねぎでは、第1位が中国で15,213トン、第2位が米国で4,093トンと、米中両国からのみの輸入となっている。
一方、輸入量が減少した主な品目は、厚生労働省における残留農薬の確認により命令検査の対象となっているセルリーが、前年同月比51%の203トン、ながいも等が同65%の100トン、さといもが同76%の830トン、ごぼうが同82%の2,872トンなどであった。
「冷凍野菜」は、前年同月比105%の65,414トンで、輸入量は前年同月を上回った。輸入量が増加した主な品目は、中国からの輸入が増加したいちごが同178%の2,824トン、ながいも等が同136%の137トン、ごぼうが同121%の705トン、米国からの輸入が増加したばれいしょが同114%の26,755トンなどであった。
一方、輸入量が減少した主な品目は、スイートコーンが同86%の3,112トン、えんどうが同88%の959トン、いんげん豆等が同88%の1,800トンなどであった。
そのほかの類別では、「その他(かんしょ)」が前年同月比309%の1,906トンと、前月同様各類別の中で一番増加率が伸びており、生鮮・乾燥ものが同431%の1,465トン、冷凍が同160%の442トンと増加した。
また、10月に輸入量が多かった「トマト加工品」については、トマトジュース、トマトソース、トマトケチャップなどが増加したが、トマトピューレやトマト加工品が大幅に減少し、11月は前年同月比76%の13,864トンと減少した。
(参考)東京都中央卸売市場における旬別入荷量と価格動向
資料:全国生鮮食料品流通センター「青果物旬別取扱高」、財務省「貿易統計」