野菜需給部 調査情報部
2009年10月の野菜輸入量は、前年同月比98%の174,722トンとなった。類別にみると、「生鮮野菜」は、同100%の44,059トン、「冷凍野菜」は、同96%の64,279トン、「塩蔵等野菜」は、同84%の9,332トン、「乾燥野菜」は、同99%の3,677トン、「酢調製野菜」は、同106%の2,502トン、「トマト加工品」は、同117%の15,328トン、「その他調製野菜」は、同99%の34,042トン、「その他」は、同60%の1,554トンであり、「生鮮野菜」は、前年同月並み、「酢調製野菜」および「トマト加工品」は、前年同月を上回り、「冷凍野菜」、「塩蔵等野菜」、「乾燥野菜」、「その他調製野菜」および「その他」は、前年同月を下回った(図1、2、3)。
「生鮮野菜」は、前年同月並みの44,059トンであった。
輸入量が増加した主な品目は、堅調な国内価格の推移を受け、たまねぎが前年同月比126%の19,869トンと米国からの輸入量が増加し、にんじん及びかぶが同114%の3,593トンと中国、豪州からの輸入が増加した。ほかにも、数量は比較的少ないが、増加が顕著な品目としては、結球レタスが同421%の140トン、結球キャベツが同341%の349トン、ながいも等が同209%の119トン、えんどうが同160%の52トンなどであった。
結球レタス、結球キャベツは、国内価格は軟調であったものの、前月の国内価格が堅調であったことから増加した。ながいも等については、夏場の天候不順の影響により国産の入荷量が減少したことから、価格は堅調に推移し、10月に入り輸入量は大きく増加した。輸入量の内訳を国別にみると、第1位が中国で109トン、第2位がベトナムで9トン、第3位がブラジルで2トンと、ほとんどを中国産が占めている。なお、えんどうはベトナムからの輸入量が増加した。
一方、輸入量が減少した主な品目は、前年の在庫の過多および国内需要の減退により、ニューカレドニアからの輸入量が大幅に減少したかぼちゃが前年同月比6%の120トン、国産の作柄が良好であったさといもが同53%の637トン、主要輸入先国である米国産が、厚生労働省から検査命令を受けたセルリーが同59%の232トン、ブロッコリーが同76%の2,224トン、ごぼうが同77%の3,583トンなどであった。
その中で、ブロッコリーは米国からのみの輸入となるが、国内価格が、9月上旬までの高値推移の反動と天候の回復による潤沢な入荷により、価格は一転して安値基調の推移となったことなどにより、前月比47%と輸入量は大きく減少した。
「冷凍野菜」は、前年同月比96%の64,279トンで前年同月を下回った。輸入量が増加した主な品目は、その他の豆が同141%の883トン、ながいも等が同126%の132トン、ごぼうが同110%の906トン、えんどうが同109%の1,122トンなどであった。
一方、輸入量が減少した主な品目は、いちごが前年同月比69%の1,955トン、スイートコーンが同86%の3,762トン、えだまめが同87%の3,352トンなどであった。
そのほかの類別では、「トマト加工品」が、前年同月比117%の15,328トンと、前月同様各類別の中で一番増加率が伸びており、その中で、前年を下回った品目は、前年同月比79%で446トンのトマトケチャップのみであった。
また、「塩蔵野菜」については、なす、こなす、らっきょう、しょうがなどが数量を減らし、全体としては、前年同月比84%の9,332トンの実績であった。
(参考)東京都中央卸売市場における旬別入荷量と価格動向
資料:全国生鮮食料品流通センター「青果物旬別取扱高」、財務省「貿易統計」