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需給動向


野菜の輸入動向(2009年9月)
~生鮮野菜は2カ月連続で前年同月比2割を超える増~

野菜需給部 調査情報部



2009年9月(速報値)の動向

 2009年9月の野菜輸入量は、前年同月比108%の175,129トンとなった。類別にみると、「生鮮野菜」は同126%の50,511トン、「冷凍野菜」は同98%の62,571トン、「塩蔵等野菜」は同78%の6,743トン、「乾燥野菜」は同93%の2,848トン、「酢調製野菜」は同111%の2,328トン、「トマト加工品」は同141%の15,775トン、「その他調製野菜」は同104%の33,399トン、「その他」は同60%の954トンであり、「生鮮野菜」、「酢調製野菜」、「トマト加工品」および「その他調製野菜」は、前年同月を上回り、「冷凍野菜」、「塩蔵等野菜」、「乾燥野菜」および「その他」は、前年同月を下回った(図1、2、3)。

生鮮野菜の動向

 「生鮮野菜」は、前年同月比126%の50,511トンと前月に引き続き大幅に増加し、1月から9月の累計でみても、前年同期比101%と前年を上回る結果となった。

 輸入量が増加した主な品目は、結球レタスが前年同月比4,682%の191トン、結球キャベツが同832%の1,171トン、アスパラガスが同160%の632トン、たまねぎが同145%の21,335トン、ジャンボピーマンが同142%の1,912トンなどであった。輸入量を大きく伸ばした結球レタスについては、米国のみの輸入であった。また、9月上、中旬の国産ものの入荷量が少なかったブロッコリーについても同127%の4,712トンと増加しており、すべて米国のみの輸入であった。そのほかにもカリフラワー、その他レタス、エンダイブ等、セルリーおよびすいかにおいては、すべて米国のみの輸入となっており、トマト、かぼちゃなどについても米国からの輸入量が一番多かった。

 一方、「生鮮野菜」の中で減少した主な品目としては、えんどうが前年同月比26%の19トン、ながいも等が同31%の39トン、さといもが同64%の530トン、しょうがが同67%の994トンなどであった。

(生鮮たまねぎの輸入動向について)

 輸入生鮮野菜において最も輸入量の多い品目はたまねぎであり、2009年9月の輸入生鮮野菜の42%を占める。2008年の国別輸入量をみると、第1位が中国で157,343トン、第2位が米国で19,652トンなどであった。中国および米国の輸入量の合計は、全体でみて99%を占めており、特に中国は85%を占めている。

 2000年までのたまねぎの輸入先国別輸入量の第1位は米国、第2位は中国であったが、2001年には中国産が前年比386%と大幅に増加し全輸入量の42%を占め、米国産が前年比64%と大幅に減少し、全輸入量の40%となった。2002年以降も米国産などの減少傾向は続き、2008年輸入たまねぎにおける中国産のシェアは85%に至った。これは1998年までの中国産の輸入は、主に山東省からの原体によるものであり、6月から8月を主体に輸入されていたが、1999年以降では、「むき玉」などによる加工輸出や冷蔵施設の整備が進み、さらに、9月から2月を主体に輸入が行われる甘粛省の産地が開発され、1月から5月に輸出される産地が福建省から品費で優る雲南省に異動するなど、周年供給産地が整備されたことによる。日本国内の加工費などを大幅に軽減する「むき玉」を主体とした中国産の輸入増加により、米国産の輸入は大幅に減少した。

 しかし、このような中国産「むき玉」の輸入の増加を背景に、たまねぎの全輸入量は増加傾向にあったが、2006年のポジティブリスト制度の実施や中国製冷凍ギョーザ事件などの中国産食品の安全性にかかわる問題、日本国内産の供給力の向上により、主要輸入先国である中国、米国、ニュージーランド、タイなどからの輸入は減少し、たまねぎの全輸入量は減少傾向へと転じた(図4)。

 一方、2009年1月から9月までの累計によるたまねぎの輸入量をみると、前年同期比105%の147,643トンと、2005年以来3年ぶりに100%を超える輸入量となった。国産たまねぎの不作による価格高や、前年において中国のメラミン問題による中国製食品に対する安全性が大きな問題になるとともに、中国政府の輸出農産物に対する検査強化などにより大幅に対日輸出量が減少したこともあり中国からの輸入量が増加した。

冷凍野菜等の動向

 「冷凍野菜」は、前年同月比98%の62,571トンで前年を下回った。輸入量が増加した主な品目は、ほうれんそう等が同134%の1,496トン、いちごが同127%の3,417トン、ブロッコリーが同122%の1,906トンなどであった。

 一方、輸入量が減少した主な品目は、えんどうが前年同月比61%の726トン、ながいも等が同62%の83トン、スイートコーンが同89%の3,812トンなどであった。

 また、「トマト加工品」は、前年同月比141%の15,775トンと輸入野菜の各類別の中で一番比率が伸びたが、その他のトマト加工品が同187%の9,517トンと大きく伸びたことによる。

(参考)東京都中央卸売市場における旬別入荷量と価格動向

資料:全国生鮮食料品流通センター「青果物旬別取扱高」、財務省「貿易統計」


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