野菜需給部 調査情報部
8月の気象は、本州付近への太平洋高気圧の張り出しが弱く、曇雨天の日が多く、北日本、東日本などでは寡照・低温となった。また、南からの暖かく湿った空気が入り易い状況となり、台風9号などにより各地で大雨となった。その後は一部雲が広がりやすかったものの、高気圧に覆われ全国的に晴れる日が多くなった。東北地方などでは梅雨明けは特定されなかった。
気温は、上旬、下旬は北日本などで平年を下回った。そのほかは一部地域を除き、おおむね平年並みとなった。
降水量は、上旬は、台風9号などにより各地で大雨となり、西日本などで平年を上回った。中、下旬は西日本などで平年を下回った。
日照時間は、上旬は、東北、関東、甲信越などの各地で平年を下回った。中、下旬は東北などで平年を下回った。
8月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が12万3千トン、前年同月比96%、価格はキログラム当たり254円、同125%であった。上旬、中旬は曇雨天の影響により、ばれいしょ、たまねぎなどの土物、なすなどの果菜類、だいこんなどの根菜類ほか多くの品目で入荷量は減少した。下旬以降は、ばれいしょなどの土物類で入荷量は伸び、価格は下げ基調となった。一方、はくさい、キャベツなどの葉茎菜類、トマトなどの果菜類は入荷量が伸びず価格は上げ基調となった。
品目別には次のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(8月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 東京青果物情報センター「青果物流通年報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~20年)の旬別価格の平均値である。
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
8月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万4千トン、前年同月比98%、価格はキログラム当たり249円、同124%であった。
降雨、日照不足など長引く天候不順や台風の影響により、ほとんどの品目が生育不良などの要因により入荷量は減少し、価格は高値で推移した。
しばらく高値が続いたばれいしょは、府県産の残量が減少する中、早生物を中心とした北海道産の入荷により、月の入荷量は前年を若干下回る程度となったが、価格は上旬に高騰した後、北海道産の入荷に伴い、中旬以降徐々に落ち着いたものの、月でみると前年のほぼ2倍の高値となった。
品目別には次のとおり。
(執筆者:東果大阪株式会社 柳原孝司)
大阪市中央卸売市場の動向(8月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 全国生鮮食料品流通情報センター
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~20年)の旬別価格の平均値である。
資料:
全国生鮮食料品流通情報センター