野菜需給部 調査情報部
(1)11月の気象概況
11月の気象は、上、中旬は曇天ながら降雨がほとんどなく、下旬に入り平年の2倍程度の降水量となった。気温については上旬から低温傾向が続いたものの、中旬は曇天により最低気温があまり下がらなかったことから平年を上回る気温の推移となった。しかし、下旬に入ると最低気温の低下が顕著になったことから平年並みの平均気温となった。日照時間については上、中旬は曇天日が多かったことから平年を下回り、下旬については、雨天日が多かったものの天気の回復も早かったことから平年並みの日照時間となった。
(2)東京都中央卸売市場
11月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が9万トン、前年比65.2%、価格が212円/kg、前年比91.6%であった。上、中旬に曇天が続いたことと、定植期からの生育停滞の影響から全体的に入荷量が伸びなかった。このため、価格はほとんどの品目で堅調に推移した。特にきゅうりなどの果菜類については、日照不足と低温により着果が鈍くなったことから入荷量が減少し、価格は続伸した。
品目別には、次のとおり。
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東京都中央卸売市場の動向(11月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 東京青果物情報センター「青果物流通年報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
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(単位:円/kg)
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~19年)の旬別価格の平均値である。
(3)大阪市中央卸売市場
11月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が3万5千トン、前年比97%、価格が202円/kg、前年比103%であった。
11月は台風などの大きな災害はなかったものの、は種時期の降雨によるは種の遅れやその後の根張りの悪さ、さらに生育期の曇天と早めの気温の低下などにより葉茎菜類・果菜類を中心に入荷量は少なく、価格は比較的高めで推移した。
品目別には次のとおり。
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(執筆者:東果大阪株式会社 柳原孝司)
大阪市中央卸売市場の動向(11月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 全国生鮮食料品流通情報センター
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
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(単位:円/kg)
資料:
ベジ探、原資料:全国生鮮食料品流通情報センター
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~19年)の旬別価格の平均値である。