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需給動向


野菜の輸入動向
~前年比97%まで戻すものの低調基調は持続~

野菜需給部 調査情報部



平成20年9月(速報値)の動向

 平成20年9月の野菜輸入量は、前年比97%の162,412トンとなり、ほぼ前年同の水準となっているが、前年も低かったことから、過去5ヵ年では最も低い輸入量となった。類別に見ると、生鮮野菜では、前年比94%の40,057トン、冷凍野菜は同100%の63,642トン、塩蔵等野菜は同117%の8,669トン、乾燥野菜は同111%の3,050トン、酢調製野菜は同90%の2,092トン、トマト加工品は同89%の11,163トン、その他調製野菜は同99%の32,156トン、その他は同60%の1,583トンとなっている。

 中国からの輸入動向を見ると、中国では通常9月は年間を通して輸出が減少する月であるが、今年は8月に北京オリンピックが開催された関係などで減少したことから、9月は8月より増えた形となり、我が国の中国からの輸入量の前年比を見ても8月が前年比78%だったのに対し9月は95%となっている。なお、10月に中国産冷凍いんげんから有機リン系農薬であるジクロルボスが検出されたことより、9月に前年並みまで戻したものの10月の輸入量に影響するものと思われる。

 全体の輸入動向を類別に見てみると、生鮮野菜は、前年比94%と8月に同72%まで下げたものが回復した結果となった。品目別に見ると、にんじんおよびかぶが同130%の3,604トン、ねぎが同110%の3,122トン、しょうがが同223%の1,474トンで増加しており、いずれの品目も8月に中国からの輸入が減少した品目であり、9月に一気に戻した結果となっている。また、えんどうは同1,092%の75トンと大幅に増加している。しかし、全体的には2006年、2007年と比較して大幅に減少していることが分かる(図5)。これは中国からの輸入の大幅な減少により、9月の輸入増加は、ベトナムとインドネシアからの輸入による。特にインドネシアからの輸入は、昨年は0トンだったものが、本年の累計(1月~9月)で113トンの輸入となっている。

 冷凍野菜は、9月は前年比100%となり、比較的安定している。輸入量が増加した品目は、冷凍えだまめが前年比153%の4,719トン、冷凍ばれいしょが同108%の26,222トン、冷凍えんどうが同105%の1,186トン等である。減少した品目としては、冷凍いちごが同81%の2,698トン、冷凍さといもが同90%の2,904トン、冷凍ながいも等が同66%の134トン等である。冷凍いちごは平成19年実績で67%が中国から、21%がアメリカから輸入されており、本年の輸入の減少は中国からの減少による。また冷凍ばれいしょは、平成19年実績で79%がアメリカ、13%がカナダ、4%が中国から輸入されており、本年9月までの累計で108%とやや多くなっている。アメリカからの輸入が対前年同期比で108%と増加、反対に中国からの輸入は対前年同期比83%と減少している。

 その他の類別で前年と比べて異なる動向を示したのは、塩蔵しょうがが前年比146%の1,619トン、トマトピューレ等関割が同166%の2,373トンであった。塩蔵しょうがは平成18年までは中国からの輸入量が一番多かったが、平成19年ではタイが台頭し、本年の9月までの累計では66%を占めている。トマトピューレ等関割も中国が依然輸入主要国ではあるが、減少傾向であり、反対にポルトガルが平成18年557トン、平成19年1,897トン、平成20年の9月までで既に3,192トンと大きく伸ばしてきている。

図4 東京都中央卸売市場の旬別入荷量及び価格動向

図5 生鮮えんどうの輸入動向

資料:

農畜産業振興機構「ベジ探」、全国生鮮食料品流通情報センター「青果物旬別取扱高」、財務省「貿易統計」


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