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需給動向


中国の品目別野菜輸出・価格動向(2008年8月分)
~低迷する日本向け輸出~

調査情報部



 中国製冷凍ギョーザ事件などによる中国産食品のイメージの悪化や、中国産野菜の大きな需要先である加工食品の買い控えなどにより、中国から日本への輸出は低迷が続いている。

 他国への輸出については、にんにくが中国国内の需給緩和基調から低価格での輸出が続いている一方、日本以外への国への輸出が大きな割合を占める品目については、おおむね順調な輸出状況となっている。

 一部品目の国内価格については、オリンピック開催の影響による価格上昇があった模様である。

1.たまねぎ ~日本向けの輸出は低水準~
  8月の輸出量は前月比および前年同月比9割弱の54,206トンであった。日本向けはさらに低水準で推移している。1~8月までの累計においても前年を下回る水準であり、日本向けの輸出量の減少が目立つ。

 8月の輸出価格は昨年や前月に比較して若干高めに推移している。

2.にんにく ~低迷する価格や生産条件の悪化に苦しむ産地~
  8月の輸出量は前年同月比143%の203,277トンであった。1~8月までの合計では100万トンを超え、前年に比較して増加している。一方で輸出価格は、8月および1~8月累計の数字とも、低迷が続いている。

 山東省のにんにくの主産地である金郷や成武に関する現地の報道によると、新規業者の参入による競争の激化、生産資材価格や労賃の上昇に加え、冷蔵のために利用する電力の不安定な供給、発芽などによる品質の劣化が心配されていると伝えられている。

3.ねぎ ~回復する兆しが見られない輸出~
  輸出のほとんどを占める日本向けの輸出の低迷により8月は前年同月比61%の2,035トン、1~8月までの累計で前年同月比73%の21,064トンとなっており、明確な回復の兆しはみられない。今年に入ってから高値傾向で推移していた輸出価格についても、8月は前年並みとなっている。

4.にんじん ~日本以外の国へ順調な輸出~
  8月の輸出量は前年とほぼ同水準の32,493トンであったが、日本向け輸出については、前年の半分以下の水準である。1~8月の累計も同様である。

 一方で価格は日本向け、他国向けとも堅調に推移している。

5.しいたけ ~大幅に減少している輸出~
  8月の輸出量は前年同月比15%の589トンと激減している。ただしこれは昨年の8月の輸出量が急激に増加した反動である。日本向けの輸出も82トンと半減した。1~8月の輸出量の累計でみても前年に比較して半分の水準である。

 8月の輸出価格はおおむね前年並みであったが、1~8月の平均でみると、欧米諸国向けの価格が上昇していることから、日本以外の国への輸出価格は上昇している。

6.しょうが ~堅調に推移する輸出価格~
  8月の輸出量は前年同月比123%の27,048トンと増加しているが、1~8月の累計では174,089トンで前年に比較して1割ほど低い水準である。日本向けの輸出は他国より減少幅が小さく推移している。

 輸出価格は、8月単月および1~8月平均価格とも前年より高くなっている。

7.冷凍ほうれんそう ~おおむね順調な輸出状況~
  8月の輸出量は前年同月比78%の2,288トン、日本向けは前年同月比55%の784トンであった。1~8月の累計では日本向けは前年に比較して若干減少しているが、他国向け輸出は増加している。増加は日本以外の主要輸出先国である米国などの増加によるものである。

 輸出価格は前年に比較して、若干低い水準である。

中国の野菜輸出状況

(単位:t、円/kg)

資料

 : 

Global Trade Information Services社“Global Trade Atlas”のデータより作成

注   

 : 

()内は関税番号

 : 

中国FOB価格の円換算はGlobal Trade Atlasの換算による

 : 

しょうがは調製品の数字が含まれているとみられる


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