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需給動向


野菜の輸入動向
~中国からの輸入量が減少~

野菜需給部、調査情報部



(1)平成20年8月(速報値)の動向
  平成20年8月の野菜輸入量は、前年比87%の166,074トンとなった。7月にほぼ回復したとみえたが、8月は再度減少に転じた結果となった。類別に輸入量を見ると、生鮮野菜では前年比72%の32,340トン、冷凍野菜は同93%の68,789トン、塩蔵野菜は同94%の7,131トン、乾燥野菜は同102%の2,938トン、酢調製野菜は同91%の2,634トン、トマト加工品は同96%の19,965トン、その他調製野菜は同87%の31,820トン、その他は同68%の456トンと乾燥野菜以外の全ての類別で減少した。

 これは、中国からの輸入減少による要因が大きく、8月は北京オリンピックが開催された関係で、中国国内需要が高まり物資の動きが鈍かったこと、また車両規制があったことから物流が円滑にいかなかったことが要因と思われる。

 類別に動向を見てみると、生鮮野菜は、前年同期比72%と7月に90%まで戻したものの減少幅が大きくなった。品目別に動向を見ると、たまねぎが前年比71%の12,420トン、ねぎが同59%の2,576トン、ブロッコリーが同52%の2,313トン、アスパラガスが同50%の171トンなど減少している品目が多い。

 たまねぎは中国からの輸入が全体のおよそ99%、ねぎは100%を占めており、中国からの輸入減少が大きな要因である。ブロッコリーは米国が100%を占めており、今回の減少は米国からの輸入が減少したことによる。生鮮ブロッコリーは、平成19年実績で中国からの輸入は全体量のおよそ20%を占めていたが、本年は年当初より中国からの輸入が大幅に減少しており、特に4月以降は中国からの輸入はなく、平成20年8月までで、中国からのものは前年同期比11%まで減少、全体数量は同76%となっている。アスパラガスは、メキシコ、タイなどから輸入され、冬場に多く、夏場に少なくなる形態であり、8月は主な輸入先であるタイからの輸入減少が要因になっているが、平成18年の1~8月までの累計と比較すると、平成19年は81%、平成20年は68%と年々減少する傾向にある。

 冷凍野菜は、先月は前年比101%であったが、8月は同93%となり、回復基調から下げた結果となった。これもオリンピック開催の影響があると思われる。輸入量の多い品目の中で減少した品目は、冷凍えだまめが前年比87%の5,709トン、ほうれんそう等が同72%の1,589トンである。冷凍えだまめは、昨年までは中国からの輸入量が最も多かったが、本年は台湾からの輸入が最も多くなった。また、先述のアスパラガスと同様に冷凍えだまめも年々輸入が減少している品目であり、平成18年1~8月までの累計と比較すると、中国からの輸入が平成20年は53%と大幅に減少している。冷凍ほうれんそうは、1月の中国製冷凍ギョーザ事件後も大きな影響を受けずに輸入が前年と同程度続いていた品目であるが、8月には中国からの輸入が前年比63%となり減少している。

 その他の類別はやや前年を下回る結果であった。一方で、取扱数量は少ないが、乾燥野菜は前年比102%と微増している。乾燥野菜で増加した品目は、しいたけ、たまねぎ、たけのこ、だいこんなどがあり、中国からの輸入増加による。

東京都中央卸売市場の旬別入荷量及び価格動向

資料:

農畜産業振興機構「ベジ探」、全国生鮮食料品流通情報センター「青果物旬別取扱高」、財務省「貿易統計」

(2)食品消費の変化
 野菜の消費量が年々減少していることは周知のことであり、昭和62年は年間一人当たり111kg消費していたが、平成19年には93.9kgと100kgを下回っている(図1)。消費拡大のためさまざまな提案をしているが、なかなか抜本的な解決に結びついていない。野菜の消費の変化は、食生活の変化が主な要因として挙げられているが、家計調査年報により指定野菜を中心に平成19年と20年前の昭和62年を比較することにより消費の動向を見る。

 品目ごとに消費の動向を見てみると、一人当たりの消費量で特に減少している野菜は、ほうれんそう、さといも、きゅうり、なす、はくさいなどであり、20年前と比較して80%を下回っている。同様に作付面積および出荷量を平成元年と平成17年で比較してみると(図3)、出荷量が大きく減少している品目と消費量で減少率が高い品目が重なっていることが分かる。また、だいこん、はくさいの需要の一つである漬け物の一人当たりの購入数量を見ると、だいこん漬けが74%、はくさい漬けが72%と減少しており、減少率が生鮮ものと比べて高いことが分かる。

 昭和62年時点で既に食の洋食化は指摘されていたと思うが、洋食の一つといえるサラダについては支出金額が増加しており、更にここ20年で洋食化が進んだといえ、一人当たりの支出金額が、昭和62年は352円、平成19年は920円と261%の増加である。サラダの材料として増加したと思われる品目としては、レタス、トマト、ピーマン、ブロッコリーなどが挙げられるが、いずれの品目も一人当たりの消費量が増加していることが分かる。また、緑黄色野菜のトマト、にんじんは健康を意識したことから消費量が伸びたと思われ、キャベツの減少率が低いのも健康に良いというイメージがあると思われる。特にブロッコリーは平成2年と平成19年の比較で、消費量が213%と大きく増加していることが分かる。ブロッコリーは国内の産地も平成元年と比較して作付面積で131%、出荷量で118%と増加しているが、海外からの輸入も平成19年実績で生鮮ブロッコリー41,840トン、冷凍ブロッコリーが23,787トンであり、消費の増加をまかなっている。

 また、大きく伸びているのが調理食品、冷凍調理食品であり、調理食品では、一人当たりの支出金額が昭和62年では、3,864円であったが、平成19年では32,137円と832%の増加、冷凍調理食品も同様に昭和62年は641円だったのが、平成19年では1,658円と259%の増加である。本誌9月号で記述したとおり、中食産業は継続的に増加をしており、家計調査からもその動向が明確になっている。

 この結果をみると、食の変化に伴って野菜の生産も追随して動いており、食べてもらう野菜の生産は重要であるが、本誌今月号掲載の(株)かね松代表取締役の上田氏の言葉にもあるように、日本の食文化に合わせてどのような食の提案をしていくかも大事なことであると思われる。

図1 野菜の1人当たり年間消費量

資料:農林水産省「食品需給表」各年度

図2 1世帯当たり年間支出金額、購入数量及び平均価格

注1:「-」は調査されておらず数値なし。
注2:サラダ、調理食品、冷凍調整食品、外食の一人当たりの数値は金額である。
注3:世帯人員は昭和62年;3.77人、平成19年;3.14人である。
注4:ブロッコリーの数値は調査開始年の平成2年のものである。
資料:総務省「家計調査年報 昭和62年、平成2年、平成19年」

図3 品目別作付面積・出荷量

単位:ha、トン

資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」平成元年、平成17年


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