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需給動向


中国の品目別野菜輸出・価格動向(2008年7月分)
~国内販売環境の影響を受ける野菜輸出~

調査情報部



Ⅰ 品目別野菜輸出状況

1.たまねぎ ~ベトナムへの輸出は増加~
 7月の輸出量は前年同月比77%の61,850トンであった。引き続き主要な輸出先国である日本やロシア向けの輸出や、昨年増加したマレーシアへの輸出量が減少しているが、ベトナムへの輸出量は増加している。

 1~7月までの累計は前年同期比78%と同じく低水準となっている。

 輸出価格は前月に引き続き7月も回復傾向であるが、1~7月の期間平均では前年より安値となっている。日本向けはむき玉主体の輸出になってきているものとみられ、価格が上昇している。

2.にんにく ~輸出価格が低迷~
 7月の輸出量は前年同月比97%の153,458トンであった。1~7月までの合計も多かった前年を上回る輸出状況となっている。インドネシアやベトナム向けの輸出量が増加している。

 一方で輸出価格は、7月および1~7月累計とも、低迷が続いている。

 山東農業信息網2008年8月25日付レポートでは、山東省のにんにくの主産地である金郷や成武において、にんにくの販売価格の低迷に加え、肥料価格や雇用労賃の上昇により生産者が苦しんでいる状況を伝えている。

3.ねぎ ~日本向けが回復傾向~
 7月の輸出量は3,309トンと前年同月比で同等、前月より増加した。輸出相手国はほとんどが日本向け輸出であり、日本向け輸出の増減がそのまま全体の輸出量に直結している。

 一方1~7月までの累計では、前年同月比75%で日本向けの輸出の不調が響いている一方で、量は少ないながら他国への輸出が増加している。

4.にんじん ~輸出価格は高水準で推移~
 7月の輸出量は前年同月比115%の45,326トンであった。日本向けの輸出は再び落ち込んでいる。1~7月までの累計では日本向けの減少が影響し、前年をわずかであるが下回る水準である。日本以外には韓国、マレーシア、タイ、ロシア、ベトナムなどが主要な輸出先国であり、これらの国に対する輸出は比較的安定した水準で推移している。一方で価格は高水準で推移している。

5.しいたけ ~日本向けは減少しているが、米国への輸出は増加~
 7月の輸出量は前年同月とおなじ497トンである。日本向けの輸出は、1~7月の輸出量の累計も前年に比べ大幅に減少したままである。もう一つの輸出先である米国への輸出は増加している。

 価格はおおむね前年並みである。

6.しょうが ~昨年増加した他国向け輸出が減少~
 7月の輸出量は26,020トンと前年同月比110%と増加していたが、1~7月の累計では前年を下回っている。パキスタンや米国、アラブ首長国連邦、マレーシアが他の輸出先国であるが、パキスタンやアラブ首長国連邦を除き、年ごとの増減が見られる。また英国、カナダ、オランダなどの欧米諸国にも輸出されている。

 輸出価格は堅調であり、7月および1~7月の平均でも前年に比較して3割以上の価格上昇がみられる。

7.冷凍ほうれんそう ~回復する日本向け輸出~
 7月の輸出量は日本向けの輸出量が対前年比86%の1,319トンにとどまる一方、他国向けの輸出量が多かったことから、全体としては前年同月比129%と3,161トンであった。1~7月の累計でも米国向けが増加していることから、全体の輸出量が増加している。

 輸出価格は前年より若干安値以降である。

 また省別の冷凍ほうれんそう輸出量について上海農業網で一部データが公表されているが、75%程度が山東省、20%程度が江蘇省となっており、この2省からの輸出が主力となっている。

図1 冷凍ほうれんそうの輸出量の省別内訳

(単位:t)

資料:上海農業網
注:2007年はデータが欠損
  :実際の冷凍ほうれんそうの産地を表しているとは限らない。

表1 中国の野菜輸出状況

(単位:t、円/kg)

※クリックすると拡大します。

資料:Global Trade Information Services社“Global Trade Atlas”のデータより作成
注:( )内は関税番号
  :中国FOB価格の円換算はGlobal Trade Atlasの換算による
図2 中国国内の品目別卸売価格の推移

中国のねぎ卸売価格(全国平均、円/kg)

中国のにんじん卸売価格(全国平均、円/kg)

中国のしいたけ卸売価格(全国平均、円/kg)

中国のほうれんそう卸売価格(全国平均、円/kg)

中国のブロッコリー卸売価格(全国平均、円/kg)

上海のキャベツ卸売価格(上海地区、円/kg)

資  料

上海農業網ホームページ「蔬菜市場数拠分析」より作成

データ公表の遅れにより、7月までのグラフ

機構注

データは中国の各市場の気配値の単純平均と思われる。

為替レートは毎年数%円高元安になっているため、その影響も考慮する必要がある。
(前月号では円高元安と間違って記述されていました。お詫びして訂正いたします。)

キャベツは上海地区の卸売価格。全国平均より高値で変動幅が大きい傾向がある。

中国トピックス

中国のトマト生産・貿易事情(加工用トマト含む)

 2008年5月30日付の米国農務官による中国のトマト生産・流通事情に関する年間報告に基づき、中国のトマト生産・貿易事情を報告する(GAIN Report, CH8041)。

 (注:米国の農務官による各国のレポートは報告日と、公表日が大幅にずれることがある。日付は報告日である。)

 2008年度(7月~6月)の中国のトマト生産量3750万トンと前年度に比べ3%増加するとみられている。このうち加工用トマトの生産量は520万トンとみられており、前年の生産量より15%増加することになる。これは前年えき病により生産量が大幅に減少した内モンゴル自治区の加工用トマトの生産量が回復するとみられているからである。

 生食用トマトの生産はほとんどの省で行われているが、山東省、河北省、新疆ウイグル自治区、河南省、江蘇省が主な生産地である。

 加工用トマトの生産地は、北部の省である新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区、甘粛省であり、3省で全体の加工用トマト生産の9割を占めている。

 トマト加工品製造社は、全国で67あり、新疆ウイグル自治区に40、内モンゴル自治区に19、甘粛省で8あるとされている。全体の製造能力はトマトペースト100万トン(トマト換算で6~700万トン)の加工能力があるとみられているが、2008年度工場に搬入されるトマトの量は490万トンとみられ、能力をかなり下回っている。

 内モンゴル自治区の加工用トマトの生産面積は2004年、新疆ウイグル自治区のトマト加工品製造者が内モンゴル自治区河套平原に工場を移転させてから、一貫して増加してきた。

 中国の加工用トマト生産の弱点としては、収穫期間が短く、工場に納入するまでに長期間(一説によると5~7日)かかることが挙げられている。一方、温室を利用したトマト育苗が好調であり、4~5月にかけてトマトの苗を育苗した後、残りの10~11ヶ月で別の野菜の栽培を行うことによって、収益を上げていると紹介されている。

 貿易についてはトマトペーストの輸出は年々増加しており、2008年度のトマトペースト(HS 2009010)の輸出量は前年比14%増の70万トンが予想されている。主要輸出先国はロシア、イタリア、日本である。

 イタリアは中国のトマトペーストの大輸入国であり、中国製ペーストを加工した製品を北アフリカなどに輸出を行う貿易も行っていたが、2004年7月にイタリア政府がトマトペーストを生鮮トマトから加工したものに限定するとする規則をつくったこと、2006年6月15日から施行されたトマト加工品に対する原産地表示の義務付けによる影響から輸出量が減少していた。しかし2007年度用トマトが収穫期前の大量の降雨によりベト病(Peronospora)が発生し、需給がひっ迫したことから2007年度の中国からイタリアへの輸出量は急増している。

 輸出港は天津港が最重要の輸出港であり、港湾にトマトペーストの高度加工施設や、包装設備が存在している。

 消費量は生鮮用トマトの消費は年間21kg/人であり、春や夏に消費のピークを迎える。トマト加工品の消費量は少なく、年間0.2kg/人であり、今後の増加が期待されている。


表2 中国のトマトペースト主要輸出先国

(単位:t)

資料:

USDA GAIN Report“China, Peoples Republic of, Tomatoes and Products, Annual Report 2008”


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