野菜需給部 調査情報部
(2)東京都中央卸売市場
8月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が12万8千トン、前年比100%、価格が203円/kg、前年比92%であった。
東北産地は生育期の天候不良による遅れの影響が残ったことから、上旬まで入荷量が伸びなかったものの、中旬は各産地とも上旬の天候に恵まれ、入荷量を伸ばした。しかし、下旬に入ると各産地とも気温が低く推移し、曇雨天が続いたことから、入荷量が減少した。
価格については、東北、関東を中心とした果菜類は、盆明け以降から緩やかに上げ始め、下旬のまとまった降雨の影響で大きく上げた。
甲信高冷地を中心としたレタスやキャベツについては、天候が大きく崩れなかったことから、入荷量に大きな影響はなく、とくにキャベツについては、消費地である東京の高温と食品の値上げなどの物価高による家庭消費減退の影響で需要が鈍く、価格は低迷した。
品目別は下表のとおり。
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東京都中央卸売市場の動向(8月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 東京青果物情報センター「青果物流通年報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
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(単位:円/kg)
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~19年)の旬別価格の平均値である。
(3)大阪市中央卸売市場
8月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が3万5千トン、前年比97%、価格が201円/kg、前年比91%であった。
上旬は、気温高・日射量が多いなか、入荷量が順調で価格が低迷、下旬は、降雨と気温低下から入荷量が減少し、とくに果菜類については価格を上げた。
北海道産が主力のにんじんは、発育期の天候不順の影響で小玉傾向となり価格は、前年比を大きく上回った。一方、群馬や長野の高冷地主体のレタスやキャベツは、入荷量が若干減少傾向ながら、野菜全体の需要が伸びず価格が前年を下回り、そのなかでもキャベツは大きく低迷した。
品目別は、下表のとおり
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(執筆者:東果大阪株式会社 柳原孝司)
大阪市中央卸売市場の動向(8月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 全国生鮮食料品流通情報センター
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
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(単位:円/kg)
資料:
ベジ探、原資料:全国生鮮食料品流通情報センター
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~19年)の旬別価格の平均値である。