野菜需給部 調査情報部
(1)6月の気象概況
6月の気象は、全国的に梅雨入りしたことから、寒暖の差が大きくなった。気温の動向としては、上旬は気温が低く、中旬以降は平年並みとなった。降水量については、上、中旬は平年を下回ったが、下旬は台風6号から変わった温帯低気圧が梅雨前線を刺激したことからまとまった雨となり、平年を上回った。日照時間については、全国的に平年を上回った。
(2)東京都中央卸売市場
6月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が12万8千トン、前年比95.6%、価格が238円/kg、前年比120.7%であった。四国や九州などの西南暖地の出荷が終了し、主産地は関東、甲信高冷地に移動した。また、東北産の出荷も始まった。東北産については初期の生育停滞、関東、甲信高冷地産については、生育停滞に加えて、5月の曇雨天の影響と6月下旬の降雨により、入荷量は少なかった。
品目別は下表のとおり。
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東京都中央卸売市場の動向(6月速報・一部抜粋)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 東京青果物情報センター「青果物流通年報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
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(単位:円/kg)
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~19年)の旬別価格の平均値である。
(3)大阪市中央卸売市場
6月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が3.3万トン、前年比97%、価格が222円/kg、前年比118%であった。
前月に引き続きにんじんやねぎは、中国産の輸入量が少なく国内産の加工筋からの引きが強いことから、価格は高めで推移した。また、長崎産の出荷量が少なく後続の静岡産の出荷が出遅れたばれいしょは高値基調となり、前年比の2倍となった。
きゅうりやなす、ピーマンなど果菜類は、春ものと夏秋ものの産地の切り替わり時期だが、春ものの切り上がりが早く、夏秋ものは、出荷の出遅れから入荷量が伸び悩み、価格は前年を上回った。
品目別は、下表のとおり。
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(執筆者:東果大阪株式会社 柳原孝司)
大阪市中央卸売市場の動向(6月速報・一部抜粋)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 全国生鮮食料品流通情報センター
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
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(単位:円/kg)
資料:
ベジ探、原資料:全国生鮮食料品流通情報センター
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~19年)の旬別価格の平均値である。