[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準

  • 大きく

お問い合わせ

需給動向


中国からの品目別野菜輸出状況
~日本以外の国へも輸出が拡大する中国産野菜~

調査情報部



1 たまねぎ(生鮮)~マレーシアへの輸出量の増加~

  中国からの生鮮たまねぎの輸出は、例年日本とロシアが主要輸出先国になっており、2007年にはこれに加え、マレーシアが大幅に増加した。月別のデータをみると、南方産地に生産が限られる1~5月までは日本およびロシアへの輸出が過半を占めていたが、山東省などからの北方産地の出荷が本格化する6月以降、マレーシアを含め他国への輸出量も大きく増加している。

 なお、2008年に入ってからの輸出量は、1月~3月の累計で75,004t(対前年同期比80%)に減少している。日本への輸出量が中国国内での残留農薬検査の強化に伴い、減少しているほか、ロシアなどへの輸出量も減少している。

図1 中国からのたまねぎ輸出量

資料:World Trade Atlas, 単位は千t、年は暦年である
注  :HSコード07031010

図2 中国からのたまねぎ月別輸出量

資料:World Trade Atlas, 単位は千t、年は暦年である
注  :HSコード07031010

2 にんにく(生鮮)~世界各国に行われる輸出~
  世界のにんにく貿易において中国は圧倒的なシェアを誇っており、日本向けの輸出量は全体の輸出量のうち、1%を占めるにすぎない。主な輸出先国はインドネシア、ベトナム、マレーシア、パキスタン、フィリピンであるが、2007年のこれら上位5カ国を合計しても5割のシェアを占めるのみであり、全世界に向けて輸出されていることが分かる。

 また、2008年1月~3月の累計では、前年同期比144%となっており、全体の輸出量は引き続き拡大傾向にある。

図3 中国からのにんにく輸出量

資料:World Trade Atlas, 単位は千t、年は暦年である
注  :HSコード07032010。にんにくの芽は含まない

3 ねぎ(生鮮)~日本向け輸出の減少と韓国向け輸出の増加~
  中国からのねぎの輸出は従来、日本向けがほとんどであり、90%以上が日本に仕向けられていた。しかし2008年には残留農薬検査の強化などにより日本向けの輸出が大幅に減少している一方、韓国向けの輸出量が増加しており、日本向けのねぎが一部、韓国にも仕向けられるようになっていることが推察される。このことは、残留農薬検査への対応が整い次第、速やかに日本向けのねぎの輸出をある程度まで回復させることが可能となっていると見ることができる。

 なお、中国国内においては、今年に入ってからの低温・寒波の影響により3月中旬まで、ねぎの産地である山東省の省都である済南市でのねぎの卸売価格が4~5元/500g、最高で9元(1元15円換算で120円~150円/kg、最高で270円/kg)まで高騰していたが、4月に入ってからは気温の回復に伴い供給が回復したことから、5月上旬の同市場の卸売価格は1元/500g(30円/kg)を切る水準に落ち着いてきている。

図4 中国からのねぎの輸出量

資料:World Trade Atlas, 単位は千t、年は暦年である
注  :HSコード07039020。西洋ねぎ(リーキ)などは除く

図5 中国からのねぎの月別輸出量

資料:World Trade Atlas, 単位はt、年は暦年である
注  :HSコード07039020。西洋ねぎ(リーキ)などは除く

4 にんじん(生鮮)~日本への輸出量の減少とASEAN諸国への輸出増加~
  にんじんについては、日本、韓国、マレーシアが主要な輸出先国である。2005年および2006年には2005年の日本国内のにんじんの作柄不良から日本向け輸出量が増加したが、2007年には日本向けの輸出量は減少している一方、他国への輸出が増加し、輸出量は横ばいで推移している。日本以外に輸出が増加している国はASEAN諸国であり、ASEAN諸国との経済連携の強化が影響している可能性が考えられる。2008年は日本において残留農薬が確認され、命令検査に移行している影響から、日本向け輸出が減少した2007年に比較しても前年同期比(1~3月)で、さらに減少している。

図6 中国からのにんじん輸出量

資料:World Trade Atlas, 単位は千t、年は暦年である
注  :HSコード07061000。かぶを含む

図7 中国からのにんじん月別輸出量

資料:World Trade Atlas, 単位は千t、年は暦年である
注  :HSコード07061000。かぶを含む

5 しょうが(生鮮)~日本以外の諸国への輸出量の増加~
  しょうがについては日本が主要な輸出先国であったが、そのほかにもパキスタン、マレーシア、米国などに多く輸出が行われてきた。2007年にはそれらの国への輸出量が大幅に増加したことにより全体の輸出量が増加したが、2008年に入って該当国への輸出は前年同期比(1~3月)で減少しており、一時的な要因によるものであった可能性も考えられる。

図8 中国からのしょうがの輸出量

資料:World Trade Atlas, 単位は千t、年は暦年である
注  :HSコード09101000


元のページへ戻る


このページのトップへ