野菜需給部 調査情報部
(1)4月の気象概況
4月の気温は3月同様、全国的に平年より気温の高い日が多かった。なお、気温の動向としては、上・中旬までは肌寒い日があったものの、下旬に入ってからは20度を超える日が多くなった。降水量については、関東を中心として頻繁に低気圧が通過したため、上・中旬にまとまった降雨があり、平年より多かった。四国や九州では、下旬にまとまった降雨があったものの、平年並みよりやや少なかった。日照時間については、関東では平年並みから若干少なかったものの、四国や九州では平年より多くなった。
(2)東京都中央卸売市場
4月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が13.5万トン、前年比124%、価格が229円/kg、前年比102.3%であった。上旬は2月の低温に起因する生育停滞の影響が残り、入荷量が少なかった。中旬になると主産地が西南暖地から関東に移ったが、果菜類では上旬の日照不足から出荷量が伸び悩んだ。葉菜類については、出荷量が増えた。下旬になると、天気が回復したこともあり、出荷量は全体的に増えた。
価格については、多くの品目で出荷量が増えた下旬に価格を下げたが、作付面積の減少や生育の停滞で出荷量の少なかったピーマンやほうれんそうおよびたまねぎの価格は前年を上回った。また、3月に引き続き輸入量の少なかったにんじんやねぎの価格も前年を上回った。しかし、需要の少なかっただいこん、レタスは、前年を下回る価格となった。
品目別は下表のとおり。クリックすると拡大します。
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 東京青果物情報センター「青果物流通年報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~19年)の旬別価格の平均値である。
(3)大阪市中央卸売市場
4月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が3.7万トン、前年比108%、価格が217円/kg、前年比106%であった。
後続の高冷地の生育の遅れ等で入荷量の少なかったほうれんそう、中国からの輸入が少ないにんじん、ねぎ(白ねぎ)やさといもは、入荷量が前年を下回り、価格は前年を上回った。しかし、気温が高かった影響から、順調な入荷となる一方、需要が伸びなやんだレタスは、前年を大幅に下回った。
品目別は、下表のとおり。
クリックすると拡大します。
(執筆者:東果大阪株式会社 柳原孝司)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 全国生鮮食料品流通情報センター
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
資料:
ベジ探、原資料:全国生鮮食料品流通情報センター
注 :
平年とは、過去5ヵ年(15~19年)の旬別価格の平均値である。