調査情報部 調査情報第二課
(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成20年2月)
2月の気温は、短い周期で低気圧が日本付近を通過し、天気は数日の周期で変わり全国的に低かった。
降水量は、東・西日本太平洋側で上旬は平年を上回り、日照時間は平年を下回ったものの、中旬以降は、降水量はかなり少なく、日照時間は平年を大幅に上回った。
①東京都中央卸売市場
2月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が12.4万トン、前年比106.8%、価格は234円/kg、前年比118.2%であった。曇天・冷え込みの影響で生育が停滞したことや降雪の影響による作業遅れで総体的に入荷量が少なく、価格は堅調に推移した。
品目別の動向は下表のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(2月速報・一部抜粋)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
資料:東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注:平年とは、過去5ヶ年(14~18年)の旬別価格の平均値である。
②大阪中央卸売市場
2月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が3.3万トン、前年比107.2%、価格は214円/kg、前年比116.9%であった。1月の日照不足、2月の低温から1月に比べて、だいこん・はくさい・キャベツの重量野菜の入荷量が減少する一方、気温が低く鍋もの需要が増加したなどから、根菜類・葉茎菜類中心に前年を上回る価格となった。
品目別動向は下表のとおり。
(執筆者:東果大阪株式会社 柳原孝司)
大阪中央卸売市場の動向(2月速報・一部抜粋)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:全国生鮮食料品流通情報センター
指定野菜の卸売価格の推移(大阪中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
資料:東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注:平年とは、過去5ヶ年(14~18年)の旬別価格の平均値である。
(2)輸入動向
①平成20年1月(速報値)の動向
平成20年1月の野菜輸入量は、前年同期比95%の194,672トンとなった。
生鮮野菜では、好天の影響により国産野菜の生育が順調だったことから葉菜類・根菜類など一部の品目が安いことと、中国産野菜への消費者等の不信から、中国産野菜のウェイトが高いねぎが対前年同期比76%の3,190トン、しょうが同61%の2,770トン、にんにくが同84%の1,747トン、にんじん及びかぶが同81%の1,513トン、さといもが同52%の934トン、しいたけが同44%の818トンと減少した。また、韓国産が主力のジャンボピーマンは同121%の1,468トン、ニュージーランド産が主力のかぼちゃは同114%の10,323トン、メキシコ産が主力のメロンは同248%の2,471トンと増加したが、生鮮野菜全体では、対前年同期比90%の50,912トンとなり対前年を下回った。
冷凍野菜では、輸入量全体の約3割を占めるばれいしょが対前年同期比93%(アメリカ:同87%、カナダ:同139%、中国:同92%)の22,250トン、ほうれんそう等が同90%(中国:同97%、ベトナム:同70%、台湾:同86%、)の2,288トン、スイートコーンが同90%(アメリカ:同73%、ニュージーランド:同111%、タイ:同214%)の3,407トンと減少した。一方、えだまめが同102%(中国:同100%、台湾:同87%、タイ:同135%)の2,770トン、さといもが同108%(中国:同108%)の4,127トン、ごぼうが同118%(中国:同118%)の758トンと増加しており、冷凍野菜の1月は、業務用の需要があるため生鮮野菜ほど中国からの輸入は減っていないのが特徴である。冷凍野菜全体では、対前年同期比97%の64,175トンと減少した。
②輸入数量の年別推移の動向
野菜輸入全体では、2005年をピークとしてその後は減少傾向である。2008年1月現在では、195千トン(対前年同期比94.9%)と減少している。
類別に見ると、生鮮野菜が51千トン(対前年同期比90.1%)で、輸入全体に占める割合は26.2%(対前年同期比27.6%)と減少している。一方、冷凍野菜は64千トン(対前年同期比96.9%)で、輸入全体に占める割合は33.0%(前年同期32.3%)と増加している。