調査情報部 調査情報第二課
(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成19年10月)
10月の気温は中旬が低温だった北日本を除いて、全国的に高く、特に九州地方は平年と比べ気温は高かった。
降水量は、台風第15号の影響を受けた西日本の日本海側は上旬に、台風第20号の影響を受けた北・東日本の太平洋側では下旬に降水量が多かったものの、その他の地域では降水量は平年より少なく、日照時間は多かった。
10月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が14万トン、前年比101.2%、価格は219円/kg、前年比115.9%であった。10月は、この夏の高温の影響で特に果菜類の入荷量が少なく平年と比べ価格は高かった。
品目別に見ると、だいこんは北海道産の切り上がりが早く、さらに後続の千葉県産の入荷量が少なく価格は上旬が堅調に推移したが、中旬以降は千葉県産の入荷量も増え価格は軟調に推移した。にんじんは北海道産の入荷量が潤沢だったが、千葉県産の生育遅れにより入荷量が少なかったことから下旬には価格が上昇した。
キャベツは主産地の群馬県産の他、長野県産や茨城県産の入荷が順調で平年並の価格で推移した。ほうれんそうは主産地の群馬県、岩手県産の入荷量が少なく価格は上旬が高値で推移し、中旬以降はやや入荷量も増え価格は軟調になったが、平年に比べて高かった。ねぎは、主産地の青森県産の入荷量が少なかったことや、中国産の輸入減により、上旬の価格は堅調に推移した。その後、後続の茨城県産の出荷が順調であったことから、価格が下降したが平年よりも高かった。レタスは、長野県産、群馬県産が終盤となったが、後続の茨城県産の入荷量も多く、価格は軟調に推移したものの平年より高かった。
果菜類のきゅうりは、主力の埼玉県産、茨城県産が8月の猛暑の影響で生育が遅れ、入荷量が少なく、価格は堅調に推移した。なすは、主力の栃木県産が8月の高温や台風の影響で上旬の入荷量が少なく、価格は堅調に推移したが、中旬以降、高知産の出荷が順調で価格は下がったものの平年よりも高かった。トマトは主産地の千葉県産と茨城県産が、8月の猛暑による着果不良により入荷量が少なく、価格は堅調に推移した。ピーマンは岩手県産の切り上がりが早く、8月の猛暑の影響で茨城県産の入荷量が少なく、価格は堅調に推移した。
ばれいしょとたまねぎは主産地の北海道産が生育順調で価格は軟調に推移した。
東京都中央卸売市場の動向(10月速報・一部抜粋)
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注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
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(単位:円/kg)
資料:東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注:平年とは、過去5ヶ年(14~18年)の旬別価格の平均値である。
(2)輸入動向(平成19年9月 速報値)
平成19年9月の野菜輸入量は、前年同期比85%の166,957トンとなった。
生鮮野菜では、国産が豊作で国内の価格が安いたまねぎが対前年同期比82%の16,990トン、にんじん及びかぶが同36%の2,773トン、引き続き中国産野菜への消費者等不信から中国産野菜のウェイトが高いごぼうが同67%の3,952トン、キャベツ等あぶらな属が同52%の848トン、また、中国の主力産地の山東省が輸出を自主規制したねぎは同48%の2,846トン、しょうがは同26%の662トンと減少した。一方、業務用の需要が多いメロン(主力:アメリカ産)は同150%の2,768トンと増加したが、生鮮野菜全体では、対前年同期比70%の42,761トンとなり、前月の同65%に引き続き対前年を大きく下回り、また2006年9月以降13カ月連続で対前年を下回った。
冷凍野菜では、ばれいしょが対前年同期比109%(アメリカ:同116%、カナダ:同75%、中国:同104%)の24,287トン、いちごが同138%(中国:同154%、アメリカ:同103%)の3,321トン、ほうれんそう等が同109%(中国:同124%、ベトナム:同123%、台湾:同30%)の1,543トンと増加した。一方、さといもは同92%(中国:同92%)の3,222トン、7月及び8月に残留農薬基準の違反があったえだまめは同62%(中国:同52%、台湾:同68%、タイ:同80%)の3,095トンと減少し、冷凍野菜全体では、対前年同期比97%の63,882トンと減少した。