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需給動向


東京都中央卸売市場における入荷量・価格及び輸入の動向

調査情報部 調査情報第二課


(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成19年9月)
 9月の気温は全国的に高く、特に東・西日本では平年を大きく上回った。西日本では、1946年以降、9月として第一位、東日本では、第二位の高い記録となった。
 降水量は、台風第9号、11号の影響で、北・東日本太平洋側で平年を上回り、日照時間が少なかった。一方、東日本日本海側と西日本では降水量が少なく日照時間は平年を上回った。
 9月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が13.1万トン、前年比97.2 %、価格は222円/kg、前年比99.9%であった。9月は高温や台風の影響から野菜全般的に入荷量が平年と比べ少なく、価格は前年並みであるものの平年を上回った。
 品目別に見ると、だいこんは北海道産・青森県産が8月の高温、干ばつで作柄が良くなく、入荷量は少なめで価格は堅調に推移した。にんじんは北海道産が出荷を控えたことと、台風の影響から中旬は値を上げたが、下旬は、在庫が豊富なため出荷量が増え値を下げた。
 はくさいは、長野県産が高温の影響で上旬は入荷量が少なく価格が堅調であったが、中旬以降、生育遅れから回復し入荷量が増え、価格は軟調に推移した。
 キャベツは主産地の群馬県産と岩手県産が、8月の高温の影響で上中旬までは入荷が少なく価格は堅調だったが、下旬以降、入荷も回復し価格は軟調に推移した。ほうれんそうは主産地の岩手県産や群馬県産が高温により生育が遅れ、入荷量が少なく価格は上中旬まで堅調に推移したが、下旬は作柄の回復で入荷量が増え値を下げた。ねぎは、主産地の青森県産が、台風の影響で入荷量が少なかったことや、中国産の輸出の自粛で国内産のねぎの需要が増え価格は堅調となった。レタスは、長野県産が8月の高温による生育遅れから回復し、入荷量も増え上旬は軟調に推移したが、中旬以降は出荷終盤のため徐々に集荷が減ったことから、価格は堅調に推移した。
 果菜類のきゅうりは、主力の福島県産が8月の高温から上旬は入荷量が少なく価格は堅調に推移したが、中下旬は入荷量も増え、価格は平年を下回った。なすは、主力の栃木県産が、8月の猛暑と9月の台風により入荷量が少なく、価格は堅調に推移した。トマトは主産地の青森県産が高温の影響で入荷量が少なく、価格は堅調に推移した。主産地が岩手から茨城県に移ったピーマンは、8月の高温の影響等から上中旬は価格が堅調であったが、下旬は入荷量も増え値を下げた。
 主産地が佐賀県から北海道に移ったたまねぎは、豊作で入荷量も多く、価格は軟調に推移した。

東京都中央卸売市場の動向(8月速報・一部抜粋)

※クリックすると拡大します。

注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報」

指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

資料:東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注:平年とは、過去5ヶ年(14~18年)の旬別価格の平均値である。

(2)輸入動向(平成19年8月 速報値)
 平成19年8月の野菜輸入量は、前年同期比83%の191,017トンとなった。
 生鮮野菜では、前年が国産の不作で輸入量が多かったにんじん及びかぶが対前年同期比28%の3,272トン、また、中国産野菜への消費者等不信から中国産のウェイトが高いねぎが同55%の4,382ン、ごぼうが同64%の3,809トン、にんにくが同67%の2,053トン、しょうがが同43%の1,393トン、キャベツ等あぶらな属が同51%の654トンと減少した。なお、米国産が主力のいちごは業務用の引きが多く同107%の733トンと増加したが、生鮮野菜全体では、対前年同期比65%の45,195トンと減少し、前月の同78%、前々月の88%を大きく下回り、また2006年9月以降12カ月連続で対前年を下回った。
 冷凍野菜では、スイートコーンが対前年同期比103%(アメリカ:同116%、ニュージーランド:同89%、タイ:同102%)の4,468トン、いちごが同143%(中国:同156%、アメリカ:同116%、チリ:同77%)の3,860トン、ほうれんそう等が同102%(中国:同117%、ベトナム:同103%、台湾:同32%)の2,203トンと増加した。一方、7月及び8月に残留農薬基準の違反があったえだまめは同77%(中国:同68%、台湾:同91%、タイ:同77%)の6,548トン、いんげん豆等、同68%の(中国:同70%、タイ:同59%、アメリカ:同83%)の1,883トンと減少し、冷凍野菜全体では、対前年同期比96%の74,200トンと減少した。前月、前々月は生鮮野菜が大幅に減少するなか、冷凍野菜は対前年を上回っていたが、8月は冷凍野菜も対前年を下回った。


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