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需給動向


東京都中央卸売市場における入荷量・価格及び輸入の動向

調査情報部 調査情報第二課


(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成19年8月)
 8月の気温は全国的に高く、特に北日本から西日本は平年を大きく上回り、16日には熊谷と多治見で日最高気温が観測史上1位の40.9℃を観測した。降水量は、北日本から西日本の太平洋側で平年を大きく下回り、日照時間は平年を上回った。一方、北日本と西日本の日本海側では上旬に降水量が多く、東日本と西日本の日本海側では下旬に降水量が多かったが、北日本から西日本の日本海側では全般的に日照時間は平年を上回った。
 8月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が12.7万トン、前年比103.2%、価格は221円/kg、前年比89.7%であった。7月の天候不順と8月の高温・干ばつから全体的に野菜の生育が悪く、特に主産地である東北・北海道で中旬の高温・干ばつの影響から生育が悪く、葉茎菜類の入荷量が平年と比べて少なく、価格は平年を上回った。また、気温が高かったことから、加熱調理が必要なたまねぎ、ばれいしょ、にんじん等は、需要も少なく価格が低迷した。
 品目別に見ると、だいこんは北海道産が7月の生育不良から回復し上旬は入荷量も増え価格が軟調になったが、中旬以降、高温による生育不良のため、入荷量が少なく、中旬から下旬にかけて値を上げた。
 にんじんは主産地である北海道産の生育が順調で入荷量が多く、さらに青森県産の入荷量も多いため、価格は軟調に推移した。
 はくさいは、長野県産が猛暑と干ばつの影響から作柄が悪く、入荷量も少なめで価格は前月より高めに推移したものの、平年よりも安かった。キャベツは主産地の群馬県産が、7月の天候不順の影響と8月の猛暑の影響で価格は堅調に推移した。ほうれんそうは主産地の岩手県産や群馬県産が猛暑による生育不良により、入荷量が少なく価格は中旬、下旬にかけて値を上げた。ねぎは、主産地の茨城県産が、7月下旬の天候不順の影響で上旬から中旬は高値で推移したが、下旬から、生育が回復し入荷量も増え価格は少し落ち着きをみせた。レタスは、長野県産が7月の天候不順の影響で生育が遅れ、さらに8月に入り高温・干ばつのため、上旬から中旬まで入荷量が少なく価格は堅調に推移したが、中旬から下旬ににかけ天候に恵まれ値を下げた。
 果菜類のきゅうりは、福島県産が7月中旬以降の天候不順による高値から転じて、8月上旬から中旬までは天候の回復から入荷量が増え価格が軟調に推移したが、出荷のピークが過ぎたので入荷量が減少し、下旬は値を上げた。なすは、主力の栃木県産、群馬県産が、7月の天候不順の影響が残り、8月中旬まで高値で推移したが、下旬は順調に入荷量が増え値を下げた。トマトは主産地の青森県産が中旬以降の高温少雨の影響で生育がよくないため、入荷量が少なく、特に下旬にかけて値を上げた。ピーマンは主産地である岩手県、茨城県産が、7月の生育不良からの回復もあり、価格は軟調に推移した。
 たまねぎは主産地の佐賀県産が順調に入荷し、北海道産の入荷も始まり、価格は軟調に推移した。

東京都中央卸売市場の動向(8月速報・一部抜粋)

※クリックすると拡大します。

注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報」

指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

資料:東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注:平年とは、過去5ヶ年(14~18年)の旬別価格の平均値である。

(2)輸入動向(平成19年7月 速報値)
 平成19年7月の野菜輸入量は、前年同期比96%の200,999トンとなった。
 生鮮野菜では、前年不作で輸入量が多くまた今年は国産が豊作で安値のにんじん及びかぶが対前年同期比40%の4,168トン、また、春以降の国産野菜の豊作による安値、消費者等の中国産野菜離れ等から中国産のウェイトが高いねぎが同96%の4,546トン、ごぼうが同62%の4,368トン、にんにくが同71%の1,946トン、さといもが同48%の477トン、しいたけが同41%の174トンと減少した。一方、米国産が主力のブロッコリーは同102%の3,768トン、天候不順の影響で国産が高値だったキャベツ等あぶらな属が同109%の442トンと増加したが、生鮮野菜全体では、対前年同期比78%の47,395トンと減少し、前月の同87.5%を大きく下回り、また2006年9月以降11カ月連続で対前年を下回った。
 冷凍野菜では、えんどうが対前年同期比123%(中国:同151%、ニュージーランド:同76%、アメリカ:同1487%)の1,460トン、ほうれんそう等が同151%(中国:同203%、ベトナム:同95%、台湾:同62%)の2,224トン、ブロッコリーが同117%(中国:同141%、エクアドル:同80%、メキシコ:同91%)の2,025トンと増加した。一方、ばれいしょが同95%の(アメリカ:同94%、カナダ:同84%、中国:同108%)の24,564トン、さといもが同95%(中国:同95%)の3,708トン、ながいも等が同52%(中国:同57%)の157トンと減少したが、冷凍野菜全体では、対前年同期比104%の75,626トンと増加し、前月に引き続き減少した生鮮野菜とは明暗を分けた。


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