調査情報部 調査情報第二課
(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成19年5月)
5月の気温は、関東の一部の地域で中旬に降雹があり平年を下回る時期があったものの、東日本と西日本は全体的に気温が高かった。降水量は、東日本と西日本で、中旬に平年を下回り、やや干ばつ傾向となった。一方、北日本では低気圧の影響で中下旬は気温が低く、曇りや雨が多かったため、中旬の日照時間は平年を下回った。
5月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が14.3万トン、前年比99.7 %、価格は207円/kg、前年比95.3%であった。関東地方では中旬の降雹で葉物中心に被害が出たものの、その後は天候の回復により入荷量が増え中旬以降は価格が軟調に推移した。
品目別に見ると、千葉県産のだいこんは生育の前進化で出荷が終盤を迎えていることもあり入荷量は少なめであったことと、後続の青森県産だいこんが低温の影響で出荷が出遅れていることから下旬に値を上げた。にんじんは、徳島県産が品薄傾向で上旬は高めの値段で平年を上回ったが、千葉県産の生育が順調で出荷が早まり、中旬から下旬にかけて価格は軟調に推移した。
はくさいは、低温、干ばつから本年は高品質の高原はくさいの出回りが遅かったが、中旬から長野県産の出荷が増え軟調に推移した。キャベツは、主産県の千葉県産は中旬に降雹の影響もあり一時的に価格は上昇したが、後続の茨城県産も徐々に出始め、下旬は価格は軟調に推移した。群馬県産のほうれんそうは、5月中旬の降雹の影響で価格が上昇したが、下旬以降は生育の回復と岩手県からの出荷も始まり、入荷が回復し価格は順調に推移した。レタスは、4月下旬の天候不良の影響もあり上旬は高値で推移し、中旬以降、値は落ち着きを取り戻したものの、中旬の降雹の影響から群馬県産は出荷量が減少し、また、長野県産も4月の低温、干ばつにより生育が遅れ出荷量が伸びなかったことから、5月の価格は高値で推移した。
なすは、主産地である高知、福岡県とも好天により入荷量が潤沢であったこと、群馬県、栃木県も生育の前進化で入荷量が増えており価格は軟調に推移した。ピーマンは、この時期の主力産地である茨城県が天候良好により入荷が順調で上旬から中旬にかけては値を下げたが、南西暖地の宮崎、高知県産のピーマンの切り上がりが早く下旬は値を戻した。
たまねぎは、北海道産の出回りが少なくなり佐賀県産からの出荷が主力となったが、4月に引き続き天候良好で潤沢に出回り、価格は安値で推移した。
東京都中央卸売市場の動向(5月速報・一部抜粋)
注 :平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
(単位:円/kg)
資料 :東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
注1):平年とは、過去5ヵ年(14~18年)の旬別価格の平均値である。
注2):東京都中央卸売市場のうち築地、大田、豊島、淀橋の4市場の入荷量と価格である。
(2)輸入動向(平成19年4月 速報値)
平成19年4月の野菜輸入量は、前年同期比94%の235,197トンとなった。
生鮮野菜では、暖冬の影響で国産野菜の価格が低迷していたことから、輸入減少が続いてきたが、4月になって3月の低温等の影響から一部品目で国産価格が上昇してきたこともあり、前年不作で米国からの輸入が少なかったブロッコリーが対前年同期比115%の4,455トン、アスパラガスが同112%の1,490トン、また結球レタスが同184%の244トンと増加した。一方、国産品の出回りが多く価格が安かったねぎは同92%の4,294トン、にんじん及びかぶは同55%の5,857トン、えんどうがポジティブリスト制度の影響で同63%の581トンと減少した。生鮮野菜全体では、対前年同期比93%の79,465トンとなり、前々月は同73%、前月は同68%と対前年同期比の減少率が大きかったが、4月は減少率を縮めた。
冷凍野菜では、いんげん豆等が対前年同期比105%(中国:同108%、タイ:同95%、アメリカ:同404%)の2,725トン、スイートコーンが同110%(アメリカ:同118%、ニュージーランド:同85%、タイ:同128%)の4,360トン、ごぼうが同110%(中国:同110%)の621トンと増加した。一方、ばれいしょが同94%(アメリカ:同95%、カナダ:同77%、中国:同148%)の26,963トン、えんどうが同71%(中国:同62%、ニュージーランド:同68%、アメリカ:同89%)の1,319トン、えだまめが同84%(中国:同86%、台湾:同69%、タイ:同120%)の6,923トンと減少し、冷凍野菜全体では、対前年同期比96%の74,105トンとなった。