調査情報部 調査情報第二課
(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成19年2月)
2月は全国的に高温となり、東京、神戸、松山など17地点で2月の月平均気温の最高値を更新した。降水量が前年を下回り、日照時間は平年の1.5倍以上となった。東日本日本海側では1946年以降でもっとも多照となった。一方で中旬には発達した低気圧から全国的に大雨・強風に見舞われ、一部の産地では収量が減るなどの影響がでた。
2月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量は、11.6万トン、前年比98.1%と先月に引き続き潤沢であった。一方、価格は198円/kg、前年比85.6%と、暖冬による前進化と鍋物需要の伸び悩みなどから、全体的に安値に引きずられ軟調傾向であった。
品目別に見ると、だいこんは気温が高かった神奈川県・千葉県の春系を中心に潤沢に出回った。中旬には大雨と強風のために収量が減少したものの、売れ行きは伸びず価格は低調に推移した。茨城県主産のはくさいは前進化の影響で入荷量は減ったものの飽和感から値が上がる余地がなく、また、ねぎも鍋物需要の減少から需要が伸びず価格は低調で推移した。キャベツ類は主産の愛知県や千葉県で冬作が例年より早く切りあがったことから、下旬にかけて品薄傾向となった。ほうれんそうは埼玉県・茨城県における生育が順調であったので中旬は一時、値を下げたが後半にかけては次の産地が追いつかずに入荷量は減少した。レタス類は厳寒期であることや干ばつのために小玉傾向となったが、主産の静岡・兵庫・香川に加え茨城県産の春レタスが出始め入荷は平年並みとなり、下旬は値を下げた。
きゅうりは宮崎県から千葉県・群馬県に切り替わる時期であるが、関東産の数量が少なめだったことに加え、ひな祭り需要が活発で下旬には一時的に値を上げた。
ピーマンは主産の宮崎県の生育が早まったうえ、後続の茨城県産も順調に入荷したことから入荷が増えた。トマトは暖冬の影響で12月~1月に入荷が集中し、2月は入荷量が減少したことから、値を上げた。
東京都中央卸売市場の動向(2月速報・一部抜粋)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
(2)輸入動向(平成19年1月 速報値)
平成19年1月の野菜輸入量は、前年同期比80%の205,029トンとなった。
生鮮野菜では、今秋以降の好天で国産野菜の入荷量が潤沢で価格が低迷していることから、ブロッコリーが対前年同期比37%の2,398トン、キャベツが同11%の1,040トン、結球レタスが同33%の412トン、にんじんが同30%の1,866トンと大きく減少し、また、10月に残留農薬基準の違反が見つかり命令検査を受けたねぎも同58%の4,193トンと減少した。一方、11月に命令検査を受けたしょうがは、12月には同59%の1,655トンと減少したが、1月は同141%の4,539トン増加した。ニュージーランドからの輸入が増加しているジャンボピーマンも、同102%の1,216トンと増加したが、生鮮野菜全体では、対前年同期比57%の56,502トンと大幅に減少した。
冷凍野菜では、えんどうが対前年同期比145%(中国:同138%、ニュージーランド:同151%、アメリカ:同147%)の1,473トン、昨年、台風等の影響で輸入が少なかったほうれんそう等が、同133 %(中国:同157%、ベトナム:同90%、台湾:同108%)の2,535トンとなり、いちごが同109%(中国:同103%、アメリカ:同158%、チリ:同65%)の2,024トンと増加した。一方、さといもが同70%(中国:同70%)の3,806トン、ブロッコリーが同75%(中国:同74%、エクアドル:同76%、メキシコ:同83%)の1,816トンと減少し、冷凍野菜全体では、対前年同期比95%の66,248トンとなった。