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「今後の野菜政策に関する検討会」の状況について
(加工・業務用野菜の生産・流通対策の方向性)


農林水産省 生産局生産流通振興課 価格班


 「今後の野菜政策に関する検討会」にあっては、本年7月から、近年の野菜を巡る状況を踏まえた国産野菜のニーズに的確に応える上での諸課題を整理するとともに、それに対応した今後の野菜の生産・流通・消費対策・輸出促進策の検討を行ってきたところです。

 一方、加工・業務用野菜の生産・出荷を取り巻く状況は、①食品製造事業者等の国産野菜のニーズが極めて高くなっており、生産・流通の体制整備を図ることが喫緊の課題であること、②生産者・産地においては、資材費の高騰等から再生産価格の確保が重要な課題となっており、あらかじめ価格設定が可能な加工・業務用の契約取引への関心が高まっていることから、このような情勢を踏まえ、早急に加工・業務用の生産・流通の対策を実施することが緊要な課題となっています。

 このため、本検討会にあっては、本年12月に、今後の野菜政策全般についてを内容とする中間とりまとめを行う前に、加工・業務用野菜の生産・流通対策に関係する分野については、前倒しで、先般10月31日に開催された第4回検討会で取りまとめましたので、ご紹介します。


資 料
加工・業務用野菜の生産・流通対策の方向性
~「中間事業者」の機能を活用した流通経路の構築に向けて~
平成20年10月
農林水産省

はじめに

 農林水産省では、本年12月を目途に「今後の野菜施策に関する方向」について取りまとめるべく、「今後の野菜政策に関する検討会」を開催しているところである。

 しかしながら、加工・業務用野菜の生産・流通を取り巻く状況は、①食品製造事業者・外食産業事業者等の国産野菜のニーズが極めて高くなっており、生産・流通の体制整備を図ることが喫緊の課題であること、②生産者・産地においては、資材費の高騰等から再生産価格の確保が重要な課題となっており、あらかじめ価格設定が可能な加工・業務用の契約取引への関心が高まっていることから、このような情勢を踏まえ、21年度から対策を講じるのではなく、早急に20年度途中からでも加工・業務用の生産・流通の対策を実施することが緊要な課題となっている。

 このため、「今後の野菜政策に関する検討会(第2回)」において議論をした内容をもとに、「加工・業務用野菜の生産・流通対策の方向性」については、前倒しして取りまとめることとした。今後、この取りまとめに即した施策を早急に講じ、生産者、「中間事業者」、食品製造事業者等が一体となって加工・業務用野菜の安定した供給経路を構築していく必要がある。

Ⅰ.加工・業務用野菜を取り巻く状況
1.農産物全般の課題

 世界的な食料需給のひっ迫・価格高騰や輸入食品の安全性をめぐる問題等は、食料の安定供給の大きな不安要因となっている。このような国際的な食料事情を踏まえ、国内農業の食料供給力の強化を図る上では、国内農産物の3割が加工向けであり、今後も加工食品の消費の増大が見込まれる中、特に加工用需要に適切に対応した農産物の生産・流通は極めて重要とされている。

 このような中で、①国産食料の利用拡大に向けた食品製造事業者・外食産業事業者等の実需者の理解及び協力、②国産食料に対する消費者及び実需者のニーズ、に生産者が的確に応えることが必要となっている。

2.食料供給力を向上する上での野菜の課題

(1) 増加する加工・業務用需要

 国内の野菜需要は、加工・業務用の比率が年々増大してきており、全体の需要の過半を加工・業務用需要が占めている。

●野菜の加工・業務用需要の推移


資料:農林水産政策研究所調べ
    (S40~60は生産流通振興課推計)

(2) 低い加工・業務用野菜の国産シェア

 野菜の自給率が80%程度で推移している中で、①家計消費用の国産野菜のシェアは98%でありほぼ自給しているのに対し、②加工・業務用の国産野菜のシェアは平成2年から平成17年までの15年間で20ポイント減少し、68%(平成17年)となっている。

 このため、加工・業務用の原材料の安定供給を図ることは、食料供給力や食料自給率を向上する上で重要な課題と位置づけられる。

●家計消費用、加工・業務用の国産シェア


資料:農林水産政策研究所調べ

(3) 中国からの輸入量減少の中で求められる加工・業務用の国産野菜

 本年1月末の中国製冷凍ギョウザが原因と疑われる健康被害事案等の発生を背景とした消費者の中国産離れにより、輸入商社の買い控え、中国側の輸出検疫の強化等から、中国からの野菜の輸入量は、本年1月から7月までの間でみると、前年同時期に比較して約2割減少している。

●中国からの野菜の輸入量

(単位:トン、%)

※クリックすると拡大します。
資料:財務省「貿易統計」

 一方、農林水産省が、503社の食品製造事業者・外食産業事業者等の実需者の意向調査を実施(本年6月から7月まで)したところ、国産野菜の使用量については、1年前と比較して増加したとの回答が、過半を占めており、今後、国産野菜の使用量を増加させたいとの回答は、約8割を占めている。

●アンケート調査

 ○国産野菜の使用量の変化(1年前との比較)


 ○今後の国産野菜の使用意識・意向

   (国産及び外国産のいずれも使用している流通加工業者)


 上の状況から、食料供給力を向上する上での課題としては、次の2点が挙げられる。

◎食料供給力を向上する上での課題
  • 家計消費用における国産野菜の生産の維持
  • 加工・業務用における国産野菜の生産の拡大強化

3.実需者から生産者側への意見

 農林水産省が、食品製造事業者・外食産業事業者等の実需者から加工・業務用の国産野菜の生産流通に関する意見を聞いたところ、加工・業務用の国産野菜の安定供給のためとして、次の課題が挙げられた。

1.原材料の安定供給に向けた産地と実需者をつなぐ「中間事業者」の育成・確保
2.産地・生産者側の意識を改革した上での産地体制の整備
①「加工用は、すそ物対策」という意識からの脱却
②定時・定量・定品質・定価格のほか、多様なニーズへの対応
③安全の確保への対応
④一次加工の高度化、近代化の推進
⑤生産・流通体制の省力化・低コスト化・高度化の推進
⑥高付加価値化商品・商材の開発の推進

4.講じてきた野菜の生産・流通対策

 従来より野菜の生産・流通対策は、大量生産した家計消費用の生鮮野菜を大量ロットで大都市部の消費地域に安定供給を図ることとしてきた。

 一方、加工・業務用野菜の安定供給に関する施策については、中国からの輸入野菜が急増した平成14年以降から開始され、特に、平成19年からは加工・業務用野菜の産地を育成するモデル事業を実施している。このように、加工・業務用野菜の安定供給に関する施策の本格的な実施は、家計消費用の生鮮野菜の安定供給に関する施策と比較すると、きわめて日が浅いものとなっている。

 また、今般の中国製冷凍ギョウザが原因と疑われる健康被害事案等の発生により、加工・業務用の国産野菜のニーズが高まったことから、今後の農政の方向を示した「21世紀新農政2008(平成20年5月7日決定)」の中では、「国産ニーズの高い野菜の供給体制の整備を促進するため、「加工・業務用需要対応プラン(仮称)」を策定し、同プランに基づき生産に取り組む産地、農業経営等に対して重点的な支援を行う」こととしており、国産野菜による加工・業務用の安定供給が今後の野菜施策の重要課題と位置づけられたところである。

Ⅱ.加工・業務用野菜の生産・流通対策等の方向
1.最近の加工・業務用野菜の流通の取組

 最近の野菜産地では、近年の資材費の高騰により、卸売市場を経由した一般的な委託販売では、再生産を可能とする販売価格を安定的に確保することに苦慮している。こうした中で、事例的には少ないものの、極めて先駆的で先進性の高い生産者及び生産者団体の中には、流通業者等の「中間事業者」を介して食品製造事業者・外食産業事業者等の実需者と契約を締結し、安定した価格、ひいては収益の実現に努める動きが出ている。

①リレー出荷による周年安定供給の実現


②コールドチェーンによる高品質な物流の実現


③情報集積による生産・販売に対する企画提案の実現


2.先進事例にみる「中間事業者」の機能を活用した供給経路の構築

 事例としては、まだ少ないものの、極めて先進性の高い事例をみると、産地と実需者が連携して国産野菜の加工・業務用の安定供給を図る場合には、産地と実需者をつなぐ「中間事業者」の存在が重要な役割を果たしていることが確認されている。

 実需者からの意見から浮かび上がる課題を整理すると、加工・業務用における国産野菜のシェアが減少している要因としては、従前から指摘されている内外価格差の問題のみならず、産地から実需者までの供給経路のぜい弱さが挙げられる。

 これまでも産地側及び実需者の側のそれぞれにおいて、供給経路の構築に向けた努力が行われてきたが、一つの産地と一つの実需者が一対一の関係で結びついている中では、解消しにくい課題があった。

 それは、産地が契約に基づき、実需者に原材料を供給する場合、産地が安定供給に向けた努力をしたにもかかわらず、天候等による供給の不安定要素は存在し続けるため、産地は、契約数量不足のリスクを負い、実需者側は、契約が履行されないかもしれないというリスクを負うことである。


 事例を見ると、「中間事業者」が存在することにより供給量の変動に対し、一定の緩衝機能を果たすことで、産地に対しては供給義務に伴う負担を軽減し、実需者に対しては供給の不安定性のリスクを軽減することが可能となっていることがわかる。
また、「中間事業者」は、単に産地と実需者とのつながりをコーディネートするだけでなく、供給経路の中にあって、自らのリスクで国産野菜の買付け及び出荷を行い、有形又は無形の付加価値を創出することで、加工・業務用向けの国産野菜の競争力を高めることも期待される。

 具体的な効果を例示すると、次に掲げるようなことが挙げられる。

①原材料の安定供給の確保

 原材料供給の産地間リレー、複数産地からの同時供給等を「中間事業者」が実現することにより、天候等による供給量変動に対する緩衝機能が発揮され、通年供給等が可能となる。

②無駄の縮減とコストダウン

 「中間事業者」が複数の産地及び実需者と契約し、産地による不作時の備えとしての作付け、規格外品の廃棄等を縮減することが可能となり、結果として供給経路全体でのコストダウンを図ることが可能となる。

③定時・定量・定品質・定価格での原材料供給

 「中間事業者」が複数の産地及び実需者と契約し、一定の在庫を確保していることにより、実需者の加工工程等に対応した定時・定量・定品質・定価格での原材料の供給が可能となる。

④安全の確保

 「中間事業者」が特定の産地と特定の実需者を結びつけることによって、製品の情報管理が産地までつながり、加工食品等の最終製品から産地における原材料の生産段階までの商品の履歴が把握できるようになる。

⑤ニーズに対応した形態での安定供給

 精度の高い一次加工の付与、少量多品目に対応したコールドチェーンによる物流等、一つの産地の努力だけでは対応しにくい実需者側の多様なニーズに対して、「中間事業者」が対応することにより、実需者が使い易い原材料の供給が可能となる。

⑥情報の集積による新商品開発のための企画力

 「中間事業者」は、産地及び実需者の双方の生産・販売状況を把握する立場にあることから、適切な産地と実需者の組合せによる新たな商品の開発等の企画力の強化が期待される。

3.「中間事業者」の育成強化の必要性
(1) 育成強化の必要性

 食品製造事業者・外食産業事業者等の実需者にとっては、一定品質で、かつ、一定量の加工・業務用の野菜を安定的に確保することが重要である。しかし、国内の野菜産地では「加工・業務用は生鮮用のすそ物で対応」という意識も根強いこと等から、実需者のニーズに十分対応しきれていない状態にあった。加工・業務用の国産シェアがこれまで低下してきた要因の一つには、輸入野菜がその役割を実質的に担ってきたためではないかとも考えられる。

 このような状況の下で、加工・業務用野菜の国産シェアを向上するには生産・流通・消費にわたる各般の対策を早急に実施に移す必要があるが、特に、実需者のニーズに見合った十分な対応を確保するには、一産地の生産努力だけでは困難であり、先の先進事例にもあるような「中間事業者」の機能を活用した供給経路を構築することが喫緊の課題である。

 なお、ここで言う「中間事業者」とは、産地と実需者をつなぎ、産地から買付け・購入した野菜を実需者に安定的に供給する(場合によっては選別・調製・加工等も行う。)のみならず、加工・業務用需要に対応し得る産地を育成する機能を有する者であり、産地と実需者の中間に位置する者を総称するものである。

(2) 育成強化すべき「中間事業者」

 支援の対象とすべき「中間事業者」は、「中間事業者」の機能を一層発揮するよう、国内の野菜産地と信頼関係を保ちつつ、産地の育成のために十分な指導・助言を行うなどの国内の野菜産地の育成に積極的・継続的に取り組むといった高い基準を設けることが必要である。なお、「中間事業者」を介した供給経路を確保したことにより、新たな流通経費が、加工食品等の最終製品の価格に転嫁され、最終的な一般消費者の負担にならないような、供給経路を構築していくことが必要であり、このためには、低コスト・省力化の流通体系の整備も必要となる。

 また、「中間事業者」を介した新たな供給経路を確保するということは、卸売市場を経由した供給経路とは別のものを構築するものと受け取られがちであるが、現状では、「中間事業者」的機能を有した仲卸業者等が加工・業務用野菜の流通を担っており、これらの流通経路についても支援を図っていく必要があることから、現状の卸売市場を介した供給経路を否定するものではないということを確認しておく必要がある。

(3) 支援の方向

 今後は、このような「中間事業者」(「中間事業者」の機能を有した農業者団体、食品製造事業者、外食産業事業者等も含む。)の育成・確保を図る必要がある。このため、早急に、供給経路の確保に向けて「カギ」となる「中間事業者」の起業・発展時への重点的な支援、例えば、①「中間事業者」育成のための環境整備として、1)人材育成研修・経営指導、2)新流通システムの構築に向けた研究・実証、3)販売方法・新商品の開発手法の提供等の情報発信、②「中間事業者」の活動支援として、1)新たな契約産地の育成(産地指導員の派遣等)、2)産地と実需者とのネットワークの構築、3)実需者との現地交流会の開催、4)産地の栽培実証ほの設置等を支援する必要がある。

4.加工・業務用野菜の生産・流通対策等の方向
(1) 生産・流通対策の方向

 安定供給の確保、高付加価値化の推進等の加工・業務用需要におけるニーズに対応した、産地から実需者までをつなぐ「中間事業者」を介した国産原材料の供給経路の構築に向け、産地、「中間事業者」等に対して、生産・流通体制の変革のための支援を図る。

①産地側への対策

 国は、実需者側から生産者側への意見に応えるよう、産地・生産者が次の取組を行う際に、一定の支援を図る必要がある。なお、産地・生産者にあっては、「加工・業務用は生鮮用のすそ物で対応」といった意識からの脱却や「産地間競争から産地間連携へ」といった意識変革が必要である。

〈ソフト的取組〉
○産地、「中間事業者」、実需者の連携の推進
・加工・業務用産地形成戦略の策定
・生産・出荷計画の策定 等
○加工・業務用品種の現地適性試験の実施
・適応性試験、実証試験
・現地検討会の開催 等
○モデル実証試験の実施
・実証ほを設置し、生産コスト低減等に係る栽培方法等の検証 ○加工・業務用規格の設定、栽培管理基準の策定・普及
○生産技術等への指導・助言
・相談窓口の設置
・専門家による栽培指導の実施
○産地指導者の育成・確保
○ハウス及び農業機械のリース事業の実施
○品質管理・安全管理体制の確立
・GAP(農業生産工程管理手法)導入等による品質・安全性の管理体制の確立
・ポジティブリスト制度の周知徹底
・硝酸態窒素等の土壌分析の実施 等
○低コスト流通システムの導入実証
・通い容器等の導入
・出荷規格の簡素化・統一の検討 等
○販路開拓の支援
・産地と実需者との交流会の開催 ○優良事業者の事例収集及び普及

〈ハード的取組〉
○省力・多収栽培を可能にするための小規模土地基盤整備
○適性品種の一斉導入を図るための共同育苗施設の整備
○加工・業務用のための大規模省力機械化体系の導入
○コールドチェーン構築のための集出荷施設の整備
・品質保持・管理のための低温貯蔵施設や多機能選果ライン等の整備 等

②「中間事業者」等の流通関係者側への対策

 国は、実需者から生産者側への要望に応えられるよう、産地・生産者及び「中  間事業者」が次の取組を行う際に、一定の支援を図る必要がある。

〈ソフト的取組〉
○産地、「中間事業者」、実需者の連携の推進
・加工・業務用産地形成戦略の策定
・調達・販売計画の策定 等
○産地の開拓、育成
・現地交流会の企画、開催 等 ○産地と実需者とのネットワークの構築
・複数の産地の生育情報・出荷予測の分析・把握
・複数の産地の出荷予測に基づく産地間の出荷調整
・契約産地への指導者・管理者の設置
・産地のオペレーターの育成・確保 等
○品質管理・安全管理体制の確立
・生産者、実需者と連携した生産・流通の工程管理の導入
・残留農薬分析の実施
・品質保全のための保冷車等のリース 等
○低コスト流通システムの導入実証
・通い容器等のリース事業の実証
・出荷規格の簡素化・統一の検討 等

〈ハード的取組〉
○HACCPによる衛生管理に対応した加工・包装ライン等の整備
○完全なコールドチェーン化のための保冷施設の整備
○多様な温度帯(チルド、冷凍及び常温)に対応した集出荷貯蔵施設の整備
○光センサー選果による糖度分析に対応した集荷施設の整備 等

(2) リスク回避対策の方向

 「中間事業者」を介した加工・業務用の国産野菜の安定的な供給経路を構築するためには、この供給経路に関与する生産者や「中間事業者」のリスクを回避するセーフティネット機能をもったシステムの強化等が必要である。
このため、平成14年に創設された「契約野菜安定供給事業」について次の運用改善を図るよう検討すべきである。

①対象産地の要件

 加工・業務用需要については、実際には実需者の要望に応じ、野菜指定産地外の産地を含めた幅広い産地で対応しており、このような産地もできるだけ当該事業を活用できるように野菜指定産地の基準を見直す。

②契約内容

 取引の実態を踏まえ、当該事業に生産者が加入する際に必要な契約内容の簡素化を図る。例えば、現行は、あらかじめ契約書面に契約数量を明記することとなっているが、契約取引の実態は、生産者と実需者は基本契約を締結し、数量と価格については、別途、出荷期間直前に実需者と協議の上、決定し、当該事項を記載した書面(企画書等)を作成している。このため、今後は、このような契約形態も事業対象とする。

③予約申込期限

 取引の実態を踏まえ、当該事業に生産者が加入の申込を行う予約申込の期限等の見直しを行う。例えば、現行は、予約申込期限は、対象出荷期間の前前月の20日までとなっているが、実際に契約数量等が決定するのは契約期間開始の直前であることから、契約期間開始前月の20日までとする。

④数量確保タイプの発動要件

 数量確保タイプの交付金を支払う場合は、市場価格の高騰時(平均価格の130%以上)
に限定しているが、契約を遵守するために実際に市場等で対象野菜を手当した場合には、その確認を的確に行うことを前提に、市場における価格高騰時ではなくても、交付金を支払うようにする。

⑤対象者の要件

 当該事業は実需者と契約した生産者のためのリスク回避措置と位置づけられているが、国産野菜を原材料として安定的に供給する経路を確保するためには、供給経路に存在する「中間事業者」のリスク回避も行うことが必要であるため、生産者のほかに「中間事業者」を対象としたリスク回避の施策を講じる。



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