◆開催の趣旨
野菜については、農業者の高齢化等により生産面積・生産量が減少傾向で推移している一方、加工・業務用需要に占める輸入割合は、増加傾向で推移しています。
本年1月の中国産冷凍食品問題等を契機として国産野菜に対する食品産業・消費者のニーズが高まり、国内産地の加工・業務用需要への対応の強化が求められています。
また、生産構造のぜい弱化が進行している野菜産地における担い手育成、実効性のある需給調整の円滑な実施、20~40歳代の野菜の消費拡大や海外における新たなマーケットとしての輸出促進が求められており、これらの課題に的確に応えることによって、野菜の自給率の向上を図ることが期待されているところです。
このような状況を踏まえ、国産野菜のニーズに的確に応える上での諸課題を整理するとともに、それに対応した今後の野菜の生産・流通・消費対策・輸出促進策を検討するため、学識経験者、生産・流通・消費関係者等からなる検討会を開催することとし、今年7月に「今後の野菜政策に関する検討会」を設立しました(図1、表1)。
◆検討内容、スケジュール等
検討会においては、野菜政策全般について議論を行うこととしており、具体的な検討内容は以下のとおりです。
(1) 国内産地の加工・業務用需要への対応の強化のあり方
①生産構造の脆弱化や加工・業務用需要の拡大に対応した多様な産地の育成
②契約野菜安定供給制度の定着
(2) 実効性のある需給調整の実施のあり方
(3) 野菜の消費拡大・輸出促進のあり方
月1回程度開催することを予定しています。
◆検討状況
現在までに2回開催され、第1回が7月18日(金)に、第2回が8月26日(火)に開催されました。
第1回では、野菜をめぐる情勢について事務局から説明後、議論が行われ、委員から、加工・業務用需要対応の必要性、野菜産地における担い手育成、消費拡大対策等幅広い意見が出されました。
第2回では、加工・業務用野菜をめぐる現状について事務局から説明後、議論が行われ、加工・業務用需要の拡大に向けた生産・流通対策の強化や、契約野菜安定供給事業の更なる活用のための運用改善、産地サイドの供給量変動リスク回避だけではカバーできない部分を解消するための中間事業者への支援の必要性等について意見が出されました。
第3回では、これまでの議論を踏まえて、加工・業務用野菜の生産・流通対策についてのとりまとめを行うことを予定しています。
なお、検討会は公開しており、会議資料・議事概要は農林水産省のHPで公開しています(http://www.maff.go.jp/j/study/yasai_kentou/index.html)。