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主要野菜の加工・業務用需要の動向と産地の対応課題

農林水産省 農林水産政策研究所 
地域振興部 地域経済研究室長 小林 茂典


近年、主要野菜においては、加工・業務用需要割合が増加しており、平成17年度では、55%に達した。最近、その割合が増加した品目の要因と品目ごとの加工・業務用需要に向けた対応を述べる。

はじめに

 本稿の課題は、主要野菜(ばれいしょを除く指定野菜13品目)の加工・業務用需要の基本的な動向と特徴を探り、これを踏まえた国内産地の基本的対応課題について若干の検討を行うことにある。

  野菜の用途別需要は、家計消費需要、加工原料需要、業務用需要の3つに区分することができる(図1)。

  このうち、家計消費需要は、国内生産あるいは輸入された後、素材としての内容に大きな変更が加えられることなく流通し、消費者が量販店等の小売店で購入するものである。また、加工原料需要は、食品加工企業がカット野菜、冷凍野菜、漬物、ジュース等の加工原料として使用するものであり、業務用需要は、外食・中食企業が食材として使用するものを指している。本稿の加工・業務用需要は、加工原料需要と業務用需要とを合わせたものである。

図1 用途別需要の概念図


1.主要野菜の加工・業務用需要の動向と特徴
(1)国内生産と輸入の概況
  加工・業務用需要の動向をみる前に、平成2年度、12年度、17年度における主要野菜の国内生産と輸入の概況を確認しておこう。

  まず、国内生産量をみると、主要野菜全体では、平成2年度の1,127万トンから12年度の1,013万トン、17年度の913万トン(注1)へ、15年間で約214万トン減少している。特に、だいこん(▲71万トン)、はくさい(▲30万トン)、きゅうり(▲26万トン)、たまねぎ(▲23万トン)等の生産量の減少が大きい。同期間に生産量が増加しているのはレタスだけであり、トマトの場合、生産量はほぼ横ばいとなっている。

  一方、輸入量(生鮮換算値)をみると、主要野菜全体では、平成2年度の78万トンから12年度の176万トン、17年度の208万トンへ、15年間で約130万トン増加している(加工品が77万トン、生鮮品が53万トンの増加)。同期間に輸入量が大きく増加している品目は、トマト、たまねぎ、にんじん、ねぎ、さといも等であり、これを形態別にみると、トマトではペースト・ピューレ、ホールトマト(ダイスカットを含む)缶詰、にんじんではペースト、生鮮品、たまねぎおよびねぎでは生鮮品、さといもでは冷凍品等である。

  これらの輸入量は、平成2年度から17年度にかけて、加工品の場合(生鮮換算値)、にんじんペーストで約23万トン、トマトペースト・ピューレで約19万トン、ホールトマト缶詰で約8万トン、冷凍さといもで約5万トン、生鮮品の場合、たまねぎで約26万トン、にんじんで約9万トン、ねぎで約7万トン、それぞれ増加している。


(注1)資料:野菜生産出荷統計、17年度の数字は、13品の野菜の収穫量9,128,400トン+パプリカ収穫量(16年)の2,195トンを加えたもの。

(2) 増加する加工・業務用需要とその主な要因
1)主要品目別の加工・業務用需要の動向と特徴
  図2は、平成2年度、12年度、17年度における主要野菜の加工・業務用需要の割合を示したものである。主要野菜全体の平成17年度の加工・業務用需要割合は55%に達している。この割合は、平成2年度が51%、12年度が54%であったから、加工・業務用需要が過半を占め、しかもその割合が着実に増加していることがわかる。野菜の加工原料化、業務用食材化傾向が、この15年間でより強まっているのである。(注2)
 
図2 主要野菜における加工・業務用需要の動向 注:農林水産政策研究所推計

  これを品目別にみると、平成17年度の加工・業務用需要割合は、にんじん、トマト、ねぎでは6割を超え、たまねぎ、だいこん、さといも、レタスにおいても6割近くを占めている。この割合を平成2年度と比べると、13品目の中で最も伸び率が高いのは、にんじんである。にんじんの加工・業務用需要割合は平成2年度から17年度にかけて22ポイントもの上昇を示している。その増加要因として最も大きく影響しているのは、野菜(および果実混合)ジュース等の原料需要が大幅に増加し、ペースト等が大量に使用されるようになったことである。さらに、カット野菜用等の加工原料需要の増加が加わることによって、加工・業務用需要割合は大幅な伸びを示しているのである。

  トマトについては、ジュース、ケチャップ用等の加工原料需要(主としてペースト)の多さを反映して、加工・業務用需要割合は平成2年度においても高い割合を占めていた。このジュース用等の加工原料需要に、業務筋におけるホールトマト缶詰等の利用増が加わることによって、平成2年度から12年度にかけて、加工・業務用需要割合はさらに上昇しているのである。

  たまねぎ、ねぎ、レタス、キャベツについては、外食・中食企業の基本的食材として広く使用されていることに加え、カット野菜用等の加工原料需要の増加が、平成2年度から17年度にかけての加工・業務用需要割合の増加に大きく影響している。

  さといもについては不可食部分が取り除かれ価格も安定している冷凍品が、またピーマンについては生鮮パプリカが、それぞれ外食・中食企業等で広く使用されるようになったこと等を背景として、加工・業務用需要割合が上昇しているものとみられる。

  だいこんの場合、平成2年度~17年度の加工・業務用需要割合に変化はみられない。これについては、漬物用の原料需要は減少傾向にあるものの、外食・中食企業等で使用される刺身のツマ、おろし、おでん用等の需要が増加し、これに対応したカット等の各種加工原料需要が増加することによって、漬物用原料需要の減少を補っているものとみられる。

  なお、ほうれんそうの平成17年度の加工・業務用需要割合は、2年度に比べれば高いものの、12年度と比較すると若干低下している。この低下は、後述するように、外食・中食企業等で広く使用されている冷凍ほうれんそうの輸入量の減少に伴うものである。


(注2)粗食料ベースの推計値であり、粗食料とは生鮮換算した国内消費仕向量(国内生産量+輸入量-輸出量)から減耗量を差し引いたものである。用途別需要の推計方法等について詳しくは、小林茂典「野菜の用途別需要の動向と国内産地の対応課題」『農林水産政策研究』No.11、農林水産政策研究所、2006年7月を参照願いたい。

2)ますます強まる加工・業務用需要と輸入品との結びつき
  次に、輸入はどのような需要と結びつきながら増加しているのか、この点をみることにしよう。表1は、平成2年度、12年度、17年度における粗食料計、家計消費需要、加工・業務用需要をそれぞれ100とした場合の輸入割合を示したものであるこのうち、加工・業務用需要の輸入割合だけを取り出して図示したものが図3である。

表1 主要野菜の用途別需要における輸入割合の変化

 
図3 加工・業務用需要における輸入割合の変化 注:農林水産政策研究所推計

主要野菜全体の粗食料に占める輸入割合をみると、平成17年度では19%となっている。平成2年度、12年度のこの割合が6%、15%であったから、輸入割合は着実に増加していることがわかる。ここで注目すべきは、家計消費用と加工・業務用における輸入割合の大きな違いである。家計消費需要における輸入割合は、平成2年度が0.5%であり、その後若干増加したものの、12年度、17年度ともに2%にすぎない。これに対して、加工・業務用需要における輸入割合は、平成2年度の12%から12年度の26%へ大きく上昇し、17年度にはさらに6ポイント増加して32%に達している。先に、主要野菜の輸入量が同期間に約130万トン増加していることをみたが、この輸入増加は、加工・業務用需要における輸入品利用の増加と結びつきながら進行していることは明らかである。

  加工・業務用需要における輸入割合を品目別にみると、トマトについては、加工企業や外食・中食企業における輸入ペースト・ピューレ、ホールトマト缶詰等の利用増を反映して、輸入割合がきわめて高くなっている。にんじんにおける輸入割合の大幅な上昇は、野菜(および果実混合)ジュース等の原料となる輸入ペーストのほか、カット野菜原料等として使用される輸入生鮮品の利用増を反映したものである。さといもについては、外食・中食企業等における輸入冷凍品等の利用増が、たまねぎ、ねぎについては、カット野菜原料や業務用食材等として使用される輸入生鮮品のほか、インスタント食品の具材等に使用される輸入乾燥品の利用増が、ピーマンでは業務用食材等として使用される生鮮パプリカの利用増が、それぞれ輸入割合の上昇の背景となっている。

  なお、これらの品目とは異なり、ほうれんそう、きゅうり、なすの場合、12年度から17年度にかけて、加工・業務用需要に占める輸入割合が低下している。これについては、きゅうり、なすの場合、漬物原料となる塩蔵品の輸入量の減少が主な要因である。ほうれんそうの場合、同需要に占める輸入割合は、平成2年度から12年度にかけて大きく上昇し、17年度に低下している。これは、平成14年に中国産冷凍ほうれんそうから基準値を超える残留農薬が検出されたことを契機に輸入量が減少し、外食・中食企業における輸入冷凍品の使用量が減少したことによる。

  以上、主要野菜全体としてみるならば、(1)加工・業務用需要が過半を占め、しかもその割合が増加していること、(2)この加工・業務用需要の増加は輸入品利用の増加と結びつきながら進行していることをみた。

  このような状況の中、今後、国内産地が輸入品に対抗し、加工・業務用需要対応を強化していくためには、従来型の家計消費用を前提とした生産・出荷の延長では不十分である。なぜなら、家計消費用と加工・業務用とでは、実需者から求められる基本的特性等が異なっており、これに対応した生産・出荷体制が必要とされるからである。以下、国内産地の基本的対応課題について簡単にみることにしよう。 (注3)


(注3)加工・業務用対応における国内産地の基本的課題および主な品目別の対応方向等については、小林、同上を参照。また、主な品目別の対応方向のポイント等をまとめた「加工・業務用野菜需要への取組に向けた「品目別・用途別ガイドライン」」(農林水産省補助事業により社団法人日本施設園芸協会作成)も参照願いたい。同ガイドラインは、平成17年度に、レタス、トマト、ほうれんそうの3品目が作成され、18年度には、たまねぎ、ねぎ、にんじん、だいこん、キャベツの5品目が作成される。なお、後段の5品目のガイドラインについては、19年4月以降、各地方農政局等において説明会が開催される予定となっている。

2.加工・業務用需要への対応強化に向けた国内産地の基本的課題

(1) 加工・業務用と家計消費用における基本的特性の違い
  表2は、実需者からみた加工・業務用と家計消費用における基本的特性の主な違いを示したものである。たとえば、品質内容については、カット野菜・冷凍野菜等の原料の場合、加工歩留まりを高めるための大型規格、加熱調理用では水分含有率が低いものや煮崩れしにくい品種等、用途別ニーズに適した品種選定や規格が求められ、出荷の際の内容量については、歩留まり計算等を行いやすくするためケース当たりの重量が重視される。

  また、加工・業務用の場合、外食・中食メニューの短期間での変更は困難であること、加工施設の稼働率の維持を図る必要があること等により、小売企業に比べてその仕入れ行動は非弾力的であり、周年安定供給に対する要求が強いほか、月間・シーズン・年間一本価格等の中・長期的値決めが基本となっている。

表2 実需者からみた加工・業務用と家計消費用における基本的特性の違い 注:ここでは加工・業務用として一括りになっているが、その中身は加工種別、業種・業態別に多様で  あり、家計消費用とは異なる基本的特性という広い意味でとらえたものである 。


(2) 加工・業務用需要への対応に向けた産地体制の整備の方向
  上記の加工・業務用需要の基本的特性を念頭に置くならば、産地の生産・出荷体制のあり方は、家計消費用とは自ずから異なることとなる。

  まず、加工・業務用ニーズに適合した栽培技術の確立と小グループ化等による機動的な対応が求められる。加工・業務用野菜の場合、家計消費用に比べて一般に取引単価は安価である。このため、家計消費用と同じ作り方をしていたのでは産地側にとってのメリットは必ずしも多くはない。しかし、家計消費用よりも大型規格の栽培による単収の向上を図り、単価の相対的な安さを単収の増大でカバーすることができるならば、産地側にとっても粗収益の点で十分なメリットを見込むことができる。

  このためには、用途別ニーズに適合した品種、規格での多収生産技術(在圃性の高い品種等の選定、株間の取り方等の栽培方法)の確立・普及、選別・調製作業等の省力化による規模拡大等のほか、家計消費用とは異なる生産に対応できる生産者の育成やそのグループ化、実需者別の営農部会の再編等を図り、実需者ニーズに機動的に対応できる生産・出荷体制を整備する必要がある。

  さらに重要な点は、加工・業務用対応においては、実需者の用途別ニーズを把握した上で、播種前に販売先を確保するという考えが大切である。これは、契約取引等によって、品質内容、規格、数量、価格、出荷期間等を事前に決定し、売り先を確保した上で計画的生産出荷を行うことであり、これまで、さまざまな産地でみられたような、数年に一度等の高値期待という考えから脱却し、相場の動きに左右されない経営の安定化を目指すものである。

  このためには、実需者のニーズをしっかり把握することが重要であり、産地の営業・販売力の強化が必要とされる。たとえば、出荷先の卸売市場から先の実需者が誰なのか、どのような用途に使うのか等が不明のままでは、十分な対応はできない。また、産地側がコスト意識を明確に持つことが重要であり、実需者との価格交渉を進める上で、生産コストの把握を欠かすことはできない。

  こうした点に加えて、生産・供給体制の整備にあたっては、産地と実需者を結び、さまざまな調整等を行うコーディネーター(調整役)との連携を視野に入れた取り組みも重要である。コーディネーターは、卸売市場の卸売業者や仲卸業者をはじめ、さまざまな担い手が存在する。コーディネーターの機能として、(1)産地と実需者間の情報交換の促進や実需者ニーズの伝達、(2)用途別・等階級別の販路調整とこれによる商品化率の向上、(3)周年供給対応に向けた産地間リレー等の調整、(4)短期的な貯蔵機能を含めた物流機能、(5)川上・川中・川下の各段階におけるリスク分担とその調整等が重要である

(3) 主な品目別の基本的対応課題
  最後に、主な品目について、輸入の特徴等を踏まえた加工・業務用対応における基本的課題について簡単にみておくことにする(表3)。(注4)

表3 主な品目の加工・業務用需要対応に向けた基本的課題


(注4)表で示されていない品目のうち、たとえば、だいこんの場合、加工・業務用需要として、サラダ、ツマ、おろし用等の生食需要とおでん、煮物用等の加熱調理需要がある。加工歩留まりを高めるため、いずれも2L以上の大型サイズが基本とされるほか、ツマ、おろし用の場合、特に白さが大切なので、白首のほか、青首についても内部まで青くならない品種が求められ、おでん用等については煮崩れしにくい品種であるとともに、一定の直径、厚さのものを型抜きできるよう尻づまり等の円筒形のものが求められる。


1)たまねぎ
  たまねぎの主な輸入形態は、生鮮品(剥き玉を含む)を中心に、乾燥品、ソテー等である。生鮮品の輸入増加の要因として、(1)カット野菜向け大玉等の国内生産が不十分であること、(2)加熱調理用に適した水分含有率が低いたまねぎの国内生産において不十分な時期があること(特に北海道産から府県産に切り替わる時期)、(3)国産品に比べて低価格であること等をあげることができる。このため、今後、加工・業務用需要への対応強化を図るためには、(1)カット野菜向け等の大玉たまねぎ(L大ないし2L以上が基本)の低コスト供給(適性品種の選定と大型規格の高単収栽培等による低コスト生産)、(2)府県産たまねぎの加熱用途向け品質改善(用途に応じた品種選定)、(3)フレコン等の利用による流通コストの低減等が取り組むべき重要な課題となろう。

2)トマト
  トマトの輸入形態はペーストやホールトマト缶詰等の加工品が中心である。これらに関する国内生産対応も重要であるが、その価格差等を考えるならば、今後、国産品が輸入品に大きく置き換わっていくのは困難な面が多い。今後の加工・業務用対応を考える際に留意すべきは、加工品に比べて輸入量は少ないものの、アメリカ等から輸入される生鮮「赤系」トマトの動向である。「赤系」トマトの場合、果肉が厚く、スライスした時にゼリー部が落ちにくく形くずれしにくい等の特性があり、加工・業務用実需者からは、サンドイッチ、ハンバーガー、サラダ用等として使い勝手がよく、また加熱調理用にも適しているとの声が聞かれる。このため、今後の加工・業務用対応における重要な取組として生鮮「赤系」トマトの低コスト供給を欠かすことはできない。

  また、実需者が求めるトマトは、サラダ用等の高糖度トマト、糖度と酸味のバランスがとれたトマト等多様であり、実需者の用途別ニーズを細かく把握した品種選定も重要である。

3)にんじん
  にんじんの主な輸入形態はペーストと生鮮品である。ペーストは各種ジュース用原料として使用されており、国内においても、加工メーカーの品種指定(糖度やカロテン含有量の高さ、製品としての色等を勘案)によるジュース用原料生産が行われている。これに加えて、今後の国内生産対応として重要なのは、増加する輸入生鮮品への対応である。

  カット用等に利用される大型規格のにんじん(2L以上が基本)は周年必要とされているが、実需者からは、特に4~6月の国産大型規格のものが不足しがちであるとの声が聞かれる。このため、今後の加工・業務用需要対応においては、特に4~6月の大型規格にんじんの安定供給に向けた体制作りが重要であり、併せて、産地間リレーの円滑な実施による大型規格にんじんの切れ目のない周年安定供給が必要とされている。

4)ほうれんそう
  ほうれんそうの主な輸入形態は冷凍品であり、その低価格性が輸入増加の大きな要因である。中国産冷凍ほうれんそうの残留農薬問題を契機に、国産冷凍ほうれんそうに対する需要(潜在的なものを含む)は増加しているが、国内の生産・供給対応は必ずしも十分ではなく、圃場段階における原料ほうれんそうの低コスト生産と冷凍加工施設の拡充整備の双方が求められている。

  一般に家計消費用ほうれんそうの場合、草丈25cm程度で出荷されるが、冷凍用原料の場合、歩留まりを高めるため40cm程度の大型規格による生産・出荷が基本となっている。したがって、冷凍原料用等の大型規格の高単収栽培による低コスト原料生産が重要な取り組み事項として位置づけられ、これに加えて、増加する需要に対応するためには、現在の冷凍加工施設規模では不十分であることから、国内冷凍加工施設の拡充という加工段階の整備も必要である。

5)ねぎ
  ねぎの輸入形態は生鮮品を中心に、乾燥、冷凍等である。輸入増加の最も大きな要因はその低価格性にある。したがって、ねぎの加工・業務用需要対応においては、コスト低減が最も重要な課題となり、そのためには、収穫・調製作業の効率化が不可欠である。収穫作業については作業受委託等が重要な取組事項としてあげられ、皮むき等の調製作業の場合、個々の生産者が行っている産地については共同調製への転換が重要な取組方向として指摘されている(個選共販から共選共販へ)。

  また、ねぎの場合、加工・業務用実需者から求められる規格は用途別・実需者別に多様であることから、その規格分けについては、中間流通業者等とも連携し効率化を図ることも必要であろう。

6)キャベツ
  キャベツの場合、上記品目とは異なり、国産品と輸入品とが直接競合する度合いは今のところ小さく、国産の不作時対応型の輸入という性格が強い。しかし、加工・業務用需要への国内対応の強化という観点からは見逃すことができない側面を有しており、加工・業務用実需者からは、特に4~5月の国産寒玉系キャベツの不足が指摘されている。加工歩留まりを高めるためには、葉質が軟らかく巻きがゆるい等の春系品種よりも、葉質が硬く巻きがしっかりしている等の寒玉系品種の方が適している。

  このため、カット用等を中心に、大玉(10kg詰めの場合、6玉程度)の寒玉系キャベツが周年必要されているものの、4~5月の寒玉系については抽苔、不結球等が発生しやすく生産が困難であったことから、実需者の中にはこの時期に輸入品を利用するものみられる。しかし、4~5月の寒玉系のキャベツにおいては、現在、在圃性の付与等の品種開発も進展し栽培技術的な課題も克服されつつあることから、この時期の国産寒玉系キャベツの安定供給への取り組みを期待する実需者は多い。

7)レタス
  レタスもキャベツ同様、国産の不作時対応型の輸入という性格が強く、年間供給量に占める輸入品割合は今のところわずかである。しかし、不作時にも迅速に対応できるよう周年的に輸入している実需者がいるほか、国内生産が不安定になりがちな冬場の時期等を中心に輸入品を利用したり、今後利用したいとする意向を持つ実需者もみられる。
  カット用等を中心に、加工歩留まりを高めるため、葉肉が厚く適度な巻きの硬さ等を有する大玉(10kg詰めの場合,12~14玉が基本)レタスが必要とされており、冬場の安定生産はもとより、大玉レタスの周年安定供給が求められている。



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