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モーウイ(きゅうり)
(野菜情報 2012年8月号)



暑い夏に
 爽やかさを感じられる
  「モーウイ」


調査情報部





■「モーウイ」とは

 モーウイは、沖縄県や中国南部地方で栽培されているきゅうりの一種で、沖縄方言で「モー」は野原または毛、「ウイ」は瓜を指します。
 原産地はインドの西部といわれており、15世紀に中国華南地方から沖縄へ伝来したようです。琉球王朝時代は宮廷料理の食材でしたが、のちに一般家庭へも広がっていきました。
 外観はずんぐりとしていて、果実の大きさは長さ約30センチ、重さ約1.2キロ、直径約10センチです。果皮は赤茶色で表面に細かい網目状の模様があり、果肉は純白。淡白な味できゅうりに似ていますが、きゅうりより実がしまり、青臭さがありません。
 台風の多い沖縄では、強風に負けない大事な夏野菜のひとつとして、親しまれています。

■栽培について

 生育適温は25~30度で、耐暑性が極めて強く栽培も容易なため、家庭菜園に適しています。夏期は生育が旺盛で、水と肥料を切らさなければ約2ヵ月間の収穫が可能です。収穫適期は、果実の色が教えてくれます。
 キャベツやレタス、かぼちゃなど、冬春期の露地野菜と輪作されることが多く、台風後の野菜不足の需要に向けられるようです。露地での地這い栽培がほとんどで、台風時の対策として、防風ネットをじか掛けします。完熟果を収穫するため樹への負担が大きく、ほ場の保肥力と保水力を高めることが、栽培上重要となります。

■流通について

 主に、JA直売所や沖縄県中央卸売市場で流通しており、県中央卸売市場の平成23年取扱量は、86トンでした。モーウイは単価が安く、同条件での沖縄産きゅうりの5分の1から3分の1程度の値で流通しています。そのため、経済栽培は少ないようです。
 県中央卸売市場経由で一部県外へも出荷されていますが、棚持ちが悪い点や、重量があり流通経費がかさむという課題があります。

ハウス内の様子

収穫前のモーウイ

■生産者の紹介

 名護市の花城さんは、いんげんの後作として、約2アールのほ場でモーウイを栽培しています。前述したように、モーウイは安価で流通するため、施設栽培をしている農家は少ないのですが、花城さんは施設栽培を行っています。ハウス内の限られた土地を有効利用するため、地域でも珍しい立体栽培を行っており、収穫量は約2トン。交配は毎日手作業により行い、収穫は2日に1回のペースで行われています。
 最近は、サラダでの利用も増えているそうです。若採りのものは、シャキシャキ感が強いのでサラダ用に、また、畑で完熟させてから収穫したものは、煮崩れしにくいため加熱調理におすすめだそうです。

■産地から一言:おすすめの食べ方

 みずみずしく、シャキシャキとした食感で、夏に涼しさを感じさせてくれるモーウイは、きゅうりと同様、和え物や酢の物にするのが一般的な食べ方です。
 ツナとの相性がよく、イリチャー(炒め)やウブサー(煮付け)にして食べるとおいしいほか、中華風の味付けや、味噌煮やそぼろ煮、漬物や汁物としても利用されています。
 モーウイは、くせがなくとても食べやすい食材で、色々な食べ方でお楽しみいただけます。

○「モーウイイリチャー(炒め)」の作り方

 ①モーウイ(1本)は皮と中のわたを取り、薄切りにし、塩をふる。しばらくすると水気が出るので水気を切る。②にんじん(1本)は千切りにし、にら(適宜)は1センチ位に切る。③油を熱し、にんじん、モーウイ、にら、ツナ缶(1缶)を入れ、塩、醤油を入れて味をととのえる。

甘酢漬け

モーウイイリチャー

お問い合わせ先:沖縄県農林水産部北部農林水産振興センター
(TEL:0980-52-2752)
写真提供:沖縄県農林水産部流通政策課、山原女性農業者の会

 
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