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「からすだいこん」(野菜情報 2012年2月号)



見た目は黒いが
  中身は純白な
  “からすだいこん”


調査情報部





■那須烏山の特産野菜

 那須南農業協同組合(以下、JAなす南という。)管内には、日本では珍しい洋野菜部会があります。「からすだいこん」はJAなす南洋野菜部会で栽培されているヨーロッパ原産の黒だいこんで、那須烏山の地名とカラスのような黒い見た目からその名が付きました。
 JAなす南洋野菜部会の越雲部会長は、耕作放棄地の利用や地域で栽培の盛んなかぼちゃの後作として、インパクトのある大根の栽培を考えていました。2年前、数名の仲間とともにヨーロッパ原産の黒だいこんを試作したところ、市場での評価の高い、良いものができました。そこで、2010年6月に洋野菜部会を設立し、本格的な栽培が始まりました。部会設立当初の部会員は15人、「からすだいこん」の作付面積は約200アールでしたが、2年目となる現在の部会員は26人、作付面積は約280アールと急増し、人気の高さを象徴しています。

■「からすだいこん」の特徴

 大根のイメージを覆す黒い見た目が特徴の「からすだいこん」は、辛味大根の一種です。生で食べると辛味は強いですが、加熱することで甘みが増します。
 栽培地域は那須烏山市・那珂川町で、真夏(7~8月)は特徴である黒みが出ないため栽培に向きませんが、それ以外の時期で栽培可能です。

■JAなす南洋野菜部会の取り組み

 「からすだいこん」はかぼちゃの後作として栽培することが目的であったため、部会設立当初は10~12月の栽培を予定していました。しかし、市場やレストランからの要望が厚く、真夏を除くほぼ周年での出荷体制をとっています。現在、月・水・金曜日に首都圏を中心とした市場へ出荷していますが、良品質のものを出荷して価格を維持するため、出荷の際は必ず部会長とJA担当者で検品をしています。
 栽培については、「人と同じで、良い環境が良いものを育てる」との考えから、しっかりとした土壌作りに重点を置いています。たい肥は地域の畜産農家から安値で提供を受け、有機質肥料を大量に投入しており、土壌診断によりpH調整を確実に行っています。
 県内のフレンチレストランでは「からすだいこん」の利用が広まっていますが、地元のそば組合と提携し、規格外品を安値で提供することで薬味での利用拡大も図っています。また、一般にはあまりなじみのない野菜であるため、まずは知ってもらおうと、ロゴマークや野菜ソムリエ考案のレシピを載せたパンフレットを作成し、PR活動も行っています。
 部会では「からすだいこん」の他にも各部会員がさまざまな洋野菜を栽培しており、現在、年間およそ100種類の洋野菜を栽培しています。
 今後の課題は規格の更なる統一と、真夏の栽培方法の確立など、出荷の途切れる時期の対応策を考案することです。

「からすだいこん」のほ場

掘りたての「からすだいこん」

■産地から一言:おすすめの食べ方

 皮と身の間にうまみがあるので、皮はむかずに良く洗い調理してください。もともと西洋の野菜なので、酢漬け(ピクルス)やバターソテーなど洋風の調理に向いています。また、生をすりおろしてそばやそうめんの薬味に用いれば、爽やかな辛味が口の中に広がり、さっぱりと味わえます。
 烏山から旅をしてきた「からすだいこん」に出会ったら、是非一度ご賞味ください。

○「からすだいこんのバター醤油ソテー」の作り方

 ①「からすだいこん」は、1センチの厚さに輪切りにしておく。②フライパンにバター10グラムとサラダ油小さじ1を入れ火にかけて、カットした「からすだいこん」を両面焼く。③火をとめて、余分な油をペーパーで拭き取り、しょうゆ小さじ1・マヨネーズ大さじ1を入れて、全体に絡ませる。

ロゴマーク

からすだいこんのバター醤油ソテー

お問い合わせ先:JAなす南 営農部園芸課(TEL:0287-96-6170)

写真提供:JAなす南

 
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