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「京しずく」



京のみやびと
  清涼感が漂う
    “京しずく”


調査情報部





■農芸高校のオリジナルブランド野菜「京しずく」

 京都府立農芸高等学校の生徒たちの、「自分たちの学校から何か特産物として南丹市地域へ発信し、貢献できないか」「東京のセレブにおいしいと食べてもらえるような野菜を作りたい」という思いが、「京しずく」誕生のきっかけでした。生徒たちの意向を聞いた京都府亀岡市の有限会社篠ファーム(以下、「篠ファーム」という)高田社長が珍しいなすを紹介し、2007年から同校農産バイオ科で栽培を始めました。「京しずく」というネーミングは、しずくが滴り落ちるような模様やその形状から当時の生徒が付けたもので、商標登録されています。

■「京しずく」の特徴

 鮮やかな赤紫に白のしま模様が目を引く「京しずく」は、イタリア系品種のなすです。実はぼってりと大きめで、滴のような形状をしています。栽培時の特徴は、湿害に弱く乾燥を好み、草勢が強く乱れやすいという点です。また、実が房状に着果するため、色あせや色むらを起こさないよう、摘果の必要があります。着果個数の制限は検討課題のひとつです。

■特産ブラント野菜プロジェクト

 2007年の栽培当初は、作付面積3アールからスタートしました。栽培方法など試行錯誤を重ね、2011年の今年は作付面積8アール。一時、13アールに広げたこともありましたが、生徒が無理なく栽培するにはこれくらいがちょうど良いということです。同校では、収量を上げる栽培方法を探るため、「特産ブランド野菜プロジェクト」を行っています。具体的には、毎年生徒たちが栽培手法を変えた課題を設定し、その結果どのような成果があったかなどを研究報告するというものです。栽培技術の確立にどれくらいの時間を要するか分かりませんが、早期に確立させ、地域生産者へ広めていくことが今後の目標です。また、出荷については篠ファームの指導協力を仰ぎながら、摘果したなすを「パープルエッグ」として出荷するなどの工夫を行っています。「調理方法が分からない」という消費者のため、出荷時の箱の中には調理例を同封しており、今後は校内で「京しずく調理コンテスト」を行うなど、調理方法の研究も考えています。

 「京しずく」は、一部校内で販売するものを除き、すべて篠ファームへ出荷しています。篠ファームは、ハバネロなど新しい野菜の栽培・販売を手がけており、「京しずく」についても、そのノウハウを生かして相対取引により販売しています。篠ファームの高田社長も、「生徒たちの栽培意欲が湧くように、少しでも後押ししていきたい。」と話していましたが、将来を担う若者がひたむきに栽培している「京しずく」が、今後どのような広がりを見せるのか楽しみです。

「京しずく」の収穫風景

房状になる「京しずく」

■産地から一言:おすすめの食べ方

 「京しずく」は普通のなすに比べて水分が多く、柔らかい肉質と強い甘みがおいしさのひみつです。皮の部分に少し苦みを感じる場合がありますが、あく抜きをすると気になりません。もともとイタリアで改良された品種なので、オーブンやフライパンでの加熱調理に向き、チーズやベーコンとの相性は抜群です。また、加熱によってほかのなすにはないもっちりとした食感が味わえるので、是非一度ご賞味ください。

○〈「ベーコンチーズ焼き」の作り方〉

①「京しずく」をたて半分に切り、網目に切り目を入れる。②濃いめの塩水に①をしばらく漬けてあく抜きをする。③多めのオリーブオイルを敷いたフライパンに「京しずく」の切り目を下にして乗せ、蓋をして蒸し焼きにする。④「京しずく」を取り出してベーコンを焼き、塩、こしょうで味付けをする。⑤耐熱皿に「京しずく」の焼き目を上にして移し、④のベーコン、とろけるチーズを乗せる。⑥チーズがとろけるまでトースターで焼いて出来上がり。

「オイスターソース炒め」

「ベーコンチーズ焼き」

問い合わせ先:有限会社篠ファーム(TEL:0771-24-7878)

写真提供:京都府立農芸高等学校

 
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