「プチヴェール」
調査情報部
つぼみがバラの花びらのように開いた「プチヴェール」は、平成2年に株式会社増田採種場がケールと芽キャベツを交配して誕生させたアブラナ科の野菜です。1本の苗から50~80個のつぼみが収穫され、その名の由来はフランス語で‘小さな緑’を意味します。
加熱するとほんのり甘い「プチヴェール」は、苦みや癖がないのが特徴です。特に霜に当たって生育したものは甘みが増します。ビタミンCをはじめとしたビタミン類、鉄分、カリウムなどの栄養素を豊富に含んでおり、葉はジュース、つぼみはゆでて食べるとシャキッとした歯応えが楽しめます。近年では「プチヴェールルージュ」や「プチヴェールホワイト」といった新しい品種も登場しており、カラフルな色合いも楽しめます。
JA碓氷安中の‘新興作物研究会’では、「プチヴェール」のほかに‘にがうり’‘ズッキーニ’などの野菜が栽培されています。
同研究会は、平成15年の就農時以来、数々の野菜栽培に挑戦し、徐々に実績を積み上げた現在の会長の尽力により、平成20年に設立されました。
設立当初は8名であった「プチヴェール」の生産者は、平成22年には23名へと増加するなど、生産規模は拡大しています。
冬に浅間山から吹き降ろす‘浅間おろし’により、「プチヴェール」の甘さが増すなど栽培環境にも恵まれています。
定植は7月下旬から8月上旬に、収穫は11月から翌年3月にかけて行われます。同研究会では現在、地域への浸透を図るために、同JAを通じて学校給食などに供給していまが、将来は産地を確立して、新規就農者支援にもなる作物の一つとして発展させたいと考えています。