「アピオス」
調査情報部
ゆでたり蒸したりするとホクホクして甘みのある「アピオス」は、北米原産のマメ科の多年草です。アメリカの先住民インディアンが栄養源として、食していました。日本では「アメリカホドイモ」と呼ばれ、明治時代に北米から取り寄せたリンゴの苗木に混ざって青森県に伝わったといわれています。
ピンポン玉程度の大きさの「アピオス」は、栄養価が高いといわれており、青森県の県南地方では古くから一般家庭の庭先で栽培されてきました。7~9月にかけて咲く紫色の花は、スミレに似た香りを漂わせ、また、地下茎は、まるでネックレスのように連なっており、味は、ばれいしょとさつまいもが掛け合わさったような甘さがあります。
JAゆうき青森管内では、平成8年に約5アールのほ場で「アピオス」の栽培が始まりました。平成9年には、生産者10名により約65アールの作付けを行い規模が拡大したため、同JA野菜振興会の中にアピオス部門が組織されました。平成17年には生産者33名により栽培面積を約7.7ヘクタールまで拡大させ、全国一の産地となっています。
ネックレスのように連なっている「アピオス」
「アピオス」の真空パック
同JAは、インターネット販売や市場出荷のほか、販路拡大のため、青森県のアンテナショップや地元七戸の道の駅でも「アピオス」を販売しています。「アピオス」は、主に真空パックにしたり、乾燥させた物を粉末で販売しているほか、平成19年から、「アピオス」を原料とした「アピオス焼酎 塊芋(ほどいも)」の販売にも取り組んでいます。
「アピオス」の栽培風景
「アピオス」の作型は、4月下旬には種し、11月上旬に収穫します。無農薬・無化学肥料栽培のため、6~8月に計3回の中耕・除草作業行うなど、非常に手間をかけて栽培しています。収穫後は、地下茎でつながった「アピオス」を丁寧に切り離し、大・中・小と3つの規格に分けて出荷します。
土の中で鈴なりに生育
そのままゆでて食べてもおいしいですが、煮たり、焼いたり、揚げたりと何にでも利用できます。同JAでは、手軽に食べられるようにパックされた「アピオス」を販売しています。ほんのり甘く、ホクホクした食感を是非味わってください。
① アピオスの皮をむき輪切りにします。② にんじん、大葉は千切りにし、万能ねぎは小口切りにします。③ 薄力粉に水を加えて衣を作ります。④ ③に①と②を加え、混ぜ合わせます。⑤ フライパンに2センチ程度油を入れて、170度位の中温で揚げます。⑥ 揚がったらサッとキッチンペーパーで油を切ります。
ホクホクの「アピオスのかき揚げ」を熱いうちにお召し上がりください。
ホクホクした食感が楽しめる「アピオスのかき揚げ」
問い合わせ先:
問い合わせ先:JAゆうき青森
天間林支所 木村
(TEL:0176-68-3134)
写真提供:JAゆうき青森