「ブート・ジョロキア」
激辛とうがらしとして日本でもよく知られているのはハバネロ (レッドサビナハバネロ)ですが、そのハバネロを超えて、‘世界一辛いとうがらし’として2006年にギネスブックに認定されたのが「ブート・ジョロキア」です。北インドおよびバングラデシュが原産地と言われ、その名称はアッサム語で‘幽霊のとうがらし’という意味を持ちます。辛さはハバネロの2倍もあると言われています。
「ブート・ジョロキア」の姿は、ほかのとうがらし属とよく似ていますが、その果実は‘鷹の爪’のような細長い形ではなく、‘ピーマン’に似ています。大きさは4~5センチ程度で、表面には細かいシワがあります。原産地では主に香辛料として利用されますが、生食にする場合もあるようです。強い発汗作用を持つので、今年の夏のような猛暑を乗り切るのに最適です。
とうがらしの辛さは‘スコヴィル値(注)’で示されますが、ハバネロが35万~58万を示すのに対し、「ブート・ジョロキア」は100万を超え、まさにギネス級です。
平成21年7月、京都府向日市に京都激辛商店街(以下、「商店街」)が発足しました。この商店街は、「元気・インパクト」をキーワードに「激辛」をテーマとした‘新たな町おこし’として始まり、現在は飲食店を中心に40店舗が加盟しています。各店舗では独自の激辛メニューを作り、全国から‘激辛マニア’が詰めかけて賑わっています。
商店街は、とうがらしやハバネロを使った激辛メニューはもちろんのこと、「どうせやるなら世界一」を合言葉に「ブート・ジョロキア」を使ったメニューを開発しました。「ブート・ジョロキア」がまだ生産量も少なく、高価であることもあり、商店街では地元農家20人の協力を得て、今年5月から‘地元産’の「ブート・ジョロキア」の生産に挑戦しています。