シャキシャキとした食感の「スイスチャード」は、地中海沿岸が原産といわれるアカザ科アカザ属の野菜です。和名を‘フダンソウ’と言い、地域によっては、‘アマナ’‘うまい菜’‘トウチシャ’など多くの呼び名を持っています。4世紀ごろのギリシャ語で書かれた書物によると、「スイスチャード」は薬としての効果も期待されていたようです。
葉柄の色が株によって、赤・白・黄・桃・黄緑・紫・オレンジなど華やかな色彩を持つ「スイスチャード」は、野菜として食べる以外に、観賞用として花壇の縁どりや鉢植えにも利用されています。
暑さ、寒さに強く、病気や害虫がつきにくいことから栽培しやすい野菜です。青菜類が不足する夏にも収穫できるため、ほうれんそうの代用として利用されてきました。
JAいしのまき鳴瀬営農経済センターでは、「菜っちゃん市場」と名付けた直売所で、地産地消を目指して、鳴瀬の特産品‘マコモタケ’をはじめとする地元で生産された新鮮な野菜や農産物加工品などを1~5月は週2回(土・日)、6~12月は週3回(水・土・日)販売しています。現在、「スイスチャード」は、地元の生産者2名が出荷しており、その鮮やかな色合いとシャキシャキした食感が人気です。
「スイスチャード」の栽培は、平成22年4月から始めており、種の袋に写っていた美しい色合いが生産者の目に止まったことがきっかけでした。
生産者によると、地元ではまだまだ知名度が低い野菜ですが、若い人には人気があり、仙台市内の居酒屋では企画料理に使用される期間限定の野菜として、仲卸業者を通じて出荷されています。また、どの種からどのような色の「スイスチャード」になるかがわからないため、栽培が楽しみとのことです。今後も珍しい野菜の栽培に挑戦していきたいと語ってくれました。
写真提供:JAいしのまき
JAいしのまきの「菜っちゃん市場」
写真提供:JAいしのまき
「スイスチャード」の販売風景
葉を湯がいて煮物やおひたし、和え物、バター炒めなど何にでも使えます。また、葉軸はセルリーのようなシャキシャキした歯ごたえと鮮やかな彩りを生かして、天ぷらやサラダにして食べるのがおすすめです。色彩がバラエティーに富んだ「スイスチャード」は、食卓を華やかに彩る野菜として是非利用してみてください。
鮮やかな色合いが美しい「スイスチャードのサラダ」
①スイスチャードの葉軸はきれいに洗い、水気を良く切り、長さ4~5センチ、幅3ミリ位の細切りにします。②玉ねぎは薄くスライスして、いんげん豆は軽く斜め切りにします。③ボールに天ぷら粉120グラム(1カップ)と水200CCを入れて衣を作り、①と②を入れて衣となじませます。④180度の油でカラッと揚げ、キッチンペーパーで余分な油を取って、熱いうちにお召し上がりください。また、カレー塩を振りかけるなど一工夫するととてもおいしいです。
シャキシャキした食感が味わえる
「スイスチャードの天ぷら」
問い合わせ先:JAいしのまき 鳴瀬営農経済センター 高橋