ほんのり香るカレー風味の‘フェヌグリーク’は、地中海原産のマメ科の一年草です。
古代ヨーロッパでは、薬や調味料として利用されていた「フェヌグリーク(fenu-greek)」は、ラテン語の「ギリシャの干し草(foenum graecum)」から名付けられました。「胡蘆巴(コロハ)」「メティ」など栽培される地域によって異なる呼び名を持っていますが、葉はハーブティーや野菜として、種子はカレーに入れる香辛料の一つとして利用されています。現在は、中近東、アフリカ、インドなどで栽培されています。
香辛料にも利用されている種子
三つ葉のクローバーのような愛らしい葉の‘フェヌグリーク’は、そのまま食べるとシャキシャキした食感が楽しめますが、油でサッと炒めると溶けだすようにカレーの風味が漂います。インドやネパールでは野菜として日常的に食されている‘フェヌグリーク’ですが、日本では、主に種子を粉状にしたものが輸入され、香辛料やサプリメントとして販売されています。
近年、日本に取り入れられた‘フェヌグリーク’は、インドで使われている「メティ」という呼び名から、「ミティー」という商品名が付けられました。
有限会社みらい農園(以下、「みらい農園」)では、平成21年2月から「ミティー」の栽培を始め、約300坪あるパイプハウスを4分割した一角で生産されています。
「ミティー」は、一年を通して生産されており、都内のイタリアンレストランや量販店へ出荷されるほか、みらい農園のホームページ上でも販売しています。また、種苗会社と連携してホームセンターで苗の販売も行っています。このほか、みらい農園では、「ミティー」を利用したハーブティーなどの加工品を作ることを模索しており、栄養や機能性を考えた商品開発を行うことを考えています。
みらい農園では、「ミティー」の栽培を始めてから約1年4カ月が過ぎ、連作障害のリスクを軽減するため、水耕栽培へ切り替えるなど新しい取り組みを考えています。
写真提供:みらい農園
トレイを使った生産風景
量販店で販売されている「ミティー」
苦みのある野菜なので、加熱して食べるのがおすすめです。ごま油やオリーブオイルで炒めるとふわっとカレーの香りがします。サッとゆでて、醤油、レモンでおひたし風にしたり、ぽん酢や和風ドレッシングで和えて食べるのもおいしいです。緑の三つ葉が愛らしい「ミティー」を是非味わってください。
①フライパンにオイルを引き、薄切りのにんにくと1センチ幅に切ったベーコンを炒める。②薄めに切ったばれいしょを入れ、こんがりと焼き色がつくまで炒めたら、塩・ブラックペッパーで味を調え、フライパンから取り出す。③「ミティー」を半分の長さに切り、②のフライパンでサッと炒めたら盛り付けをして召し上がってください。
写真提供:みらい農園
「ミティー」と新じゃがのソテー
問い合わせ先:有限会社 みらい農園
HP : http://www.mirainouen.com