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野菜のいろいろ
「アイスプラント」


 プチプチとした食感が楽しい
 ほんのり塩味の新顔野菜
 “アイスプラント”





■ 原産地


 キラキラとした水晶のような粒とプチプチとした食感、ほのかな塩味が特徴のアイスプラントは、南アフリカのナミブ砂漠が原産地です。
 サボテンのような多肉多汁組織を持つ多肉植物で、ヨーロッパでは古くから食され、フランス料理の食材としても定着しています。

 

■ 日本での栽培


 日本での栽培は、土壌に含まれる塩化ナトリウムを吸収するアイスプラントの吸塩機能を有明海沿岸の塩害対策に役立てようと、1985年に佐賀大学農学部が持ち込んだのがきっかけです。
 その後、生食で塩味がするという最大の特徴を生かした特産物に育てようと、JAさが管内農家との協力で栽培研究が進められ、平成18年に市場出荷が始まりました。
 素材の希少性が人気を呼び、ここ数年で佐賀のほかにも静岡、埼玉、千葉、福島、東京など全国に栽培が広がっています。 栽培適温は5度から25度。害虫や病気に強く、農薬を一切使用せずに栽培されるため、安全にも折り紙つきです。
 「バラフ」、「プッチーナ」、「シオーナ」、「ソルトリーフ」、「クリスタルリーフ」、「雫菜」など、産地や栽培方法の違いによって、さまざまな名前が付けられ、少量ですが、11月から6月を中心に全国に出荷されています。

 

■ 栄養・機能性


 アイスプラントの葉や茎の表面を覆うキラキラした水晶のような粒は、ブラッター細胞と呼ばれる葉の一部で、カリウムやマグネシウム、レチノールなどの土壌から吸収したミネラル分を豊富に含みます。また、疲労回復に効果的なリンゴ酸やクエン酸、中性脂肪の増加を防ぐ‘ミオイノシトール’、血糖値を下げる‘ピニトール’などを含み、健康志向が高まるなか、サプリメントが商品化されるなど、「メタボ対策野菜」としても注目を浴びています。

 

■ JA遠州中央の「シオーナ」栽培の取り組み


 静岡県西部に位置するJA遠州中央は、ガラス温室を利用したメロン栽培のほか、チンゲン菜を中心とする中国野菜を30年以上生産し続ける老舗の産地です。
 アイスプラントの栽培は、温暖化で中国野菜の周年栽培が難しくなっていること、また、重油高騰でメロンの遊休温室が増えてきたことなどから、転作・複合経営作物として、JAの呼び掛けにより始まりました。
 初年度である2008年度の栽培面積は0.3ヘクタール(生産者25名)でしたが、マスメディアを利用した消費拡大活動を積極的に行った結果、直売所には遠方から訪れる客も増え、現在、1ヘクタールの遊休温室を利用して60名の生産者が栽培に取り組んでいます。
 JA遠州中央では、ブランド化を目指し、「シオーナ」の商標名で「ほんのり潮の薫りとさわやかな酸味」をキャッチコピーに全国の市場に出荷しています。
 食味や品質の平準化を図るため、駿河湾海洋深層水を液肥代わりに使用した農薬・化学肥料に頼らない土壌栽培を行っており、8月中旬から9月に定植し、11月から5月に収穫されます。今年度からは、長期出荷を目指し、定植期をずらした6、7月収穫にも取り組んでいます。

 

■ 産地から一言(おすすめの食べ方)


 「シオーナ」は、ほんのり塩味とさわやかな酸味、棚持ちの良さが特徴です。
 まずは、サラダに入れたり、サンドイッチに挟んだり、刻んで納豆ご飯に混ぜるなど、生で召し上がってください。また、熱を加えるととろみが出てきます。衣を付けてサッと揚げた天ぷらにすると、外はサクサク、中はトロッとした食感を楽しめます。素材自体に塩味が付いているので、天つゆや塩を付けずに味わってみてください。そのほか、パスタや鍋の具材として、また、中華スープやあえ物、おひたしなどさまざまな料理にアレンジできるので、是非あなただけの食べ方を探してみてください。

日照量が豊富な冬場の遊休温室を有効利用
した「シオーナ」の栽培風景

20パック入り段ボール(1パック70グラム)で
首都圏を中心に全国に出荷される「シオーナ」

問い合わせ先:JAさが、JA遠州中央

 
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