[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

地域だより


親子で食育を考える「わんぱく・まーさん料理教室」を開催

那覇事務所


 平成17年10月1日、内閣府沖縄総合事務局、独立行政法人農畜産業振興機構の共催により、食育の取り組みの一環として「食のあり方」や「バランスの良い食事作り」を通じて、自らの食生活を考え、実践することで、沖縄の食育を考えようと、那覇市内沖縄県給食会において、親子18組37人が参加して、「わんぱく・まーさん料理教室」を開催したので紹介する。

 沖縄県は、健康長寿県としてのイメージが強いが、2000年に厚生労働省が発表した「都道府県別平均寿命」において、これまで上位にいた男性の平均寿命が全国第4位から第26位(女性は第1位)に大幅に転落した。

 転落の原因は、(1)車社会による運動不足、(2)食生活の乱れ、(3)アルコール摂取量の増加などの生活スタイルにあるとされており、今や沖縄県は健康長寿の県から後退しつつある。
 まさに県民一人一人が自らの食について考える習慣を身につける「食育」の推進は緊急の課題となっており、沖縄ではこれを「26ショック」と呼んで、さまざまな取り組みを行っている。


1 「食育セミナー」
 セミナーでは、「うちなー(沖縄)の島野菜の活用について」と題し、沖縄県南部農業改良普及センターの安次富和美氏が、島野菜のゴーヤー、パパイヤ、ナーベラー(ヘチマ)、スイゼンジナ、ニガナ、シブイ(トウガン)、フーチバー(よもぎ)などの島野菜の食べ方、主成分、効果・効能などについて紹介した。

 次に、「子供たちの食生活の現状について」と題し、沖縄県栄養士会理事新垣芳枝氏の講演が行われ、現在の子供たちの食生活における、欠食(朝食を抜く)、肥満、個食、偏食などの現状を紹介し、「家族で食卓を囲むことが個食を防ぎ、家族の健康をチェックすることができる」など、家族での食事の大切さを知ってほしいと講演した。

 最後に当機構から、「食育推進の背景」や「機構の取り組み」について紹介するとともに、当機構作成のビデオ「砂糖の賢い使い方」の映写を行った。



セミナー風景
新垣氏講演の様子

2 「料理教室」
 山里美江子氏をはじめ、沖縄県食育推進ボランティアの方々の指導のもとで子供たちが島野菜料理に挑戦した。

 初めて包丁を握る子供もいて、最初のうちは緊張した面持ちで取り組んでいたものの、時間がたつにつれ、慣れてきたのか、楽しく料理を作ることができた様子であった。

 最後に、参加者全員による試食会を行い、「面白かった」、「楽しかった、お母さんが作ったものよりおいしかった」、「自分で作ったらおいしく感じた」などの声が子供たちから聞かれた。

○料理メニュー
・あわご飯
・ゴーヤーチャンプル
・パパイヤサラダ
・トウガンのスープ
・デザートにドラゴンフルーツのヨーグルト


3 「意見交換会」
 試食会の後の意見交換会では、
・改めて、食育について考えさせられた。毎日の食生活を見直したい。
・家では食べないゴーヤーも自分で作ると食べているのにビックリした。
・子供たちとの食事の時間を大切にしたい。
・島野菜を見直した。これからは毎日の献立に取り入れたい。
・島野菜の作り方を知りたい。
・機構の取り組みを知らなかったので良い機会になった。
・普段遠慮しがちな砂糖も上手に使いたい。
など、の意見や感想が出された。



島野菜料理作りの様子
みんな真剣です
 
 


意見交換会
修了証書の授与
 
 

 
全員で集合写真
 

 料理指導者から、「野菜嫌いの子供も、工夫次第で食べられるようになる」、「家庭で作る機会を作ってほしい」など活発な意見交換が行われた。

 セミナーと料理教室を通じて親子が「島野菜」や「食育」について考え、体験する共通の時間を持てたことにより、食育への理解と親子のコミュニケーションが深まれば幸いである。 (仁科)

*わんぱく・まーさんの「まーさん」とは、沖縄の方言で「おいしい」を表す言葉です。




元のページへ戻る


このページのトップへ