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地域だより


「なにわの伝統野菜」統一認証制度スタート

大阪事務所


 大阪には府内の食文化・農業を支えてきた歴史と伝統を持つ「なにわの伝統野菜」が多数残っており、近年、これらを見直して、その振興・ブランド化を図ろうという動きが関係者らにより行われてきている。このため大阪府と大阪市の間で統一の認証制度について協議・検討が進められ、今般9月28日に一本化された認証制度が発足すると発表された。
 認証制度の内容は、以下のとおりである。


1 「なにわの伝統野菜」の認証要件
 次の3つの基準を全て満たすものであること
 (1) 概ね100年前から大阪府内で栽培されてきた野菜であること
 (2) 苗、種子等の来歴が明らかで大阪独自の品目、品種であり、栽培に供する苗、種子等の確保が可能なこと
 (3) 府内で生産されていること


2 認証対象品目
 1の基準に合致する次の15品目としており、認証マークの使用申請手続きを10月から開始した。なお、これら以外にも、府外生産等の理由により選定から漏れた多数の野菜があるが、今後、基準に適合すると認められた場合には適宜「なにわの伝統野菜」として選定することとしている。

・対象品目(原産地)
 毛馬胡瓜(大阪市)、玉造黒門越瓜(大阪市)、勝間南瓜(大阪市)、金時人参(大阪市)、大阪しろな(大阪市)、天王寺蕪(大阪市)、田辺大根(大阪市)、芽紫蘇(大阪市)、服部越瓜(高槻市)、鳥飼茄子(摂津市)、三島独活(茨木市)、吹田慈姑(吹田市)、泉州黄玉葱(岸和田、貝塚、泉佐野、泉南、田尻)、高山真菜(豊能町)、高山牛蒡(豊能町)。


3 認証マーク
 (1) 伝統野菜の原産地で生産され、原産地市町村と共同で認証する場合


 (2) 伝統野菜の原産地以外で生産され、大阪府が認証する場合


4 マークの使用
 「なにわの伝統野菜」生産者がこのマーク貼付して出荷が認められるが、さらに、「なにわの伝統野菜」を使って加工、調理する加工業者や外食産業でも認証マークの使用が認められる。


 認証対象品目15品目の生産状況を見ると、「大阪しろな」が府内において70haほど作付けされているほかは、現在の作付は非常に少ない。
 また、これら伝統野菜は、生産地域の都市化に加え、病気に弱いなど、生産性が低いことや、現代の料理・食事スタイルに合わないことから減少してきたという経緯がある。
 しかしながら当該認証制度を契機として、生産者、消費者等が大阪の食文化の背景にある「なにわの伝統野菜」の意義を理解するとともに、新たな調理法の開発、生産の拡大など、生産振興・ブランド化に向けた取り組みが行われ、少しづつこれらの伝統野菜が復活していくことが期待される。


―――――(高橋)


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