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地域だより


携帯電話から野菜の安全情報

独立行政法人 農畜産業振興機構 大阪事務所


 最近では食の安全・安心が強く求められ、生産者氏名・識別コード番号を商品の包装に表示する例が増えている。大阪の阪神百貨店では6月17日から二次元バーコードであるQRコードを使うことで、携帯電話から生産者情報や生産履歴などの多元的な情報を提供する試みが始まった。これは、同百貨店で販売している青果小売店の「米島」(本社・東大阪市)が扱う有機野菜について、商品の包装に貼付されたQRコードからインターネットで米島のサイトにアクセスしてもらい、生産者の情報、健康情報、旬の野菜情報等を提供するものである。

 まず、カメラ付き携帯電話でQRコードを読み取り(アドレスが読み取れる)、インターネット上の「米島」のサイトにアクセスし、個々の生産者情報に入ると、生産者の顔写真とともに、有機認証機関からの認証番号、住所、氏名や野菜の施肥状況などが閲覧できる。(なお、現在は、まだ立ち上げたばかりであり、同社に納品している九州、近畿に所在する約40の生産者のうち、有機JAS認定された6生産者についてのみQRコードからの情報提供が行われている。今後は、有機JAS認定以外の生産者分についても拡大予定とのことで、既にこれらの生産者情報については、パソコンからの閲覧が可能となっている。)

 また、同サイトでは旬の野菜を使った「特選レシピ」の紹介や、「トマトは強力な抗酸化作用のあるリコピンを多く含み、その他ビタミンCやビタミンB6、カリウム、食物繊維を含んでいます」などの「野菜の栄養と健康に関する情報」、大阪府立健康科学センターの監修を受けた「食育情報」など多元的な情報も提供している。
 安全・安心などの付加価値情報がさらに重要になっている今日、より多元的な情報提供が課題になるが、このように簡便なQRコードの利用は、非常に良い方策の一つであり、特に、若い世代の消費者がより安易に食の情報に接する機会が多くなるものと思料される。

 一方で、詳細な情報提供に当たっては、日頃のデータ・メンテナンスも重要であり、今回の例は、野菜専門小売店が特定生産者のデータを維持・提供しているが、生産者情報が大量になった場合のデータ更新・維持も課題になると思われる。


野菜の生産者情報などが携帯電話で読みとれる

――――――(高橋)


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