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地域だより


「食育セミナー ~食と健康、心を探る~」 の開催

独立行政法人 農畜産業振興機構
名古屋事務所


 

 
パネルディスカッションの様子



 平成16年12月11日(土)、名古屋市において、当機構は東海農政局との共催により「食育セミナー ~食と健康、心を探る~」を開催した。これは、ライフスタイルの変化や食に対する理解不足などによって食生活が変化し、生活習慣病が増加している現状や、食行動の乱れや家族団らんで食事する機会の減少が子どもたちの精神面に影響を及ぼすとの指摘などを踏まえ、生産者、事業者、栄養士、教育関係者、消費者など食育に関わりのある関係者の参集を得て、それぞれの立場から意見交換を行い、食のあり方について考えることを目的に開催されたものである。

 同セミナーは分科会形式で行われ、第1分科会では「食と健康」、第2分科会では「食と心」をそれぞれテーマにパネルディスカッションが行われるとともに、参加者との質疑応答も行われた。

 第1分科会では、コーディネーターに岐阜女子大学教授小川宣子氏を迎え、パネリストに管理栄養士種子田雅子氏、郡上市職員中嶋恵里子氏、森田農園森田英治氏、ユニー(株)加納秀郷氏、消費者代表として深見沙織氏が務め、(1)旬のものを美味しく食べることの大切さ(2)食を通した健康の大切さを若い人に訴えるには、メディアを活用することが有効であること(3)地域に根ざした伝統ある食文化を伝えていくことの必要性(4)食品の素性を確実なものとするためには、地産地消も有効な手段であるなどの意見が出された。

 第2分科会では、コーディネーターに愛知教育大学教授中野靖彦氏を迎え、パネリストに愛知教育大学教授佐藤和子氏、管理栄養士香川千秋氏、大東牧場森京子氏、農業体験者代表として祖父江美陽氏が務め、(1)家族そろって食事を摂ることにより心の満足度が高くなり、会話があることでさらに高い満足度を得られること(2)朝食を摂っていない保育園児が多いといった保育園勤務を通じた実態の紹介(3)酪農体験者がその体験を通じて食事の大切さや食と心は一体であることをあらためて痛感したという実例の紹介など食と心の関係について意見が出された。

 参加者との意見交換では、第1分科会においては、食育を推進するためには関係者による連携の強化を図り、総合的に取り組んでいく必要があるとの意見が出され、第2分科会においては、「母親が食事を作らないことで子どもが食事を摂れない場合の指導はどのように行ったらよいか」、「中高生のダイエットに対しバランスのとれた食生活を浸透させる方法」などについて質問などが出された。これに対し「学校などで子どもでもつくれる簡単な食事を指導していること」や「ダイエットによる骨密度の低下が、身体に好ましくない影響を与えることについて理解してもらうように努めている」との回答があった。

 最後に、食を通した心と体の健康について、各人が日常生活の中でできるところから実践していく必要性を参加者全員が確認し合い、同セミナーを終えた。



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