今月の野菜


しょうが
 ピリッとした辛味が特徴のしょうがは、日本以外でも中国・インド・欧米で香辛料として広く親しまれています。その他、昔から食欲増進、抗菌作用があるといわれるように、機能性豊かな野菜です。

調査情報部 調査情報第二課


学名: Zingiber officinale
英名:ginger
仏名:gingembre
日本での呼び名:生姜
植物学上の分類:ショウガ科
しょうがの花

1)品種と種類


しょうがの収穫風景
根しょうがは、植えつけてから収穫ま
でに半年以上かかります。
   

2)主な産地
 我が国のしょうがの収穫量は、年間3万9,400トン(平成17年産)です。都道府県別にみた収穫量の割合は、高知県が全国の34%、次いで千葉県、熊本県がそれぞれ13%でこの3県で全体の6割を占めています。また、平成17年の生鮮しょうがの輸入量は、3万8,583トンあり、生鮮の国内しょうがと輸入しょうがはほぼ同じ量となっています。

□「しょうが」の月別入荷量および県別割合(平成17年)
<東京都中央卸売市場>
 
<大阪中央卸売市場>
資料:平成17年
東京都中央卸売市場「青果物流通年報」(「しょうが」及び「葉しょうが」の合計)
大阪中央卸売市場 「青果物流通年報」(「しょうが」及び「新しょうが」の合計)
注:( )はその月の県別出荷割合


3)プロフィール
 しょうがは、古くからインドや中国で利用されていますが、原産地は明らかではありません。日本への渡来も正確には分かりませんが、平安時代の文書中に薑(キョウ/はじかみ)と記録されたものがあることから、渡来はそれ以前の古い時期と考えられます。

 しょうがのことを別名‘はじかみ’と呼びます。日本古来からある山椒を元々‘はじかみ’と呼んでいましたが、しょうがの味が山椒と似ていたことから、しょうがのことも‘はじかみ’と呼ぶようになったそうです。生姜(しょうが)と呼ぶようになったのは、室町時代から江戸時代にかけてといわれています。また、英語のジンジャーの語源は「角の形をしたもの」という意味のサンスクリット語からきており、漢名の「薑」は「百邪を強力に防ぐ」という意味を持ち、これらのことから古代中国ではしょうが特有の香りが邪気を払うおまじないに使われたといわれています。

  平成に入ってから、しょうがの輸入量は急激に増加しています。近年では生鮮のみで4万トン前後の輸入量があり、その他塩蔵、酢漬けなどの加工品の輸入量と合わせると、その量は国内の生産量を上回るほどです。

 


4)栄養
 しょうがには、体内の塩分濃度を調節する役割のあるカリウムや便通を良くする食物繊維を多く含んでいますが、それ以外にも豊富に含まれている芳香成分に様々な機能性があります。その一例として、辛味成分の一つであるショウガオールは、殺菌作用に加え胃液分泌を促進し消化吸収を助ける効能があります。同じく辛味成分ジンゲロンは魚などの臭みをとる消臭作用の他、殺菌の増殖を抑える抗菌作用、新陳代謝を促し発汗作用を高める効果があります。日本では風邪をひいた時しょうが湯を飲む習慣があったことも、魚料理にしょうがを添えることも、合理的な理由があるのです。千切りやスライスをしたしょうがを魚や肉と一緒に料理をすれば自然とその臭みは和らぎます。

5訂 日本食品成分表 可食部100g当たり


5)選び方と保存方法
○選び方
1 皮に傷が少なく、ふっくらしたものを選びましょう。特に新しょうがは皮にしわがなく、みずみずしいものが良品です。
2 葉しょうがは茎があまり太くないものを選びましょう。

○保存方法
 
使った残りは、洗って水気を切り、表面が乾いたらラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。また、おろしたしょうがは、一回分ごとにラップで包み、冷凍庫に保存するという方法もあります。食べる時には、自然解凍をすれば、風味も栄養分もそれほど失われることはありません。


○豆知識
〜しょうがの加工品〜
 寿司に添えられる‘ガリ’やアクセントとして使われる紅しょうがなど、しょうがには多くの加工品があります。粉末にしてお菓子に利用されることもあり、日本ではしょうがせんべい、欧米ではジンジャークッキーなどおなじみです。また、元々、ビールにしょうがの絞り汁を加えた飲料“ジンジャーエール”は、いまではアルコール分の含まれない炭酸飲料として出回っています。


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