今月の野菜


ごぼう
独特の香りと歯ごたえを楽しむごぼうは、最近では食物繊維を多く含む野菜として注目されています。

調査情報部 調査情報第二課


学名: Arctium lappa L .
英名:Edible Burdock
仏名:Grande Bardane
Comestible
日本での呼び名:牛蒡
植物学上の分類:キク科
ごぼうの花

1)プロフィール
 ごぼうの原産地は、ユーラシア大陸北部と言われています。しかし、ごぼうを野菜として食べるのは日本独自のようで、初めてごぼうを利用したと考えられている中国では、現在でも主に薬草として用いられています。日本への渡来の時期は定かではないものの、平安時代の書物などで出てくることから、今から1200年程前には野菜としての栽培が始められていたと考えられます。

 日本人は、ごぼうの豊かな香りとシャキシャキとした食感を好みますが、日本以外の国では、木の根を食べているように思われてしまうそうです。戦時中に、連合軍の捕虜にごぼうを食べさせたところ、虐待にあったと問題になった話や江戸幕末にドイツ人医師シーボルトがオランダに持ち帰ったものの、残念ながら普及しなかったという話もあります。


収穫作業の様子

収穫前のごぼう畑

 お正月料理にごぼうは欠かせない野菜です。関西地方のおせち料理では「黒豆、数の子、たたき牛蒡」が祝い肴、三つ肴と言われているほどです。お正月のごぼうに込められた意味は、地面にしっかり根を張って生きていけるようにということだそうです。

 地中1mまで伸びるごぼうの手作業による収穫作業は重労働です。今は、機械で畝の土を切り崩し、ごぼうの根を浮き上がらせてから収穫する方法などがとられています。マラソンなどで何人もの選手を一気に抜き去ることを“ごぼう抜き”と言います。この語源は(1)ごぼうは長い割りにまっすぐなので簡単に抜くことができるから、(2)ごぼうを抜く作業は大変であり、抜きにくいものを一気に抜くから、と全く正反対の説があります。栽培している土壌により、また、ごぼうが長いか短いかでも変わりますが、一般的にはごぼうは抜きにくいものと考えられ、(2)の説が有力のようです。


2)品種と種類


3)主な産地
 日本国内のごぼうの収穫量は、170,800トン(平成16年産)です。都道府県別にみた収穫量の割合は、青森県が全体の23%を占め、茨城県、千葉県、北海道と続きます。産地は東日本にやや偏っています。

□東京都中央卸売市場における「ごぼう」の月別入荷割合及び県別割合(平成16年)



□大阪中央卸売市場における「ごぼう」の月別入荷割合及び県別割合(平成16年)

資料:東京都中央卸売市場年報、大阪府中央卸売市場年報、大阪市中央卸売市場年報
注:( )はその月の県別出荷割合


4)栄養

 ごぼうの栄養成分で特に注目されるのは、食物繊維です。ごぼうには、水溶性食物繊維であるイヌリン、不溶性食物繊維であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンがたっぷり含まれています。これら食物繊維は、腸のぜん動運動を促進するので、便秘に大変効能があります。また、これら繊維質は消化吸収されずに排泄される際、腸内の発ガン物質など有害物質を吸収してくれるので大腸がん予防にも効果があると言われています。最近の研究報告では、食物繊維のうちのリグニンに抗菌作用があり、がん細胞発生を抑制する効果があることもわかってきました。その他、ごぼうにはポリフェノールも含まれています。あく抜きのため水につけておくと、水に色がつきますが、これはポリフェノールが溶け出したためです。

5訂 日本食品成分表 可食部100g当たり



5)選び方と保存方法
○選び方
1 直径が10円玉ほど(1.5〜2.0cm)の太すぎず、ひび割れのしていないすらりと伸びたものを選びましょう。
2 しわが寄っていたり、ひげの多いものは、古い可能性がありますので注意しましょう。

○保存方法
 

 ごぼうは、乾燥すると硬くなり、風味が落ちてしまいます。泥付きごぼうなどは、新聞紙に包み、冷暗所で保存することをお勧めします。傷がなければ、2週間程度の保存が可能です。

 洗いごぼうや新ごぼうは、鮮度が大切ですので、湿度を逃さないようラップに包み、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。2〜3日で使い切るようにしましょう。


○まめ知識

<きんぴらごぼうの“きんぴら”とは?>
 “きんぴら”とは、“金平”と書き、浄瑠璃の中の登場人物“坂田金平”からきているとのこと。この金平さんは、金太郎こと坂田金時の息子で、怪力で知られていたとか。ごぼうを食べると元気になることから、“きんぴら(金平)ごぼう”と名づけたそうです。お正月にきんぴらごぼうを食べるのは、無病息災を祈願する意味があるとのことです。

<ごぼうの皮をむき過ぎない!>
 ごぼうの香りや風味は、皮の部分に存在します。ピーラーなどで皮を厚くむいてしまうのはNG!包丁の背でこそげ落とすくらいで十分です。料亭などでは、スポンジで泥をきれいに落とすだけで、皮をむかないことも多いようです。
 また、あく抜きに長く水にさらすこともお勧めできません。水溶性の栄養分が溶け出してしまいます。さっと酢水につけると良いでしょう。




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