標高1,000〜1,500mの高冷地で、高原野菜を多品目生産

 JA長野八ヶ岳は平成13年に5JAが合併し、本年7年目を迎えました。
 
 管内は、小海町・川上村・南牧村・南相木村・北相木村の5町村で構成され、長野県の東端に位置し、群馬県・埼玉県・山梨県に接し、千曲川の源流を有する秩父山系から八ヶ岳山麓に広がる、標高1,000〜1,500mの高冷地で、野菜及び酪農を主とした純農業地帯です。年平均気温は8℃前後、年間降水量は1,500mm弱で、盛夏でも30℃を越えることはほとんどありません。この冷涼な気候を活かしてみずみずしく柔らかい、レタス、はくさい、キャベツ、ブロッコリーなどの高原野菜を多品目生産しています。

 冬の降雪は少なく、10cmも降れば大雪です。冬の夜空は放射冷却により満天の星となり、最低気温がマイナス25℃にもなります。


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高原の幻想的な朝霧に包まれたレタス畑

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 「いろいろある産地づくり」を目指す

 平成18年度実績で農業生産額は、野菜189億円、畜産23億円、花卉・茸その他5億円で合計217億円となっており、野菜で87%の売り上げを計上しています。

  野菜の主な出荷は、6月から10月まで長期間にわたるのが特徴です。最近は品目により、5月あるいは11月の出荷も行われています。18年度の出荷実績としては、はくさい700万ケース(15kg/ケース)、レタス560万ケース(10kg/ケース)、キャベツ(グリーンボール含む)110万ケース(10kg/ケース)を中心に、サニーレタス、グリーンリーフ、ブロッコリー、カリフラワー、ちんげんさい等多品目化に向け「いろいろある産地づくり」を目指し、約40品目で1,725万ケース、生産者数950戸、栽培延面積は約3,400haとなっています。

 「作れば売れる時代」から 「売れるものを作る時代」へ

 当地では昭和の初期には、はくさい・キャベツ・だいこん等が栽培されており、昭和10年の小海線全線開通を機に「高原野菜」出荷の第1歩が関西市場向けにスタートしました。

  レタスは第2次大戦後にアメリカの特需として導入され栽培が始まり、30年代に入り機械化、食の洋風化という追い風もあり栽培も増えました。

  その後、40年代にはポリマルチ導入、後半には木箱から段ボール化、貨車輸送からトラック輸送への切り替え、予冷施設の導入と大きく環境が変化する中で、パイロット事業による畑地造成や潅漑排水等の整備も進み、50年代に入ると現在の全面マルチ高畝栽培とペーパーポット移植栽培が普及し、品質数量とも格段に向上しました。その後、セル育苗等が導入され生産者は、品質向上と安定生産に努力してきました。

  平成に入ってからは予約相対も始まり、「作れば売れる時代」から「売れるものを作る時代」となり、品質が良いことはもちろん、いろいろな対応が求められています。現在では関東・中京・関西はもちろん、北は仙台から南は九州・沖縄まで届けています。

 レタスの出荷最盛期は6月上旬〜10月上旬

  
畝立てとマルチ張りを同時にできるマルチャー
      
  
苗を一つ一つ丁寧に手で植えていきます
収穫は朝霧のなか早朝に行われます
  
  
  育苗は基本的には各生産者が行っていますが、JAや民間業者でも行っています。

  マルチ張りは機械化されていますが、定植・収穫は全て手作業でやっています。レタスは全面マルチ栽培することにより、除草作業の低減・化成肥料の削減・病害の発生が大きく抑えられました。

  収穫は、朝暗いうちから始め、圃場で丁寧に選別・箱詰めを行います。最盛期は非常に忙しく、現在の生産量を確保するためには雇用労力は欠かせません。

  レタスとはくさい等他品目との組合せによる2毛作の比率は5割程度となっています。

  現在、管内のレタス生産者は630戸、栽培延面積1,400ha、一戸平均2.2ha、出荷期間は6月上旬〜10月上旬で7月〜9月がピークとなっています。いくら高冷地といっても盛夏期は、いろいろな病害虫の発生や連作障害もあり栽培するうえで難しさがあります。そのためJAでは講習会を開催するとともに、秋から春にかけての完熟堆肥を使用した土作りから排水対策等、化学的・物理的対策を含め総合的に対応しています。また、「技術情報」という形で、種苗管理・施肥管理・病害虫防除等について、状況により随時全生産者へ配布し、管内の生産安定と品質維持の徹底を図っています。

  品種については、作柄に大きく影響するため、毎年何回もの試験を重ね、有望品種を選定し、時期別地域別にいくつもの品種を使い分けています。また減農薬減化学肥料栽培、エコファーマー、「全農長野ニコニコ認証」等にも取り組んでいます。

品種別作型の目安
(一例で地域によって違いあり)
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ノンステープルのシングルダンボール



 持続的で儲かる農業の追求のため、様々な取り組みを実施

  全集出荷所に真空予冷施設を設置し、集荷された野菜は直ちに冷やされ、鮮度保持された状態で全国の消費地に届けています。数ヶ所の集荷所では立体貯蔵施設の利用により、生産者の収穫労力分散や市場休市対応にも有効利用しています。
 
 ダンボールについては、18年より全品目でステープルを廃止し、組み込み式及び井げた組みを実施しています。また、今年度からは、新しい素材で作った「シングルダンボール」を全品目使う事によりコスト削減を図っています。これまでのダンボール箱は、紙を2層にして強度をもたせていましたが、シングルダンボールは、素材をかえて、1層でもこれまでの強度と変わらないものです。また、耐水加工を行い、より野菜の鮮度を保つようにしています。

  19年度の生産販売基本方針として、販売を起点に持続的で儲かる農業(農家手取り確保)の追求、競合産地・輸入野菜との競合に打ち勝てる産地振興、消費形態と実需者の要望に沿った生産販売体制を目指し下記のような取り組みを実施しています。

○生産面
(1)品質向上徹底(顧客の満足度)
(2)気象変動への対応と安定継続供給
(3)いろいろある産地作り 偏重作付けから多品目化
(4)加工業務向けの生産
(5)安全安心生産
・安全安心対策本部設置による危機
・管理体制と内部チェック体制強化
・栽培履歴簿全戸配布と記帳
・出荷前防除日誌の提出と確認
・定期的残留農薬分析の実施

○販売面
(1)市場流通を基本とした系統組織販売
(2)再生産価格の認識
(3)売り場(顧客)確保
(4)適正範囲での契約的取引の充実
(5)加工業務需要への対応
(6)状況に応じた、柔軟且つ迅速な販売対応
(7)土場販売の活性化

 レタス出荷量の35%が予約相対、うち50%が加工業務需要

 レタスの予約相対は平成の始め頃から量販店向けに取り組みが始まりました。当初は実需者より一定価格での安定供給の要請に応えた内容でした。その後の価格低迷もあり、生産者意識も「売上安定的確保」に向かい、産地としても「顧客・売り場確保優先」として取り組み、予約相対は年々増加してきました。現在では地域により差はありますが、全体出荷量の約35%の取り組みとなっています。そのうち約65%が、要請に基づいたコンテナ(平コン・深コン)出荷となっています。

 なかでも、レタスの加工業務需要は増えており予約相対のうち約50%を占めていると思われます。

 予約相対を継続するため、実需者ごとに生産者をグループ化し「顔の見える販売」を通して品質・数量に責任を持ち、約束を果たすことが重要であると生産者は理解しています。その責任から当然個々の生産者としても、産地全体としても予約相対の全出荷量における適正比率(上限)を意識する必要はあると思います。

 予約相対には今後も当然取り組んで行きますが、販売は、やはり市場での日々の販売が重要であり、その活性化が必要と考えています。今後、産地構造を含め後継者が安心して就農できるような野菜生産・販売に向けて、生産者一丸となり系統組織を挙げて、再生産につながる努力をしていくことが必要だと思います。

 野菜の生産販売状況は、数年来の販売不振、生産コスト上昇、労力確保不安定等があり、生産者にとって非常に厳しい内容が続いています。少子高齢化等に伴い、流通や食が変化し多様化しており、消費量も減少傾向にあります。

 顧客との取引は、価格はいくつもの条件により成立しますが、相手の信頼を得、継続していくために大事なのは、やはり鮮度・歩留まり等品質にあると思います。安全安心は当たり前として、「いい物」を送り続けてこそ相手の満足もあり、継続されると思います。いつの時代にあっても、基本は品質にあると思います。

一言アピール

 当地の夏場は晴天日が多く、少ない降水量、高原特有の霧と昼夜の気温格差が大きい事から、野菜の生育には最適です。この冷涼な気候と溢れる太陽の光で、あまくて柔らかくシャキシャキとした、「みずみずしくておいしい」レタスが生産されています。

 野菜は日本人の大事な食料であり、野菜を食べる事は、健康にも美容にも不可欠です。

 先ずは、国産野菜を消費者にいっぱい食べてもらわなくてはなりません。更なる国産野菜の消費拡大を、全ての段階で連携をとりながら取り組む必要があると思います。

 当産地では、安全安心でおいしい野菜を作り全国の消費者に送り続ける事で、恒久野菜産地として残るべく、生産者一丸となって日々、努力しています。

 これから旬のみずみずしい高原レタスをぜひ、皆様の食卓に取り入れて下さい。

お問い合せ先

住所:〒384−1305 長野県南佐久郡南牧村大字野辺山79−7 農業部
電話:0267−91−0100
Fax:0267−91−0200
Mail:nog-m@ytg.nn-ja.or.jp
ホームページ:http://www.ja-yatugatake.iijan.or.jp/
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