■世界初の非結球性芽キャベツ
つぼみがバラの花びらのように開いた「プチヴェール」は、平成2年に株式会社増田採種場がケールと芽キャベツを交配して誕生させたアブラナ科の野菜です。1本の苗から50〜80個のつぼみが収穫され、その名の由来はフランス語で‘小さな緑’を意味します。
■プチヴェールの特徴
加熱するとほんのり甘い「プチヴェール」は、苦みや癖がないのが特徴です。特に霜に当たって生育したものは甘みが増します。ビタミンCをはじめとしたビタミン類、鉄分、カリウムなどの栄養素を豊富に含んでおり、葉はジュース、つぼみはゆでて食べるとシャキッとした歯応えが楽しめます。近年では「プチヴェールルージュ」や「プチヴェールホワイト」といった新しい品種も登場しており、カラフルな色合いも楽しめます。
■JA碓氷安中新興作物研究会の取り組み
JA碓氷安中の‘新興作物研究会’では、「プチヴェール」のほかに‘にがうり’‘ズッキーニ’などの野菜が栽培されています。
同研究会は、平成15年の就農時以来、数々の野菜栽培に挑戦し、徐々に実績を積み上げた現在の会長の尽力により、平成20年に設立されました。
設立当初は8名であった「プチヴェール」の生産者は、平成22年には23名へと増加するなど、生産規模は拡大しています。
冬に浅間山から吹き降ろす‘浅間おろし’により、「プチヴェール」の甘さが増すなど栽培環境にも恵まれています。
定植は7月下旬から8月上旬に、収穫は11月から翌年3月にかけて行われます。同研究会では現在、地域への浸透を図るために、同JAを通じて学校給食などに供給していまが、将来は産地を確立して、新規就農者支援にもなる作物の一つとして発展させたいと考えています。
資料:(株)増田採種場提供資料((財)日本食品分析センター)
および日本食品標準成分表を参考に機構作成。
注:30歳の女性1日当たりの食事摂取基準を100とした場合に
おける100グラム中に含まれる主な栄養素の割合。
小さな森のような「プチヴェール」栽培風景
茎に付いている「プチヴェール」のつぼみ
(赤丸のつぼみを収穫)
産地から一言:おすすめの食べ方
熱湯でさっとゆがいて、マヨネーズやドレッシングをかけて食べるとほんのり甘く、シャキッとした食感が味わえます。煮くずれしにくく、癖がないので、天ぷら、シチューやグラタンの具など何にでも合います。野菜嫌いな子どもでもおいしく食べられますので、野菜不足解消にぜひお試しください。
つぼみの部分を出荷する「プチヴェール」
○〈「プチヴェールのゴママヨ和え」の作り方〉
①「プチヴェール」をさっと洗い、たっぷりの熱湯で2分程度ゆでる。②ゆで上がったらざるに取って、冷水で冷やした後に水気を切る。②マヨネーズ大さじ3、すりごま大さじ1、しょうゆ大さじ1、砂糖小さじ1、塩・こしょうを少々混ぜ合わせ、ゆで上がった「プチヴェール」とからめたら、お皿に盛ってお召し上がりください。
手軽にできる「プチヴェールのゴママヨ和え」
(写真提供:JA碓氷安中)