Nelumbo nucifera

East Indian Lotus(英)

lotus(仏m)

蓮根(和)

花は美と清浄のシンボル。

正月料理や精進料理に。

咳どめなどの漢方薬にも。

ビタミンB12も豊富


ハチの巣に似たはす

はすの花が咲いた後、実の入った花托(かたく)が肥大します。この表面がハチの巣に似ているため、古くは「蜂巣(はちす)」、それが略されて「はす」に。このはすの肥大した地下茎が、食用になる「れんこん」です。

【最初は花を鑑賞用として】

食用として広く利用される東洋系のはすは、一般には中国原産とされていますが、インド、エジプト原産という説もあります。日本には奈良時代に仏教とともに伝えられ、はじめは鑑賞用でした。食用品種は鎌倉時代以降、僧道元らにより再三にわたって中国から導入され、各地に広がって現在の在来種のもとになりました。

中国種

明治初期に中国から導入。地下茎が浅く伸び、太いので掘りとりに便利。病気に強く収量が多いため、現在の主流となっている。

【縁起のよい食べもの】

薄桃色の神秘的な美しい花で、種が多いことから、多産の民族信仰につながりました。また、穴があいていることから、先が見える、見通しがきく、と縁起のよい食べものとされ、慶事に欠かせません。

【穴はたいせつな通気孔】

地下茎の穴の数は、真ん中に1個、まわりに9個、合計10個が普通。ほかに葉や葉柄や花柄にも穴があり、これらが連結していて通気孔となり、根に外の空気を送り込んでいるのです。れんこんの穴はいろいろな料理の工夫を生み出しました。肉や、からし、明太子を詰めると味が引き立ちます。

在来種

中国種よりほっそりし、柔らかで味がよい。地下茎が深く、収量は低い。一部早どりや鑑賞用に栽培されている。

【れんこんの増え方】

種れんこんは、3〜4月に、3節ほどつけた状態で湿田や浅い沼に植えつけます。種れんこんの地下茎はやや斜め下に伸び、節ごとに水上には葉を、地中には地下茎を伸ばします。この地下茎が、先へ先へと枝分かれしながら太くなり、子れんこんができ、さらに孫れんこんができるのです。

【鉄分の吸収を高める】

れんこんが全国各地の城の濠によく見られるのは、いざという時の非常食だったという説も。野菜の中ではビタミンB12も多く鉄分の吸収を高めるので、貧血気味の人は、鉄分の多い食品といっしょに。年間生産量の3割は茨城が占め、次いで徳島や愛知。最近では中国からの輸入ものが出回るようになりました。


城主も剛健になった

熊本名物からしれんこん

名物の麦みそに和からしを混ぜてれんこんの穴に詰め、衣をつけて油で揚げたからしれんこん。病弱だった熊本城主細川忠利に、玄宅和尚が造血剤としてれんこんを食べるよう勧め、藩のまかない方が工夫したもの。やがて城主は剛健になり、これが郷土名物に。

2000年生きたはすの実

世界的に有名な大賀はす

1951年、千葉で大賀一郎博士は2000年前のはすの実を発掘して花を咲かせ、その名を世界にとどろかせました。はすの実は極度に堅い皮に守られているのです。中国では昔からはすの実を砂糖漬けにして食べる習慣があり、実とり専用の品種もあります。


水が干上がった状態の泥の中を、専用のくわで掘り起こし、つけ根からていねいにれんこんを掘りとるのはたいへんな労力。晩秋が収穫の最盛期

ホースで勢いよく泥の中に水圧を加えて泥を飛び散らせ、れんこんを浮かび上がらせる水圧掘り。収穫は楽になるが、土質によってはれんこんに傷がつき、品質の落ちるのが難

早朝に咲く美しい花


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