Allium cepa

onion(英)

oignon(仏m)

玉葱(和)

ローマ時代に栽培され、

食用あるいは精力剤に。

日本へは明治に北海道開拓使が導入


泣きながら切る

切った瞬間からやたらに涙が出るもの、水にさらしてもピリピリとたまらなく辛いものもあります。
たまねぎの辛みは硫化アリルという硫黄を含む成分です。
たまねぎを切ると空気にふれてこの硫化アリルの仲間の催涙性物質が発生して涙が出るのです。

黄たまねぎ

シャロット
もっとも多く出回っている黄色種の辛たまねぎ。イエローダンバース系の札幌黄や泉州黄からの改良種が多く栽培されている。 たまねぎを小さく、やや細くした形。分球して数個の鱗茎をつくるたまねぎの親戚。フランス料理に欠かせない野菜。

【辛たまねぎと甘たまねぎ】

たまねぎは含まれる硫化アリルの量によって大きく二つに分けられます。辛たまねぎはこれを多く含み、甘たまねぎは少ししか含みません。
普通に出回っている黄たまねぎは、中東ヨーロッパで生まれアメリカで改良された辛たまねぎです。
現在栽培されている品種の大半はイエローダンバースの改良品種。
明治時代に時の政府が精力的に導入したものから分化しました。
もう一方の甘たまねぎは、南ヨーロッパで生まれました。辛みが少なくサラダになります。
赤タマネギの”湘南レッド”が初夏から出回ります。

葉たまねぎ
春先の短い期間だけ出回る。まだ若いうちに葉をつけたまま出す早どりのたまねぎ。葉はぬたにしたり、長ねぎと同じように使える。

【その昔は精力剤】

原産地は中央アジア。地中海沿岸ともいわれます。
古代エジプトで栽培され、ギリシャでは紀元前10世紀、ローマでは紀元前5世紀に栽培されていました。
旧約聖書や千夜一夜物語にも食べたり精力剤にする話がいくつか出てきます。
ただしヨーロッパ一帯に広まったのは、16世紀からです。
硫化アリルはビタミンB1の吸収をよくする働きがあります。米食中心でビタミンB1の不足しがちが日本人には欠かせない野菜といえます。

赤たまねぎ
紫たまねぎともいう。皮も表層部も赤紫色。湘南レッドが代表的な品種で、辛みも刺激臭も少なく、みずみずしい。サラダに最適。

【食べているところは?】

わたしたちが食べているのは根、茎、葉どこでしょうか。じつは葉なのです。
葉の下の葉鞘とよばれるところが成長するにしたがって厚みを増し、重なり合って球体に太ったものです。
この部分を1枚ずつはがすと魚のうろこ(鱗)のようになるので、鱗茎とよびます。
日の長さがその品種に適した時間数に達し、温度が上がるとこれが徐々にふくらんでたまねぎらしくなってくるのです。
英語のオニオンという名前はラテン語のユニオンから転じたもの。多くのうろこ状の葉の集合体ということなのでしょうか。

白たまねぎ
日本では極早生種。端境期の3、4月に愛知白が出回る。水分が多く、辛みが少なく柔らかい。

小たまねぎ
ペコロスともよばれ、普通の黄たまねぎを超密植して、直径4センチぐらいの小球に仕上げたもの。最近は専用品種もある。


太陽にはぐくまれ

壺のようにふくらむ

 主産地の北海道では、春になると種から育てた苗を植えつけた小さな細ねぎの長い長い列が、広大な畑に出現します。


 そして初夏には、すんなりとしたねぎの列に変身。夏の日が長くなるにしたがって、地面より少し上の部分が、壷のようにふくらみはじめ、やがて一人前のたまねぎに。

 そして秋。充分に肥大すると、地上部は自然に倒れます。これが収穫のサインなのです。


 新たまねぎ以外は、日もちをよくするため、収穫後1か月ほど風にあてて乾かします。


 昔は農家の軒先につるしたたまねぎが秋の風物詩でした。


 黄たまねぎは、北海道が全国の生産量の約半分を占め、次いで兵庫、佐賀、愛知などが主な産地となっています。


 たまねぎの種は、ねぎと同じようにねぎ坊主の中にできます。採種は雨の少ない香川などで行われています。



夏から秋・冬から春、
産地の入れ替わり

たまねぎの球の太りは日の長さと深くかかわっています。いい球をたくさんとるために、それぞれの地域に向く品種改良が行われてきました。
北海道では冬の寒さを避け、春に種をまき、日の長い夏に太らせて秋に収穫する品種が栽培されています。
府県産の主産地では秋まきで、比較的日が短い春から太る早生や中生の品種が栽培されています。

生食がおいしい赤たまねぎ
湘南レッド

生まれは神奈川県。甘くてみずみずしく、おしゃれな赤紫色です。
南ヨーロッパ系甘たまねぎからの改良品種です。
収穫は6月上旬から中旬。夏はさっぱりとしたオニオンサラダがおいしい季節です。
グリーンサラダの彩りにもぴったり。赤たまねぎでも辛いものもあります。スライスして一度塩水にさらすと、辛みがやわらぎます。


エシャレットは
葉つきらっきょう?

日本でお酒のつまみにされているエシャレットは、葉つき若どりらっきょうを青果市場でエシャレットとよんだことからこの名が広まりました(写真@)。
本物のエシャレット(フランス語でёchalote、写真A)は、小型の分球するたまねぎで、ベルギーやフランスなどからの輸入品です。これを英語ではシャロット(shallot)といいます。

古代エジプトを支えた
たまねぎ

たまねぎは古代にエジプトに伝わり、紀元前33〜28世紀の第一王朝時代の墓の壁画にもたまねぎの絵が描かれています。
また、ピラミッドを築く労働者にはにんにくとたまねぎを食べさせたという記録もあり、すでにそのころから作物化されていたとみられています。また、たまねぎがかれらの給料の支払いにも使われたという説もあります。


北海道ならではの雄大な収穫風景

ずらりと並んだ種とり用のねぎ坊主

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