Salanum melongena

eggplant(英)

aubergine(仏f)

茄子(和)

インド東部の原産地

世界の仲間は多種多様。

日本では1200年の歴史。

在来の地方品種が多い


形も色もさまざま

丸形やきんちゃく形、ひと口サイズの小なすから、中国産のへびなすのように長さ50センチもあるものまで、バラエティに富んでいます。
世界に目をむければ、色も紫、白、黄、緑、まだらなどさまざまです。
日本でも地方に在来品種が多くありました。

長卵形なす

長なすと卵形なすの中間の大きさ。寒冷地でも温暖地でもつくれることから、日本中で栽培されている。栽培が容易で多収量。

【初めは「奈須比」の名で】

日本へは、中国から渡来し、すでに奈良時代には栽培されていました。
当時の「正倉院方書」に、なすを献上したという記録があります。
「なす」というよび名は宮中の女房言葉からきたもので、初めは「奈須比」とよばれていました。

卵形なす

関東を中心にもっとも多く出回っていた品種。代表的なのは鮮やかな濃紫色の”真黒なす”。現在は市場に出ていない。

丸なす

東北から関西に多く、丸くて大きいものは1キロ近くもある。肉のしまりがよく、田楽や煮ものに向く。京都の”賀茂なす”は有名。

【なすは寒がりや】

インド原産といわれ、もともと熱帯性の植物です。
水分が蒸発しやすく、冷風が直接あたると同じ温度でもしなびやすくなります。
ラップでくるんで10℃前後で保存するとよく、5℃以下だと低温障害を受け品質を損ないます。

【”なす紺”のもとナスニン】

野菜の中で、なすの肌ほど光沢のいいものは、見あたりません。
その独特の紫から、「なす紺」という色を表わす言葉が生まれました。
なすの紫色はアントシアニンの一種ナスニンという色素によるものです。

長なす

西日本で人気が高い品種。煮ものに向く。長さは20〜25センチ。東北にも長なすの在来品種が多くある。

【促成栽培のはしり】

「一富士二鷹三なすび」。俗にいうめでたい初夢の順序です。三つとも駿河名物だ、いや、高いものをいうんだと諸説ふんぷん。
江戸時代に徳川幕府が駿府になすの菜園をつくり、初夏になると早飛脚で江戸に送らせたという話も。
淡白な味のなすは、日本人の嗜好にあったのでしょう。
江戸時代から促成栽培が行われるほどでした。

大長なす

九州の焼きなす、煮なす用で、肉質が柔らかい。長さは40〜45センチ。”博多長””久留米長”が代表品種。

【卵となすの関係】

なすは英語でエッグプラント(卵植物)、ドイツ語でアイエル・アプフェル(卵形りんご)といいます。
インドの各地で今も見かける野生種は、丸形や卵形の小なすです。丸くて白い形なら、エッグ=卵に結びつけられたのもうなずけます。

米なす

アメリカ種の大きくてまん丸なブラックビューティーを、日本で改良した品種。へたが緑色で種が少なく、肉がしまっている。

小丸なす

重さ10〜20グラムの丸形なす。山形の”民田なす”や”出羽小なす”などの在来品種がある。からし付けなどの漬物に。


丸なす、長なす、卵形なす

ローカル色豊かだった

丸なすはかつて全国的につくられていましたが、近年では秋田、山形、新潟、福島、京都などに残っているだけになりました。

京都の”賀茂なす”、山形の”民田なす”、”窪田なす”は有名です。関東では関西に比べると小型な品種が好まれており、代表的な品種は鮮やかな濃紫色で卵形の”真黒なす”でした。

関西を中心として長卵形なすが多く、西日本に多いのは長なす、大長なすです。”津田長”、”博多長”、”久留米長”など多くの品種があります。


長なすはまた東北でも栽培され、”仙台長”、岩手の”南部長”、秋田の”川辺長”などが良く知られています。最近では栽培が容易で色がよい長卵形の一代雑種が全国的に広く栽培され、その土地土地の人たちが生活の中で愛し、育ててきた地方色豊かないろいろな形のなすは、しだいに姿を消しています。


世界のなすは大きさ、色、形などさまざまで、へたの色も多彩です。現在、世界ではアジアで多く栽培されており、インドや原産地に近い東南アジア、中国南部では、重さ10グラムくらいの小さなものから300グラムをこえる大きなものまでさまざまななすが店頭に並びます。日本のなすの形は多様ですが、へたの色、実の色は濃い紫色がほとんどです。ごくわずかに地方品種として、ナスニンという紫色の色素ができず葉緑素が形成される緑色の青なすや、葉緑素も形成されない白なすもあります。


露地栽培のなす畑。光線がよくあたるように、V字型仕立てになっている

一年を通じて出荷できるよう、四国や九州ではビニールハウス栽培が盛ん

米なすはへただけでなく、茎も葉も緑色(左)。右は長卵形なす。2〜3葉に1花の割に花がつく


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