Lactuca sativa

lettuce(英)

laitue(仏f)

萵苣(和)

紀元前6世紀にはペルシャで栽培。

平安時代にちしゃが食卓へ。

現在のレタスは明治以降に渡来。

サラダ料理の主役。


歴史の長い野菜

紀元前6世紀、ペルシャ王の食卓に供せられていたと伝えられるレタス。
地中海沿岸から西アジアにわたって分布する野生種から現在のレタスのもとになるものが主にヨーロッパで選び出され、東西に広がっていきました。
レタスの仲間全体を、和名では「ちしゃ」とよびます。
中国から伝わり、平安時代に栽培されていた「ちしゃ」は、わたしたちが今レタスとよんでいるものとは異なり、下のほうの葉から掻きとって使う「掻きちしゃ」でした。

レタス

玉レタスのうち、キャベツ状に結球するクリスプヘッド型のものをレタスとよぶ。以前は500グラム以上のものもあったが、小型化の傾向に。

【多種多様な仲間たち】

レタスにはステムレタス(茎ちしゃ、掻きちしゃなど)、コスレタス(立ちちしゃ)、
リーフレタス(葉ちしゃ、サニーレタスなど)、玉レタス(玉ちしゃ)の4つの仲間があります。
玉レタスには、堅い球になるクリスプヘッド型と、ゆるい球になるバターヘッド型とがあります。
日本では前者をレタス、後者をサラダ菜とよんで区別しています。

サニーレタス

リーフレタスのひとつで、葉に縮みがあり、葉先が赤紫色のもの。昭和40年代につけられた商品名だが、今では一般名称に。

【語源は”乳”】

英語名のレタスlettuceは、ラテン語のラクチュカlactucaから。この語源は乳を意味するラクlacです。
レタスの葉や茎を切ると、乳に似た白い液が出るところからきています。
日本ではレタスを「ちしゃ」とよび、漢字では「乳草」。この「ちちくさ」が、「ちしゃ」になったのです。
東西を越えてともに「乳」をイメージしていたのです。

ステムレタス

茎ちしゃ、掻きちしゃがこの仲間。茎を食べるもので、アスパラガスのような味がするのでアスパラガスレタスともいう。

【サラダ材料の定番】

レタスを生で食べるのは世界的に共通しています。
日本でも、サラダや肉料理のつけ合わせに欠かせない存在になっています。
玉レタスの栽培が本格的になったのは戦後。それまでは、ごく少量がレストランやホテルなどで使われる程度でした。今では全国で栽培され、プリーツレタスなど、新しいタイプのものも
次々と市場に出回っています。

サラダ菜

玉レタスの一種。結球がゆるく、表面に光沢があり、バターヘッド型とよばれる。しんなりとした歯ざわりで、日本でも早くから普及。

【手でちぎって調理】

レタスは鉄の包丁などで切らず、手でちぎったほうが切り口の変色を防ぐことができて、おいしく食べられます。生食のときは、冷水にさらしておき、パリッとしたところで、水分をきって食卓へ。

サンチュ

アジアで発達したレタスで掻きちしゃの仲間。包菜ともいう。焼肉を巻いた利用法で復活したので焼き肉レタスともよばれる。

コスレタス

立ちちしゃのこと。だ円形にゆるく結球し、はくさいのような形をしている。エーゲ海のコス島で栽培されていたので、この名がある。


エデンの東へ

貨車に乗ったレタス

ジェームス・ディーン主演の映画「エデンの東」には、満載したレタスを貨車で遠く東部に輸送するシーンがあります。
この映画に見られるように、アメリカでは収穫したてのレタスを出荷前に砕氷を使って温度を下げ、輸送や保存に耐えるようにする技術が早くから実用化されていました。
野菜は呼吸をしています。そのまま段ボール箱に入れて輸送すると、箱の中の温度が40℃前後まで上がることもあるので、収穫後すぐに冷やすなどの方法で、生鮮状態を保ちます。
日本では昭和48年、初めて長野の農協が初めて導入したレタスの真空冷却(減圧で水分を蒸発させることにより冷却)が、野菜の予冷技術の中心となっています。
この技術と保冷車とを活用し、東京オリンピックのころから急激に高まったレタスの需要に応じて、全国への出荷が可能になったのです。
今では、レタスの年間出荷量の7割ほどが予冷出荷されています。


畑で箱詰めされ、予冷をまつレタス
真空予冷庫では約20分で3〜4℃に急激に冷却 産地から都市の市場まで、低温を保ちながら輸送


レタスはキク科

花も菊によく似て可愛い黄色

葉を見て、よくアブラナ科とまちがえられますが、花を見ればキク科とすぐわかります。
1〜2センチの菊に似た小さくて黄色の花です。香りもかすかですが、菊と似ています。
ところが、花が開いているのは午前中だけ。早寝早起きの習性があって、お昼近くにはもう閉じてしまいます。花びらのひとつひとつに白い冠毛のついた種がついて、たんぽぽのように空中を飛びます。

レタスがのびれば

キャベツが止まる

一般に生活のレベルが上がるとキャベツの消費が増えるそうです。さらに豊かになると、レタスの消費量が上がって、キャベツの伸びが止まるといわれています。
これはアメリカでみられた現象ですが、そっくり同じことが昭和40年代以降の日本でも起きました。
食生活様式がアメリカに似てきたのでしょうか。


山くらげはステムレタス

いためものやサラダに

現在、中国から輸入され、「山くらげ」の名前で販売されている乾燥野菜は、ステムレタスの茎を細く切り、乾燥したもの。
最近では、山くらげ、サンジャー菜、皇帝菜などの名前でスーパーなどでも販売されています。お湯で戻すと3〜4倍に増え、いためものやサラダ、和風料理などに利用します。コリコリとした歯ざわりです。

高原レタスの名を誇って

夏は長野が圧倒的リード

レタスは気温にデリケートな野菜。気温15〜20℃でもっともよく成長します。
季節によって産地が移り、一年中出荷されています。
夏は高冷地の長野や岩手の露地ものが主。秋から冬にかけ茨城、香川など、冬は静岡、春から初夏は茨城、香川などから多く出荷されます。
年間を通した全国生産高をみると、長野が約3割を占め、2位の茨城を大きく引き離しています。


機械でセルトレイの上に種をまき、施設の中で育てるセル育苗

一面に広がるレタス畑


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