Brassica campestris var. pekinensis

Chinese cabbage(英)

chou de Chine(仏m)

白菜(和)

東洋の代表野菜。

渡来は明治、普及は大正。

6割以上が加工・業務用に。

キムチも人気


中国からの種が花開く

はくさいは英語でチャイニーズキャベツといい、日本には明治初年に導入されました。国際的な統計ではキャベツの中に入っています。

日清・日露戦争に従軍した日本の農村出身者の兵士が大陸ではくさいを初めて食べ、その大きさや味に感心したのが全国的に広まるきっかけでした。

中国から各地に導入された種をもとに、宮城、愛知、石川で、それぞれ松島群、野崎群、加賀群という、日本のはくさいを代表する三大品種群がつくり出されたのです。

円筒形

どっしりした円筒形の結球はくさい。頭部の葉がしっかりと重なる包被形。球の内部が黄色みを帯びた黄心型は最近の主流。

【キャベツとかぶの長所を】

はくさいには、結球、半結球、不結球の3タイプがあります。もっとも多く出回っているのは、結球タイプです。

近年、軟腐病(なんぷびょう)やウイルス病に強いキャベツの性質や、根こぶ病に強いかぶの性質を取り入れた品種も育成されています。現在は主な栽培品種だけでも、150以上あります。

砲弾形

砲弾のように頭部がとがった結球はくさい。しまりがよく、頭部の葉が重なり合わない抱合形。内部の白い軟白型は減少している。

【逆転の発想で優良品種を】

はくさいはふつう、同じ株の花粉では実を結びません。この性質を自家不和合性といいます。

現在の品種のほとんどを占める一代雑種は、この性質を利用し、純系同士をかけあわせてつくり出されました。

親系統の長所をあわせもち、しかも長所が均一化しているので品質がよく、生産量も安定しています。

たけのこはくさい

長円筒形でたけのこに似るため、この名がある。通常5〜10キロ、大きなものは1球25キロにも。葉肉が堅く、加熱してもくずれない。

【淡白な味を生かして】

冬場の野菜として重宝なはくさいの使い道は、かつては家庭でつくる漬物用が大きなウエイトを占めていました。

今では漬物をつくる家庭がめっきり減りましたが、淡白な味を生かし、鍋もの、いためもの、クリーム煮、スープ、サラダなど、さまざまに使われています。

日本食ブームのアメリカでも”はくさいサラダ”の名がレストランメニューに加わっています。

半結球はくさい

胴部はしまり、頭部は開いている。関東に多い。葉肉は薄く、日もちがよい。主に漬物用。花芯、半結球山東(さんとう)などがある。

【カットものは芯に注目】

2分の1、4分の1にカットされたはくさいは、芯の部分に注目を。カット後も中心付近は成長を続けるので、盛り上がる度合いで新鮮さがわかります。高くなっていたら、鮮度が落ちています。

ミニはくさい

小人数の家庭でも食べきれるように開発された小型品種。普通品種が1球3〜4キロなのに対して1キロ前後。内部は濃黄色。

ヘアレスはくさい

中国南部、台湾に普及しているはくさい。葉面に毛がないのでヘアレスという。多汁でサラダ向き。


植物ホルモンのはたらきが

はくさいを結球させる

はくさいが結球するためには、80〜100枚の葉が必要といわれます。では、どのようにして結球するのでしょうか。

はくさいは結球期に入ると植物ホルモンの一種オーキシンの生成がさかんになります。このオーキシンは、葉の表に光が当たると葉の裏側に移行し、そこの細胞を大きくするために、葉が立ち上がり、結球するというわけです。

はくさいは15〜20℃の冷涼な気候を好みます。キャベツよりも高温に弱く、また、寒くなると球の中のほうの葉の成長が止まり、しまりのよい球になりません。種のまきどきを逃さず、適温期に育てることがたいせつです。

同じ葉ものでも、葉数が少なく、結球しないほうれんそうやこまつななどに比べると、適温・適地を選ぶのです。秋〜冬どりは広い肥沃な畑のある茨城が出荷の約3割を、夏どりは冷涼な長野が約8割を占めているのはそのためです。


なたねとはくさいは親戚

ルーツはヨーロッパの麦畑

風にゆれるなたね、どっしり腰の座ったはくさい、じつは親戚同士なのです。約2000年前、ヨーロッパの麦畑でアブラナ科の雑草として生えていたなたねの種が麦などについて、地中海域、中央アジアを旅して中国へ。この種から、かぶや漬け菜など多くの葉類が分化。そして7世紀ころ、華北のかぶと華南・華中の漬け菜が交雑し、11世紀ころ結球はくさいの原型が生まれたのです。

各地に生き残る

はくさいの変わりもの

日本の各地には、今も食卓にのぼるはくさいの変わりものがあります。広島菜は広島市特産。安芸菜(あきな)ともいい、不結球の漬物向き品種です。べか菜は東京の江戸川、荒川周辺でとれる若どり不結球はくさい。山東菜(さんとうさい)の一種で、べか船で運搬したことからこの名が。真菜は千葉や東京近郊で栽培。間菜とも書きます。


チョウから逃げろ

はくさいの採種は離れ島で

自然交雑しやすいはくさい。日本の育種家も永年採種で苦労を重ねました。品種の純度を保つため、明治・大正時代、松島で、隔離栽培、隔離採種が行われるようになったのはこのためです。船を漕いで島についてもチョウが追いかけてきて、追い払うのがたいへんだったとか。こうしてつくり出された松島はくさいのおかげで、宮城は戦前には生産が全国一に。

激辛ブームで

止まらないキムチの人気

キムチには約200とおりもの漬け方があり、本場の韓国ではアミなどの魚類も入れます。日本では1988年のソウル五輪を境に韓国からキムチの輸入が増加の一途。1991年までは横ばいだった輸入量が今では倍以上に。最近は激辛ブームで、キムチラーメンやチャーハン、キムチチゲ(鍋)など、以前にはなかった料理法が幅広い年齢層に支持されています。


関東平野に広がる、初冬のはくさい畑

外葉を落として箱づめにされたはくさいの出荷風景

はくさいの冬ごもり。畑においたまま外葉をまとめて上からわらでしばって保存する。2〜3月まで。

かれんな花を咲かせるはくさい


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