Petasies japonicus

Japaniese butterbur(英)

蕗(和)

数少ない日本原産。

キク科の多年草で、

野生種は全国の山野に自生する。

春をつげるふきのとうは、ふきの花


日本原産の野菜

まだ冬のなごりの残る早春に、山すその日だまりにひょっこり黄色い頭を出すふきのとう。
ふきの原産地は日本で、北海道から九州まで全国の山野に自生しています。
冬に黄色の花を咲かせるところから、冬黄(ふゆき)がつまってふきになったといわれます。
また古くは”ふふき”とよび、布々岐とも書きました。
ふきには、茎に息を吹き込める穴があり、折ると糸が出てきます。その様子を表して名づけたとも言われ、平安時代にすでに栽培されはじめました。

【北国には大きな野生種が】

北海道や東北には、巨大なふきが自生し、この野生種を栽培したのが秋田ふきです。
葉の直径は1メートル、高さは2メートルにもなり、葉の下で雨宿りをしたり、馬で行く人に下からさしかけて使ったほど大きなもの。肉質が堅くて苦みがあり、現在では主に名産の砂糖漬けに使われています。

愛知早生ふき

 (あいちわせ)

葉柄が1メートルくらいでやや大型。時期を選ばずに栽培でき、萌芽が早くたくさんとれる。

【栽培ものは愛知早生】

ふきは関西で消費が多く、愛知が全国の生産高の3分の2を占めています。
しかも、全国で栽培されているふきの品種は、ほとんどが”愛知早生ふき”です。

【愛知のふきの栽培】

愛知では江戸時代からふきの栽培が盛んでした。
今から180年ほど前、知多の早川平左衛門という人の畑で、在来のふきと違ってとくに早生の株があることがみつけられ、これが”愛知早生ふき”として広まりました。
やや大型で、葉柄が淡緑色で透きとおったものが好まれています。
露地栽培は3〜5月。ハウス栽培により、真夏を除いてほぼ一年中出荷されます。

水ふき

暖かい地方に自生するふきから改良。柔らかで苦みが少ない。奈良、京都でわずかに栽培。

【雄と雌の株がある】

ふきはキク科の多年草。同じキク科でも”つわぶき”は南九州などでは食用にされますが、ふきの仲間ではありません。
ふきには雄株と雌株があり、野生のふきには雌雄ほぼ同じくらいあります。
ところが、栽培されている愛知早生ふきはすべて雌株で、受粉能力がなく種ができません。
このため地下茎の株分けだけで増やしつづけています。

ふきのとうを栽培しているのは日本だけ。栽培ものは大きくて細長く、香りが少ない。10月下旬から出荷が始まる。


ふきの葉と不思議な

小人の伝説

北海道のアイヌの伝説にコロボックルという小人が登場します。
アイヌ語で”ふきの葉の下の人”という意味で、雨降りのとき1枚の葉の下に
10人も入るほど小さかったといわれています。また、コロボックルはほかの種族に出会うことを嫌ったそうです。
今でも北海道には大きなふきが自生しており、山菜として食べられています。


6月に行われる観光名物の秋田ふきの収穫。風よけのよしず囲いをして葉柄を伸ばす

野菜ふきのとう。早春に葉に先立って出る

愛知早生ふきの栽培原種。大切に育て、株分けして増やす


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