Brassica oleracea

cabbage(英)
chou(仏)
甘藍(和)

ギリシャ時代は薬用、ローマ時代は健康食。一年中出荷される。食べ方にもお国ぶり。


一年中おいしい野菜

 季節に合わせた品種が早くからつくられ、一年中出荷されています。
 春を中心に出回る春系キャベツ、冷涼地で栽培される夏秋キャベツ、寒玉ともいわれ、球がしっかり締まっている冬キャベツなどに分けられます。
 春系キャベツは、内部まで黄緑色を帯びてみずみずしく、生食用として味は最高。ヨーロッパの竹の子形のキャベツを改良したものです。
 冬キャベツは加熱してもくずれず、甘味が増し風味がでます。
 

キャベツ(寒玉) 

年中出回る普通のキャベツ。冬に出回る寒玉は巻きが堅く、形は偏平。

【季節に合わせた生産地】

キャベツの生育に適した温度は15〜20℃で暑さをきらうので、夏には北海道や本州の高冷地でつくられ、冬には温暖な地方でつくられます。  

グリーンボール

 キャベツの一品種。小ぶりのボール形で、葉の中まで緑色を帯び、肉厚のわりに柔らかい。

【キャベツは頭でっかち?】

 英語のキャベッジという名前は、頭でっかちをからかう古いフランス語カボシュから。
 日本では甘藍とか玉菜ともよばれていました。

芽キャベツ

 葉のつけ根のわき芽が結球するキャベツの親戚。太く伸びた茎にびっしりとつき、1株から50〜60個も取れる

  

    

【球にならない野生種】

 ヨーロッパの地中海、大西洋の沿岸が原産地。栽培の歴史は古く、紀元前600年ごろにケルト人がヨーロッパ各地に伝えたといわれています。
当時のキャベツは球を作らず、現在のような形になったのは約1000年前のこと。
日本では、江戸時代の末期からつくられはじめ、戦後、食生活の洋風化とともに急速に消費が伸び、今では食卓に欠かせない野菜になりました。

キャベツ(春系)

 春玉ともよばれ、葉がみずみずしく柔らかで、巻きがややゆるい。

【生産量は堂々の第二位】

  四季を通じて多くの品種がつくられており、日本全国の収穫量はなんと150万トン。
だいこんの220万トンに次いで第二位です。単純に計算しても1人10キロ以上。
葉物野菜の中でももっともなじみの深いキャベツです。

紫キャベツ

 ふつうのキャベツよりも肉厚で巻きも堅い。表面は紫色だが葉肉は白く、切り口が美しい。

【重いものほど味がよい】

 しっかり型のキャベツを選ぶなら、外側の葉が緑色で、切り口が新しくきれいなものが新鮮。
さらに球の巻きが堅く、大きさのわりにずっしりと重いものがおすすめです。
花の咲く茎が伸びることを、「とうが立つ」といいます。
春に出回るキャベツでとうが立ちはじめたものは、栄養分を花にとられてしまうため、味が落ちます。

コールラビ

 葉が巻かずに、茎がかぶのように肥大したキャベツの親戚。煮くずれせず、煮込みや酢漬けにする。


キャベツは大家族

色も形も違う仲間たち

 ヨーロッパでは紀元前から栽培されていたというケールから、色も形もさまざまな野菜が生まれました。

 そのなかで、葉が厚く、堅く巻くようになったのが、現在おなじみのキャベツです。

 紫キャベツや芽キャベツは色や大きさは違いますが、形はそっくり。葉ぼたんは鑑賞用に改良されたものです。

 日本では、明治になって本格的なキャベツの栽培が始まり、大正時代には広く食べられるようになりました。

 その後、とくに昭和25年ごろから消費が急増しました。

 最近出回っているグリーンボールは、その名前のとおり丸玉です。

 これまでは、丸いキャベツはとうが立っていると誤解されていましたが、グリーンボールの登場で、丸いキャベツも市民権を得たわけです。

 最近、市場ではサボイキャベツがみられるようになりました。ちりめんキャベツともよばれ、葉がちりめん状に縮れるのが特徴です。

ケルト人によって栽培化された野生種のケールがキャベツのルーツ。葉が発達し、結球したものが現在のキャベツ。
 花を食べるのがブロッコリーとカリフラワー。
 茎を食べるのがコールラビ、わき芽を食べるのが芽キャベツと分かれてきた。

   

 

キャベツを食べて胃腸も元気

ビタミンUが特徴的

 ビタミンCも多いのですが、キャベツの仲間に含まれる栄養素のなかで、特徴的なのはビタミンU。
このビタミンには、胃や十二指腸の潰瘍を治す働きがあります。ビタミンUを主成分とする胃腸薬も市販されているほどです。
 キャベツの原種に近いとされるケールは栄養たっぷり。カロテンやビタミンCが豊富で、最近話題の健康飲料「青汁」の原料として有名。


 

 

 雪深く寒さ厳しい北国の知恵

 ひと味違う地方の品種

 冬場に新鮮な野菜のとれない北国では、さまざまな方法でキャベツを利用してきました。
 新潟や東北地方の一部で、早春まで雪の下に植えたまま保存したのが”雪中かんらん”。
色が白く、甘味がのっておいしいと評判でした。
 北海道で10月ごろ漬物用に出回る”札幌大球”は、普通の約2倍もの大玉。甘くて柔らかく、とてもおいしいキャベツです。


   

     

夏は高原、冬は温暖の地

一年中快適なキャベツ畑

 春夏秋冬、一年中出荷されているキャベツですが、その産地は季節によって異なります。
 厳しい寒さの中で育つ冬キャベツは、愛知、神奈川、千葉などの温かい地方が主産地です。
 春系キャベツは花芽ができにくい品種で、千葉、神奈川、愛知で多くつくられます。
 夏から秋には、北海道や群馬の嬬恋、長野の野辺山などの高原キャベツが出回ります。

煮たり、漬けたり、そのままで

キャベツの食べ方お国事情

肉をたくさん食べるヨーロッパでは、野菜の煮込み料理がよく作られます。
ドイツでは、すっぱい塩漬け「ザワークラウト」がソーセージにつきもの。
意外ですが、とんかつとの絶妙な組み合わせは純日本流です。
生のせん切りキャベツにソースをかけて食べるのはヨーロッパなどではみられません。
野菜いためや浅漬けのほかにぎょうざの具にも。


なだらかな丘陵地に広がるキャベツ畑

しっかりと葉を巻いたキャベツ

11月には千葉産が半数を占める(東京築地市場)
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