全国の路地で栽培されているキャベツ。

その産地は、生育適温の15〜20℃を求めて全国を移動。

周年続く需要に合わせて年間の供給も平準化してきています。


寒玉から春系へ

かつてのキャベツは、球が固くしまり、球内が真っ白で偏平な「寒玉」がほとんどでしたが、近年、球のしまりがゆるく、球内の葉が緑色を帯びた「春系」が、やわらかくておいしいということで、生産量が増加しています。とくに関東では春系の品種が好まれていますが、関西ではお好み焼きなどに向いた寒玉にも根強い人気があります。また、固くしまった丸型の小型種として、「ボール系」品種が、主に春の早出し用として作付けされています。


群馬県嬬恋(つまごい)地域は、標高800〜1400の高冷地にある夏秋キャベツの大産地。鮮度を保つため、出荷の前に予冷庫に入れて冷たくし、保冷トラックで市場に送られます。

知県東三河地域は日本一の冬キャベツ生産地。愛知県は東京市場の12〜4月までトップの出荷量。大阪市場でも冬場の主役。品種は春系が増えて寒玉と約半々の栽培です。収穫には、うねをまたぐ手押しの運搬車が活躍しています。

海洋性気候で冬も暖かい千葉県銚子地域は春キャベツの大産地。銚子と同じく海沿いの神奈川県三浦地域もすべて春系のみ。茨城県の春キャベツは丸型のボール系も多く出荷されます。



●1世帯当たり年間購入量  18.2kg

●1世帯当たり年間支出金額  2,590円

〔1996年総理府・家計調査年報(全世帯)〕

●収穫量上位10県ランキング

@愛知A群馬B千葉C北海道D神奈川E長野F茨城

G兵庫H鹿児島I福岡

〔1995年農林水産省・野菜生産出荷統計〕


〈緑肥栽培〉トラクターによるライムギすき込み

群馬県嬬恋村は、村をあげての高原キャベツの大産地。夏の東京市場は、嬬恋村からの出荷が半分以上を占めています。

夏、早く収穫の終わった畑には、ライムギの種が捲かれ、青く伸びた茎葉を秋にトラクターですき込みます。「緑肥」として畑に有機物を補給し、また来年もおいしいキャベツを・・・そんな土づくりのための努力です。

これは殺虫剤に代わる害虫防除の新兵器。細いチューブの中には、キャベツの難防除害虫コナガの雌の「性フェロモン」が入っていて、畑全体に「匂い物質」が広がっています。雄は匂いにかく乱されて雌と交尾ができず、産卵率が下がって、葉を食害する幼虫も減ります。この人間と環境にやさし害虫の防除方は、愛知・千葉・長野などの集団産地で成果が上がっています。

葉のやわらかい春系キャベツを冬にも提供したい。そんなときの大敵が冬の寒さによる葉の凍害。千葉や神奈川の産地で、キャベツを寒さの害からやさしく守っているのが、薄い不織布を上からふんわり掛けてやる、べたがけの工夫です。


ビタミンCは、外葉が高く、中葉になるほど低下し、芯の周辺でふたたび高まります。この部位は栄養も甘みもあるりっぱな食材。ぬか床に2〜3日漬ければコリコリした歯ごたえが絶妙。外側からむいて使うと、葉の小さな芯葉が残るので、みそ汁の具にしたり炒め物にするとおいしい。

春系キャベツは巻きがやわらかで弾力があるもの、寒玉は巻きが固く重量感のあるものが良い品です。上部に割れ目が入っていたり、根元の切り口が割れているものは、古くなったキャベツです。外側の葉が白っぽいものは、葉がいたんだり虫にくわれて何枚かむいたものですから、品質が劣ります。根元の切り口が新しいものを選ぶことが大切です。

涼しい季節の保存なら、新聞紙などでくるみ冷暗所においても大丈夫。カット売りの場合は冷蔵庫の野菜室に入れ、できれば新聞紙や湿らせた紙でくるみ、ポリ袋で軽く包むとよいでしょう。


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